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【あらすじ】
血なまぐさい欲望が渦巻く戦国の世で「愛」の兜を掲げ、いちずに民と故郷を愛し、義を貫いた直江兼続。幼少時から上杉景勝に小姓として仕えた兼続は、謙信との師弟関係や石田三成との友情、年上女房・お船との夫婦愛を築きながら、強く生き抜いていく。。
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「大河ドラマ 天地人」の再放送はいつ?
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「大河ドラマ 天地人」のキャスト・スタッフ情報
【キャスト】
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- (直江兼続) 妻夫木聡
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- (上杉景勝) 北村一輝
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- (石田三成) 小栗旬
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- (お船) 常盤貴子
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- (お藤) 田中美佐子
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- (上杉景虎) 玉山鉄二
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- (初音) 長澤まさみ
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- (樋口惣右衛門) 高嶋政伸
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- (樋口与七) 小泉孝太郎
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- (泉沢久秀) 東幹久
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【スタッフ】
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- 火坂雅志(原作)
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- 大島ミチル(音楽)
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- 小松江里子(脚本)
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- 片岡敬司(演出)
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「大河ドラマ 天地人」のあらすじ
1話
五歳の家臣 永禄7年(1564)、越後上田庄の坂戸城主・長尾政景が死に、上杉輝虎(後の謙信)が弔いに現れます。政景の妻・桃は輝虎の実の姉です。桃は髪を下ろし仙桃院(せんとういん)となり、政景の子・喜平次(後の景勝)は輝虎の養子になります。仙桃院は、10歳の喜平次とともに成長し腹を割って話せる家臣を望み、長尾家家臣・樋口惣右衛門の長男・与六(後の兼続)に白羽の矢が…。与六は5歳で喜平次の家臣になったのです。
2話
