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【あらすじ】
山梨の貧しい農家に生まれたはなは、学問の才を活かすため父親に連れられて東京の女学校に特待生として入学。花子と名を改め、英語を猛勉強して欧米文化に親しんでいく。やがて出版社に入った花子は、自分の好きな小説を翻訳して連載するように。。
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「花子とアン」の再放送はいつ?
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「花子とアン」のキャスト・スタッフ情報
【キャスト】
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- (村岡花子(安東はな)) 吉高由里子
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- (安東吉平) 伊原剛志
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- (安東ふじ) 室井滋
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- (安東吉太郎) 賀来賢人
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- (安東もも) 土屋太鳳
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- (安東かよ) 黒木華
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- (木場朝市) 窪田正孝
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- (木場リン) 松本明子
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- (徳丸甚之介) カンニング竹山
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- (醍醐亜矢子) 高梨臨
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【スタッフ】
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- 中園ミホ(脚本)
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- 梶浦由記(音楽)
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「花子とアン」のあらすじ
1話
1945年、空襲の中、「赤毛のアン」の原書を胸に抱いて走る村岡花子(吉高由里子)の姿があった。時はさかのぼり、1900年の甲府。貧しい農家に生まれた安東はな(山田望叶)は、学校へ行かずに家事や子守に精を出し、母・ふじ(室井滋)ら家族を助けていた。ある日、行商先から帰った父・吉平(伊原剛志)から土産の絵本をもらう。吉平は、字も読めないのに目をきらきらと輝かせるはなを見て、とんでもないことを思い立つ。
2話
小学校へ数日間通っただけで字を覚えたはな(山田望叶)は、夢中で本を読みふけるように。娘の才能を感じた父・吉平(伊原剛志)は、はなを東京のミッション系女学校へ入学させようとするが、村人たちに「西洋かぶれでおかしくなった」と言われる。母・ふじ(室井滋)も「うちのどこに、そんなお金があるのか」と反対する。そんな折、地主の徳丸(カンニング竹山)が小作料を上げると発表。はなの家族にも動揺が走る中、はなは…。