泣き虫 与六 永禄7年(1564)冬、喜平次(後の景勝)と与六(後の兼続)は上田庄の寺で、侍としての修業生活を送っていました。ある夜、与六は寂しさから寺を脱け出し、心配した喜平次があとを追います。雪の中を実家にたどり着いた与六は、母・お藤に追い返されます。もう歩けないと泣く与六を喜平次が背負い、「母君はお主を捨てたのでない、喜平次に下されたのだ。わしのそばにいてくれ」と語りかけます。二人の心が通った瞬間でした。
3話
殿の初恋 天正元年(1573)春、14歳に成長した兼続は軍議の席で、主君・景勝の考えだとして策を述べますが、謙信はもう一人の養子・景虎の策を採ります。反省しながらの帰り道、兼続は暴れ馬にけられそうになり、一人の若い女性に鮮やかな手さばきで助けられます。上杉家筆頭家老・直江景綱の娘・お船(せん)で、兼続の従姉(いとこ)でした。数日後、兼続は景勝がお船に恋していると知り、無口な主君のためにひと肌脱ごうとして…。
4話
年上の女(ひと) 天正元年(1573)7月、越中の混乱を治めて春日山に戻った上杉軍は、景勝と景虎の活躍に沸いていました。謙信は北条氏からの養子・景虎と景勝の妹・華姫との婚儀を決めます。兼続はお船と祝いの品を買いに遠出しますが、帰り道、二人きりで雨宿りをして気まずい雰囲気に…。翌年、信長が突然、謙信に屏風(びょうぶ)を送りつけてきました。真意を確かめるため、兼続は信長の使者・初音とともに信長の居城・岐阜城に赴きます。
5話
信長は鬼か 天正2年(1574)5月、兼続は岐阜城で信長と対面し、義の精神をぶつけます。信長は古くさいと言い放ち、ひそかに藤吉郎(後の豊臣秀吉)に兼続を殺せと命じます。兼続の窮地を救ったのは佐吉(後の石田三成)という若者でした。翌年、信長は長篠の戦いで、鉄砲を採り入れた戦法で武田を破り、越後を脅かします。なかなか動こうとしなかった謙信は景勝らの説得でついに信長を討つ決意を固めます。兼続はついに初陣を迎えます。
6話
いざ、初陣 謙信の率いる上杉軍は信長を討つため越中に侵攻。ようやく初陣がかなった兼続ですが、敵兵を斬(き)れず落ち込みます。一方、お船の婚儀が決まりました。相手は上野長尾家の景孝です。七尾城を攻める上杉の陣中で、景勝と景虎の家臣同士のいさかいが起きます。犬に景勝の幼名・喜平次と名づけてからかう景虎の家臣に、兼続が激怒して斬りかかったのです。謙信は兼続に「上田庄で己を見つめ直せ」と申し渡し、兼続は陣を去ります。
7話
母の願い 上田庄の寺に蟄居(ちっきょ)する兼続のところへ、弟の与七(後の実頼)が母・お藤の病が思わしくないと伝えに来ます。しかし、兼続は意地を張って家に帰ろうとしません。一方、北条は関東の上杉方の城攻略を再開し、上杉軍は七尾城攻めを中止して春日山にとって返します。お船の父・直江景綱が病で亡くなり、跡取りとなったお船の夫・信綱も参戦します。謙信が七尾城攻めに戻るころ、兼続のもとに母・危篤の知らせが届きます。
8話
謙信の遺言 難攻不落と言われた七尾城を攻め落とした謙信は、加賀・手取川で柴田勝家率いる信長軍に大勝しました。年が明け、蟄居(ちっきょ)が解かれた兼続は弟の与七(後の実頼)と春日山へ戻り、景勝や上田衆から温かく迎えられます。次は天下取りとはやる景勝や景虎に、謙信は天下を取るよりも大切なことがあると諭します。そして兼続には、迷うことで己の義が見えてくると説き、兼続こそ謙信の唯一の弟子だと告げます。
9話
謙信死す 天正6年(1578)3月、関東出陣を目前に、突然、謙信が病に倒れました。兼続の必死の看病もむなしく、謙信は「そなたの義」と言い残して息を引き取ります。謙信の死で、上杉家は家督を巡って景勝派と景虎派に分かれて対立。見かねたお船の母・妙椿尼(みょうちんに)は、謙信が「家督は景勝に」と遺言を残したとうそを告げます。景勝の母・仙桃院は、上杉の混乱を鎮めるために、うそを真実として生きていく決意をします。
10話
二人の養子 謙信の遺言を不審に思った景虎派の柿崎晴家は、景勝に夜討ちを仕掛けますが、景勝派の泉沢久秀に斬(き)られて絶命。疑いの目を向けられた景虎は怒って潔白を訴えます。謙信の葬儀の夜、兼続の父・樋口惣右衛門は兼続と弟の与七(後の実頼)に、急いで春日山城本丸をおさえるよう指図します。兼続が景勝に知らせますが、景勝は義兄弟を裏切ることはできないと進言を拒みます。しかし、兼続は与七らとともに本丸占拠に向かいます。
11話
御館(おたて)の乱 春日山城本丸占拠に不信感を募らせた景虎は、ついに景勝と戦うことを決意します。お船は仙桃院に実の息子・景勝のもとに戻るよう説得しますが、仙桃院は戦を止めるため景虎のそばに残ると告げます。景勝はこの戦に義があるのかと悩み、兼続は謙信の義を継ぐのは景勝だと励まします。緒戦は景勝軍の優位に展開し、景虎軍は御館(おたて)へ陣を移します。兄・景勝の所に戻れと言う景虎に、華姫は生涯、景虎の妻でいると誓います。
12話
命がけの使者 長引く戦で春日山城の兵糧が尽きかけていました。兵糧を運ぶ道は景虎軍におさえられ、北条氏政は弟の景虎に援軍を送ります。兼続はかつて謙信が春日山を守る最後の要とした桑取村を頼ることを思いつきます。桑取に向かう途中、兼続は老婆・トメを助け、話し合いには無用と刀を預けます。桑取に着いた兼続は、桑取の長・斎京三郎右衛門の説得を試みますが、三郎右衛門は頑として応じません。すると、そこにトメが現れ…。
13話
潜入!武田の陣 兼続の活躍で兵糧を確保した景勝軍でしたが、依然としてこう着状態が続いていました。そんな折り、景虎軍に加勢した武田の軍勢が越後と信州の国境まで迫り、さらに北条の援軍も近づきます。兼続は苦境を打破する妙案が浮かばず、父・惣右衛門に「力の限りを尽くせ」と叱咤(しった)されますが、ついに宿敵・武田と和ぼくする策を持ち出します。猛反対する景勝や重臣を説得し、兼続は武田家重臣・高坂弾正と交渉します。
14話
黄金の盟約 兼続が武田家重臣・高坂弾正と和ぼくを約束したひと月後、再び武田軍が進軍を始めました。高坂弾正が急死したのです。兼続は再度の和ぼく交渉を懇願し、初めは聞き入れなかった景勝も上杉家を守り抜くと決意します。兼続と上田衆が直談判に赴き、必死の交渉の末、武田勝頼は軍を引きます。一方、景虎に加勢する北条の大軍が越後に進軍。上杉は武田との結びつきを強めるため、景勝と信玄の娘で勝頼の妹・菊姫との婚儀を決めます。
15話
御館(おたて)落城 武田と手を結んだことで、御館(おたて)の乱は景勝方が優勢となります。兼続は景虎の傍らに残る景勝の母・仙桃院と妹・華姫の身を案じていました。まもなく仙桃院の必死の説得で景虎が降伏し、嫡男の道満丸が人質として差し出されます。しかし、春日山へ向かう途中、道満丸が何者かに暗殺されます。景虎が反撃を開始すると、景勝も御館へ総攻撃を仕掛けます。景虎は華姫とともに逃げますが、追いつめられて自害を決意します。
16話
信玄の娘 信長の脅威が越後に迫っていました。上杉家では武田との和ぼくの証しとして、信玄の娘・菊姫を景勝の妻に迎えます。初めは心を閉ざしていた菊姫も、仙桃院や兼続の優しさにふれ、徐々に心を開いていきます。景勝は景虎方の残党を一掃して越後を平定し、ようやく御館(おたて)の乱が終結。兼続は21歳で家老に任じられ、上田衆もそれぞれ城持ちとなります。しかし、重臣の中には年若い兼続の出世を快く思わない者もいました。
17話
直江兼続誕生 兼続の出世をねたむ家臣にお船の夫・直江信綱が殺され、兼続は家老職を引きたいと願い出ます。景勝は受け入れず、兼続に筆頭家老・直江家に入るよう命じます。兼続はお船の夫、直江兼続になります。一方、信長は武田家を滅亡させ、越後を包囲します。春日山では悲しみに沈む菊姫を景勝が優しく気遣い、菊姫は初めて夫婦であることを実感します。そのころ、上杉の対信長軍の最前線である魚津城で、激戦が繰り広げられていました。