3話
はな(山田望叶)は、家の生活が苦しいことに気を遣い、「女学校なんか行きたくない」と嘘(うそ)をつく。ますます家の手伝いに励み、小学校も休みがちに。幼なじみの朝市(里村洋)は、そんなはなが心配だ。ある日、道端で地主・徳丸(カンニング竹山)に出会ったはなは「奉公先を紹介して欲しい」とじか談判する。数日後「奉公先が決まった」と知らせが届き、何も知らない母・ふじ(室井滋)と祖父・周造(石橋蓮司)は驚く。
4話
はな(山田望叶)は、夜中に忍び込んだ教会から逃げる途中で、朝市(里村洋)を置き去りにしてしまう。朝市のことを気にかけつつ、奉公へ出発する朝を迎える。はなとの別れを惜しむふじ(室井滋)や周造(石橋蓮司)ら家族たち。ところが、迎えに来た奉公の仲介人は、話が違うと言いだす。欲しいのは力仕事のできる男で、女の子はいらないと言うのだ。はなは落ち込むが、そのとき兄・吉太郎(山崎竜太郎)が意外なことを言いだす。
5話
高熱を出し、「辞世の歌」を詠んだはな(山田望叶)だったが、吉平(伊原剛志)が町の医者へ連れて行き、一命を取りとめる。はなは、生まれ変わったつもりで自分の好きな名前を付け直すことにしたと言い、「花子と呼んでくれ」と皆に言う。はなの才能を確信した吉平は、女学校へ進学させる相談のため、牧師(山崎一)を家へ呼ぶ。意外にも牧師からは反対を受けるが、ふじ(室井滋)は、はなの本当の気持ちに気づき始める。
6話
3年がたち、はな(山田望叶)は10歳になっていた。奉公が明けた兄・吉太郎(山崎竜太郎)が家へ帰って来るが、吉平(伊原剛志)と相変わらず折り合いが悪い。ふじ(室井滋)はお隣のリン(松本明子)に、なぜ吉平のような変わり者と夫婦になったのかと尋ねられ、道で偶然出会ったときのなれそめを語りだす。たまたまそれを聞いていたはなは、ふじが吉平を好きになったのは、自分が本を読んでるときの気持ちと同じだと話す。
7話
東京の修和女学校に編入したはな(山田望叶)は、英語教師・富山(ともさかりえ)に「一度でも落第点を取ったら退学」と告げられ、緊張する。はなは寮母・茂木(浅田美代子)に寄宿舎へ案内され、同室となる醍醐(茂内麻結)と意気投合するが、上級生・白鳥(近藤春菜)には、さっそく言葉遣いや振舞いを厳しく注意されてしまう。やがて校内で大きな図書室を見つけ、小躍りして喜ぶはなだが、並んでいる本を開いてみると…。
8話
女学校での生活は、規律厳しい日課や洋風な食事など、はな(山田望叶)にとって驚き、戸惑うことばかり。とりわけ英語の授業は、はなだけが全くついて行けず、教師の富山(ともさかりえ)に厳しく指導される。さらに毎週金曜日は「英語だけで話さなければいけない日」。はなは外国人教師たちに話しかけられないよう、校内を必死で逃げ回る。だが、ブラックバーン校長(トーディ・クラーク)に捕まり、謹慎を命じられてしまう…。
9話
規律の厳しい寄宿舎生活になじめず、ホームシックにかかってしまったはな(山田望叶)と醍醐(茂内麻結)は、ブラックバーン校長(トーディ・クラーク)の悪口を言った罰として、外国人教師の部屋を掃除することになる。一生懸命に掃除し、部屋の主・スコット先生(ハンナ・グレース)に感謝されるものの、はなの心は晴れない。その後も英語の授業について行けないはなは、ある夜、寝室からこっそり抜け出して庭へ出る…。
10話
はな(山田望叶)が塀越しに吉平(伊原剛志)と再会して以来、ガス灯の下はふたりの秘密の待ち合わせ場所となっていた。そこへ夜な夜な聞こえてくるスコット先生(ハンナ・グレース)の美しい歌声に、聞きほれるはな。そんな折、富山(ともさかりえ)が「校長先生に英語で手紙を送る」という課題を出し、辞書も持っていないはなは困り果ててしまう。締め切り間近の日、スコットの部屋で掃除をしていたはなは、ある物を発見する…。