18話
義の戦士たち 信長軍に包囲された越中・魚津城では、吉江宗信、安部政吉ら上杉軍が必死に防戦していました。信長軍の攻撃が激しさを増す中で、兼続が奇襲作戦を提案し、景勝も了承します。出陣準備に追われる兼続のもとに、与板衆の援軍が駆けつけます。お船から預かったという直江家家宝の短刀と一房の黒髪を渡され、兼続はお船の心づかいに勇気づけられます。そして単身、魚津城本丸に乗り込んだ兼続はろう城組に降伏するよう説得しますが…。
19話
本能寺の変 上杉軍は信長軍を討つため越後へ引き返しますが、すでに敵は撤退していました。兼続は追い討ちをかけますが、もう少しのところで逃げられてしまいます。自分を責める兼続に、景勝は少し休むよう命じます。直江屋敷に戻った兼続は、お船と初めて夫婦らしい時間を過ごし、互いに最初からひかれていたと告白します。一方、京では明智光秀が謀反を起こし、本能寺にいる信長を急襲、ほどなく越後にも「信長死す」の知らせが届きます。
20話
秀吉の罠(わな) 本能寺の変の後、明智光秀を討った秀吉は信長の孫・三法師を跡継ぎに推し、その後見として主導権を掌握。さらにライバルの柴田勝家を討ち、関白に就任します。春日山城に秀吉の使者が来て、秀吉は景勝との会見を望んでおり、みずから越後まで出向くというのです。会見は景勝、兼続、秀吉、三成の4人のみ。ひと言も話さない景勝は威圧感を与え、会見は順調に進みますが、やがて秀吉は景勝に上洛(じょうらく)を迫ります。
21話
三成の涙 秀吉との会見後、兼続と三成は二人きりで語り合い、互いに興味を覚えて別れます。一方、家康は秀吉と景勝の接近をけん制しようと真田攻略をもくろみます。春日山では、菊姫が懐妊したと仙桃院が勘違い。兼続が騒ぎの収拾を図るさなか、三成が再び訪ねてきます。相変わらず横柄な三成ですが、兼続は仲間の上田衆を誘い、三成のために宴(うたげ)を開きます。三成は兼続の素直さ、人への優しさに触れ、二人の間に友情が芽生えます。
22話
真田幸村参上 春日山に初音が真田の使者として訪れ、兼続は驚きます。実は初音は真田の娘で、「徳川の脅威から真田を守ってほしい」と頼みます。ほどなく真田から人質がやって来ました。初音の弟・幸村です。裏切ることで乱世を生き抜く真田家に育った若き幸村は、頑固で心を開こうとしません。そんな折り、徳川軍が真田の居城・上田に進軍。景勝は援軍を送り、幸村を上田に返します。初めて上杉の義の精神にふれた幸村の心に変化が起こります。
23話
愛の兜(かぶと) 秀吉に約束した上洛(じょうらく)を突然やめると言いだした景勝。兼続はお船のすすめで景勝を故郷・上田庄に誘い、幼いころ修業した寺を訪れます。さまざまな思い出に浸りながら、改めて主従のきずなを確かめ合うことで景勝は迷いを振り払います。上洛が近づき、兼続は自分の義にふさわしいことばを探していました。そして、「越後の民を愛する思いが、みずからの力の源」と考え、「愛」の文字を兜(かぶと)の前立てに掲げます。
24話
戸惑いの上洛(じょうらく) 天正14年(1586)春、景勝と兼続が上洛(じょうらく)します。京の宿所には気品のある女性が控えていました。三成が世話係に頼んだ千利休の娘・お涼で、茶道から武術まで諸芸全般に通じる才女です。景勝と兼続はお涼の助言で秀吉との対面を無事にこなします。休む間もなく北政所や重臣たちへあいさつに回り、夜、宿所に戻ると重臣・福島正則が酒宴に誘います。翌日も次々に招待を受けますが、景勝は拒み、ついには倒れます。
25話