11話
はな(山田望叶)が提出した課題の手紙は、なんと最高得点を取り、皆の前で読みあげられることになる。それはまるでラブレターのような文面で、読み進められるうちにスコット先生(ハンナ・グレース)はなぜか顔色が悪くなり、退出してしまう。それを見て動揺するはな。教師たちは手紙を称賛するが、富山(ともさかりえ)は本当にはなが書いたのかと疑い、この場で英語でスピーチをするよう求める。追いつめられたはなは…。
12話
スコット先生(ハンナ・グレース)の恋文を丸写ししたことがバレてしまったはな(山田望叶)は、ブラックバーン校長(トーディ・クラーク)から自室での無期限謹慎を命じられる。退学は免れないだろうという周囲の予想に醍醐(茂内麻結)は心配するが、はなは自分のこと以上にスコットを傷つけてしまったことを深く後悔していた。ある日、面会にやってきた吉平(伊原剛志)は、はなからことの次第を聞き校長に直訴に向かうが…。
13話
英語が大好きな女学生に成長したはな(吉高由里子)は、同室の醍醐(高梨臨)たちが将来の結婚相手の話題で盛り上がるのも気にせず、毎日英語の本を読みふけっていた。醍醐たちに、「どんな時にときめくのか」と尋ねられたはなは、「辞書を引いて未知の言葉の意味が明らかになる時だ」と答え、からかわれる。そんなある日、醍醐たちと孤児院へ奉仕活動に出かけたはなは、同じく英語が堪能な帝大生・北澤(加藤慶祐)に出会う…。
14話
孤児院での奉仕活動で出会った帝大生・北澤(加藤慶祐)に「花子さん」と呼ばれ、胸のときめきを抑えられないはな(吉高由里子)。それに気づいた醍醐(高梨臨)ははなに、北澤と親しくなりたければ貧しい農家の出身であることを黙っておいた方がいいとアドバイスする。その時は、うそをついてまで北澤と親しくなりたくないと答えるはな。だが、北澤と一緒に子どもたちのための紙芝居を作っているとき、家族について問われ…。
15話
北澤(加藤慶祐)と話し込んでいて女学校の門限を破ってしまったはな(吉高由里子)は、ブラックバーン校長(トーディ・クラーク)の怒りを買い、罰として学校中の大掃除を命じられる。年末で人がほとんどいなくなった校内を、白鳥(近藤春菜)に厳しく指導されながら一生懸命掃除するはな。一方、茂木(浅田美代子)は孤児院の牧師から、はなが門限に遅れた本当の理由を知り、それを聞いたブラックバーンは一計を案じる…。
16話
ブラックバーン(トーディ・クラーク)の計らいで、5年ぶりに甲府へ里帰りすることになったはな(吉高由里子)。道で偶然再会した朝市(窪田正孝)は、見違えるようにきれいになったはなに驚くばかり。それは実家の家族も同じだが、ふじ(室井滋)や周造(石橋蓮司)ははなを温かく迎える。夕食時、吉平(伊原剛志)ははなの頑張りをほめちぎるが、兄・吉太郎(賀来賢人)や妹・かよ(黒木華)ははなにそっけない態度を見せる…。
17話
かよ(黒木華)が女工として製糸工場へ行くことを朝市(窪田正孝)から聞き、ショックを受けたはな(吉高由里子)は、自分だけ東京で勉強させてもらっていることがいたたまれなくなる。はなは地主の徳丸(カンニング竹山)のもとを訪れ、女学校をやめて働くので働き口を世話して欲しい、と頼み込む。その話をリン(松本明子)から伝え聞き、ふじ(室井滋)や朝市たちは驚くばかりだが、かよはなぜか怒り出すのだった…。
18話
甲府の家族たちに励まされ東京へ戻ったはな(吉高由里子)のもとに、帝大生・北澤(加藤慶祐)からはがきが届いていた。しかし白鳥(近藤春菜)が「適切でない表現があったので」と文章を墨で塗りつぶしてしまい、内容を知ることもできない。次の奉仕活動の日、孤児院で親しくなったカナダ人少女・ミニーが帰国することを知ったはなは、北澤とともに少女にお別れを告げる。その帰り道、北澤とふたりになったはなは…。
19話