天下人(てんかびと)の誘惑 病に倒れた景勝の代わりに、兼続があいさつ回りに奔走。その堂々たるふるまいに前田利家らも感心します。兼続は秀吉に呼び出され、秀吉の家臣となった幸村と再会。秀吉は兼続にも自分の家臣になるよう迫ります。そんな折り、傷を負った初音が人質となっていた北条から兼続のもとに逃げてきますが、また姿を消します。茶会の前夜、景勝と兼続は一連の動きが上杉を滅ぼす罠(わな)だと判断し、ともに秀吉に屈しないと誓います。
26話
関白を叱(しか)る 大坂城で催された茶会の席で、秀吉は砂金を積んで家臣になれと兼続を誘いますが、兼続は「主君は上杉景勝のみ」と断ります。刀を首に突きつけられても動じない兼続に、秀吉も引き下がります。宿所に戻った兼続は、景勝の遺言を目にします。死を覚悟して茶会に臨んだ景勝に、兼続は自分への信頼の深さを感じて涙します。一方、天下のすう勢を読んだ家康も上洛(じょうらく)し、秀吉に戦の苦労はさせないと誓って歓心を買います。
27話
与六と与七 与七は婿入りして小国実頼となり、婚家で兄・兼続と比べられて肩身の狭い日々を送っていました。その実頼が景勝の名代として聚楽第(じゅらくてい)の落成祝いに上洛(じょうらく)し、秀吉から官位を授かります。越後に戻った実頼は、無断で官位を受けたことを兼続に責められます。翌年、景勝と兼続の上洛に同行した実頼は京に残り、以後は上杉と豊臣の橋渡し役を担います。一方、お船が懐妊し、兼続は父になる喜びに浸ります。
28話
北の独眼竜 家老職で多忙を極める兼続のもとに、京の実頼から書状が届きます。それは「勢力を拡大しつつある伊達を討て」という秀吉の命でした。兼続は政宗に戦をやめるよう説得に赴きますが、政宗は受け入れません。政宗に亡き信長の姿を見て、力で人の心はつかめないと諭す兼続に、政宗は激怒して刀を抜きますが…。天正17年(1589)6月、兼続が佐渡の内乱を平定したころ、与板城ではお船が長女を出産し、兼続は父になりました。
29話
天下統一 天正18年(1590年)、秀吉の北条攻めに上杉も加わります。景勝、利家、真田昌幸らに包囲され、北条の支城の城主が降伏。景勝と兼続は城主に酒を振る舞い、利家は敵にも礼節を尽くす上杉の心に感服します。秀吉は出兵しない政宗にいら立ち、ようやく現れた政宗は遅参のため会津領を没収されます。諸大名の連合軍と秀吉の奇策が功を奏し、北条氏政は敗北を認めて切腹し、北条家は滅亡。ついに秀吉が天下統一を果たします。
30話
女たちの上洛(じょうらく) 上杉軍は越後に凱旋(がいせん)し、これで平和が訪れると喜んでいたやさき、秀吉が国主の妻を上洛(じょうらく)させよと命じてきます。しかし、景勝の説得にも菊姫は頑として応じません。京では秀吉がますます隆盛を誇り、利休が反逆の罪で切腹。景勝は心ならずも主命として、菊姫に上洛を命じます。菊姫の寂しさを察したお船は、長女・お松と出産したばかりの次女・お梅を兼続に託して、菊姫の上洛の供をすることを決意します。
31話
愛の花戦(はないくさ) 上洛(じょうらく)した菊姫とお船は、北政所や淀、大名の奥方たちとのつきあいに追われていました。そんな折り、秀吉は嫡男・鶴松を3歳で亡くし、家督をおいの秀次に譲って朝鮮出兵の準備にかかります。文禄元年(1592年)3月、上杉軍は出兵に備えて京へ入り、景勝と菊姫、兼続とお船は久しぶりの夫婦再会を喜びます。景勝と兼続は上杉軍とともに肥前名護屋城で1年待機した後、戦のむなしさを感じつつ朝鮮へ渡ります。
32話
世継ぎの運命(さだめ) 文禄2年(1593)、朝鮮に渡っていた景勝と兼続に帰国の命が下ります。秀吉と淀の間に男子・拾(ひろい・後の秀頼)が生まれたのです。秀吉の養子・秀俊(後の小早川秀秋)は秀吉に疎んじられ、翌年、小早川家へ養子に出されます。秀吉は拾のために伏見城建設を上杉に命じ、景勝と兼続は京に入ります。その夏、兼続にも長男が誕生。やがて伏見城が完成し、越後に戻った兼続は子らの教育係となった利休の娘・お涼と再会します。