女学校の本科へ進級した春、はな(吉高由里子)は校門で、高貴なたたずまいの女性に出会う。24歳で突然女学校に編入してきた伯爵家令嬢・葉山蓮子(仲間由紀恵)の美しさと優雅な物腰に、校内は噂で持ちきり。蓮子ははなに荷物を運ばせるなど高飛車に振る舞うが、茂木(浅田美代子)をはじめ学校側は蓮子にかなり気を遣っている様子。はなは個室に入った蓮子に食堂へ行くよう声をかけるが、蓮子は自分の部屋で食事をとると言う。
20話
勝手気ままな振る舞いを続ける蓮子(仲間由紀恵)を指導するべく白鳥(近藤春菜)が部屋に向かうが、あっさり退けられてしまう。はな(吉高由里子)は、そんな蓮子のお世話係をすることに。授業を勝手に抜け出す蓮子に、はなは「私は家族のためにも勉強しなくてはならない」と言い、蓮子はそんなはなを不思議な目で見る。ある夜、はなが蓮子に呼び出され部屋を訪れると、蓮子は「ぶどうで作った薬」という飲み物をはなに勧める…。
21話
蓮子(仲間由紀恵)に勧められるまま「ぶどうで作った薬」を飲んだはな(吉高由里子)は、夜中に校内を大声で歌いながら歩き回り、教師たちが駆けつける騒ぎに。飲んだのは、なんとぶどう酒だった。翌朝、目を覚ましたはなはブラックバーン(トーディ・クラーク)たちに事情を聞かれるがよく思い出せない。一方、蓮子は「はなさんが勝手に飲んだ」と言い放ち、はなはがく然。前代未聞の不祥事に、はなは処分保留のまま謹慎に…。
22話
うわさを聞いて駆けつけた吉平(伊原剛志)は、事情を聞いてはな(吉高由里子)に手を上げ、涙を見せる。教師たちを前に土下座し、はなにも土下座させ、必死にわびる吉平。そんな父娘の姿を蓮子(仲間由紀恵)はじっと見つめていた。そんな折り、蓮子の兄・葉山晶貴伯爵(飯田基祐)が様子見で女学校を訪れ、学校に寄付を申し出る。だがその裏で、晶貴は蓮子に冷徹な言葉を浴びせるのだった。一方、再び謹慎の身に戻ったはなは…。 15分
23話
意を決し蓮子(仲間由紀恵)の部屋を訪れたはな(吉高由里子)。ところが部屋は散らかり、荒れ放題。自分で片づけもできない蓮子のお嬢様ぶりにはなはあきれつつ、てきぱきと掃除をする。はなはぶどう酒の件で助けを求めるが、蓮子は取り合わない。だがはなが、自分が退学になると家族を悲しませるのが一番つらいと言うと、蓮子は家族はそんなに大切なものなのか、と問う。家族への思いを語るはなに、蓮子は意外なことを口にする。
24話
はな(吉高由里子)の処分が校長室で言い渡される瞬間、突如やってきた蓮子(仲間由紀恵)は「ぶどう酒を飲ませたのは自分」と告げ、自分を退学にするよう言い放つ。なぜうそをついていたのかブラックバーン(トーディ・クラーク)に問われても蓮子は答えず、富山(ともさかりえ)は激怒。しかしブラックバーンは意外にも、二人とも退学にしないという決断を下す。語られ始めたその理由を、はなは必死に同時通訳して蓮子に伝える。 15分
25話
修和女学校の一大行事・大文学会が近づき、はな(吉高由里子)の学級は「ロミオとジュリエット」を上演しようと盛り上がる。恋愛劇をやることに富山(ともさかりえ)は猛反対するが、生徒たちの熱意を聞いたブラックバーン校長(トーディ・クラーク)が上演を許可。はなは脚本の執筆を頼まれ、「ロミオとジュリエット」の原書を日本語に翻訳することになる。主役を誰が演じるか話し合っていると、意外な人物が名乗りを上げる…。 15分
26話
はな(吉高由里子)は前半部分の翻訳を完成させ、いよいよ芝居の稽古が始まった。しかし、自らロミオ役に立候補した蓮子(仲間由紀恵)は一向に稽古へ現れず、ジュリエット役の醍醐(高梨臨)ら級友たちは反発を強める。無理やり稽古場につれてきても全くやる気を見せない蓮子に、しびれを切らした醍醐は役を降りると宣言。騒ぎを聞きつけたブラックバーン校長(トーディ・クラーク)は、やってくるなり意外な提案をする…。
27話