33話
五人の兼続 文禄4年(1595)、景勝は兼続に上杉の執政を任せます。一方、秀吉はおいの関白・秀次に謀反の疑いをかけ、切腹を命じます。秀次と懇意な政宗も疑われますが、家康のとりなしで事なきを得ます。秀吉はわが子・拾(ひろい・後の秀頼)への忠誠を誓う起請文(きしょうもん)を諸大名に提出させます。家康は三成を激しく責めます。三成の苦難を案じた兼続は、国政を合議制にすることを提案し、利家の助力で秀吉の了承を得ます。
34話
さらば、越後 慶長2年(1597)9月、兼続は三成に内密に呼ばれます。そこには、病に伏した秀吉がいました。秀吉は家康を恐れ、徳川を抑えるため上杉に会津への国替えを頼みます。景勝の母・仙桃院は、弟・謙信の遺骸(いがい)とともに越後に残ることを決意します。翌年、秀吉から上杉に正式に国替えの命が下り、会津から陸奧へ国替えを命じられた政宗は怒ります。国替えを間近に控えた景勝と兼続は八海山に登り、越後の景色を眺めます。
35話
家康の陰謀 慶長3年(1598)8月、利家にあとを託し、三成らに見とられて秀吉が亡くなります。諸大名が伏見城に集結し、その席で家康は三成を叱責(しっせき)します。大坂城へ移った淀は諸大名に秀頼への忠誠を誓わせますが、家康はあいまいにしたまま、暗に上杉や三成を批判します。兼続が発言の撤回を求めても、家康は応じません。兼続は家康を討とうとする三成を挑発に乗るなと諭し、事態の収拾を求めて利家のもとに出向きますが…。
36話
史上最大の密約 慶長4年(1599)、利家の死んだ夜、福島正則ら武将たちが三成を討つべく挙兵。三成は宿敵・家康の懐に逃げ込みます。三成の身を案じた兼続は淀を動かし、三成は命を救われ蟄居(ちっきょ)の身となります。家康は秀頼の後見人、事実上の天下人となりました。京から引き上げる途中、兼続が三成を訪ねると、三成は初音や家臣の島左近と再起の機会をうかがっていました。兼続と三成は対家康の作戦を練り、再会を誓って別れます。
37話
家康への挑戦状 慶長5年(1600)、会津に戻った兼続は領内の整備を進めます。そんな折り、家康から「上杉に謀反の疑いあり、上洛(じょうらく)せよ」という書状が届きます。兼続は潔白を示し、家康の理不尽さをただす返書を送りつけます。世に言う「直江状」です。家康は激怒し、上杉討伐に向かいます。迎え討つ兼続は白河に巨大な防塁を築きます。一方、三成は毛利輝元を総大将として大坂城へ入り、秀頼を奉じ家康討伐のため挙兵します。
38話
ふたつの関ヶ原 慶長5年(1600)9月15日、家康率いる東軍と三成率いる西軍が関ヶ原で激突。一方、信州・上田では真田昌幸と幸村親子が秀忠軍の行く手を阻み、奥羽では兼続率いる上杉軍が最上方の長谷堂城を包囲します。関ヶ原での緒戦は西軍が優勢でした。しかし、あと一息で勝利というとき、小早川秀秋の裏切りで西軍は総崩れとなり、三成は初音とともに脱出します。上杉の陣にも西軍大敗の知らせが届き、兼続は全軍撤退を決めます。
39話
三成の遺言 兵を引き、会津へ戻った兼続のもとに初音が訪れ、三成が京の六条河原で斬首(ざんしゅ)されたと伝えます。一方、家康は戦後処理を進めます。西軍の諸将が処分され、豊臣家も減封になります。翌年、兼続と実頼が景勝の名代として上洛(じょうらく)。そこに福島正則が現れ、三成は誰よりも豊臣家のことを思っていたと語り、小早川秀秋にも会ってほしいと頼みます。兼続が秀秋を訪ねると、秀秋は兼続にあてた三成の遺言を伝えます。
40話
上杉転落 西軍の諸将に処分が下される中で、兼続は徳川の重臣・本多正信を訪ね、上杉存続を条件に直江家の家督を譲ると申し出ます。福島正則と小早川秀秋は上杉救済のため、淀に働きかけて家康を説得します。結果、上杉は会津120万石から米沢30万石へ移封となり、お家断絶を免れます。兼続は会津へ戻り、殿を信じてついてくる者は面倒をみると家臣に告げます。上杉を去る者はなく、感極まる兼続は家臣6千人とともに米沢へ向かいます。
41話
上杉の生きる道 景勝はよく米沢までついてきてくれたと頭を下げ、その姿に兼続ら家臣は胸を打たれます。上杉の苦しい財政に頭を悩ませる兼続に、父・惣右衛門は必要なのは「希望」だと助言します。兼続は松川に石堤を作ることを思いつき、開墾に加わる者を募ります。一方、兼続の娘・お松と本多正信の次男・政重の婚儀が決まります。自分が家督を継ぐと信じていた長男・竹松は衝撃を受けますが、惣右衛門から父の愛を信じるよう諭されます。
42話
将軍誕生 長男・竹松が病に倒れ、お船が菊姫の心遣いで京から米沢に戻ります。一方、家康は征夷大将軍に任じられ、江戸に幕府を開きます。景勝と兼続は家康に謁見(えっけん)することに決め、反対する実頼を「今は生き残ることが上杉の義」と諭します。同じころ、伏見城に残る菊姫が病に倒れ、駆けつけた景勝に「上杉を守るため、側室を持ってほしい」と語ります。まもなく菊姫が亡くなり、景勝は悲しみをこらえて大坂城へ年賀に赴きます。
43話
実頼追放 慶長9年(1604)夏、景勝の側室が男子出産後に亡くなり、お船が子を育てることになります。一方、兼続の長女・お松と徳川家重臣・本多正信の次男・政重との婚礼が近づき、兼続は迎えの使者を送ります。しかし、兼続の弟・実頼は家康と手を組むことに反対で、婚儀を勝手に断ってしまいます。兼続が正信に謝罪し婚儀は元に戻りますが、苦渋の末、実頼を高野山追放に処します。その高野山には、同じく追放の身の幸村もいました。
44話
哀(かな)しみの花嫁 本多政重が直江家に婿入りし、名を勝吉と改めます。夫の勝吉が心を開かないことに悩む長女・お松を、時に任せればよいと母・お船が励まします。江戸では家康が秀忠に将軍職を譲り、豊臣との決別を知らしめます。年の暮れ、次女・お梅に続いてお松もはやり病に倒れ、勝吉と夫婦になれて幸せだったと言い残して亡くなります。兼続の長男・竹松を跡取りにという勝吉に、兼続は上杉の鉄砲づくりを見せ、ずっとここで暮らせと話します。
45話
大坂の陣へ 慶長10年(1605)春、家康の嫡男・秀忠が将軍を継ぎ、上杉も参じるよう命が届きます。諸大名が祝いに駆けつけますが、豊臣の姿はありません。心配した高台院は淀に、このままでは豊臣家を滅ぼすことになると忠告します。米沢に戻った兼続は長男・竹松を気遣いつつ、勝吉の再婚話を進めます。同じころ、仙桃院が病に倒れ、謙信の遺言はうそだったことを景勝に告白し、「そなたの義を貫けばよい」と言い残して亡くなります。
46話
大坂城炎上 慶長19年(1614)、景勝と兼続のもとに政宗が現れ、大坂城攻めをやめるよう家康を説得してほしいという秀忠の命を伝えます。秀忠は秀頼に嫁いだ娘・千姫の身を案じていたのです。しかし、家康は大坂城攻めに突き進みます。一方、幸村ら豊臣方の諸将も大坂城に入り、大坂冬の陣が起こります。和議締結後も一触即発の中で、死を覚悟した幸村はひそかに兼続と別れの酒を酌み交わします。別れ際、兼続は幸村に頼み事をします。
47話
愛を掲げよ(最終回) 大坂の陣を終えた景勝と兼続は米沢へ戻ります。まもなく兼続の長男・景明(幼名・竹松)が病で亡くなり、お船は悲しみの中で景勝の子・玉丸を世話するため江戸へたちます。一方、兼続と政宗は隠居した家康から呼び出され、将軍職を継いだ息子・秀忠の指南役を頼まれます。やがて指南役を退いた兼続は、私財を投じて米沢初の学問所「禅林文庫」を創設し、政から身をひきます。そして、兼続はお船とともに越後へ旅に出るのでした。
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