なぜ主役を引き受けたのかと問うはな(吉高由里子)に蓮子(仲間由紀恵)は「家の者に復しゅうするため」と答え、「私の復しゅうにつきあってくださらない?」と呼びかける。はなは取り合わず、とにかく一生懸命稽古して成功させよう、と説得するが蓮子はへそを曲げてしまう。蓮子がまったく稽古に来なくなり、ますます途方にくれるはなたち。一方甲府では、軍隊入りを強く望む吉太郎(賀来賢人)が、あるところへ向かっていた…。
28話
はな(吉高由里子)が書きあがったばかりの脚本を真っ先に蓮子(仲間由紀恵)に渡したのを見て、醍醐(高梨臨)は嫉妬を抑えられない。一方、白鳥(近藤春菜)がジュリエットの代役を買って出る。その怪演ぶりに皆が内心困り果てていると、蓮子が現れ、脚本にいたく感動した、今日からまじめにけいこする、と宣言。喜びで演出にも力が入るはな。そのころ甲府ではふじ(室井滋)が血相を変えて吉太郎(賀来賢人)に…。
29話
公演を間近に控え、はな(吉高由里子)や蓮子(仲間由紀恵)たちの稽古は熱を帯びていく。そんな折、富山(ともさかりえ)が切なげな様子で稽古場を見つめるのを目撃したはなは、茂木(浅田美代子)から富山がかつてジュリエットを演じたことを聞かされる。一方、蓮子の実家では、兄・晶貴(飯田基祐)が蓮子からの招待状に目をむいていた。いよいよ大文学会当日、緊張で震えが止まらない蓮子に、はなは意外な言葉をかける…。 15分
30話
開幕直前、蓮子(仲間由紀恵)から衝撃の過去を告白されたはな(吉高由里子)は、舞台に飛び出して行った蓮子を、祈るようなまなざしで見守る。客席には蓮子の宿敵とも言える兄・晶貴(飯田基祐)の姿があり、蓮子はジュリエットのセリフに思いの丈をのせ、晶貴にぶつけてゆく。物語は進み、はなが急きょ演じることになった小間使いの出番に。しかしはなは緊張のあまり転んでしまい、大事な小道具の薬瓶をほうり投げてしまう…。
31話
「腹心の友」となったはな(吉高由里子)と蓮子(仲間由紀恵)は、好きな文学や将来の夢を日々語り合っていた。はなは茂木(浅田美代子)の紹介で、梶原(藤本隆宏)が編集長を務める出版社でアルバイトを始める。初めは戸惑ってばかりのはなだが、書棚の一番上の大きな英和辞典に目がくぎづけとなる。休憩時間、はながそれを取ろうと四苦八苦していると、一人の男性が近づいて来る。印刷会社に勤める村岡英治(鈴木亮平)だった。
32話
富山(ともさかりえ)と梶原(藤本隆宏)が会っているのを目撃してしまったはな(吉高由里子)。かつて恋人同士だった二人のうわさは醍醐(高梨臨)によって学校中に広まってしまう。一方出版社では、はなは英治(鈴木亮平)の提案により翻訳の手伝いを任されることに。それを聞いた蓮子(仲間由紀恵)は喜びを分かち合い、はなにあるペンネームを授ける。そんな折、晶貴(飯田基祐)が蓮子へ面会に訪れ、思いもよらぬ行動に出る。
33話
晶貴(飯田基祐)から、葉山家を救うために見合いをしてくれと懇願され、絶句する蓮子(仲間由紀恵)。そのころ出版社では、その日入稿予定の原稿が燃えてしまうというアクシデントが起きていた。社員たちが途方に暮れる中、はな(吉高由里子)は翻訳を買って出る。だが肝心の英和辞典が持ち出されており、英治(鈴木亮平)は修和女学校の辞書を借りようと飛び出して行く。しかしはなは、女学校が男子禁制だったことを思い出し…。
34話
蓮子(仲間由紀恵)が見合いした石炭王・伝助(吉田鋼太郎)は親子ほども年の離れた人物で、傍若無人に振る舞って蓮子を戸惑わせる。そんなことはつゆ知らず、はな(吉高由里子)は蓮子の帰りを待ちつづけるのだった。一方、社会運動への厳しい取り締まりを目の当たりした吉平(伊原剛志)はしばらく身を潜めることにし、久しぶりにはなの元を訪れる。蓮子は悩みつつ女学校へ戻って来るが、はなを見かけると意外なことを提案する。
35話
蓮子(仲間由紀恵)たっての希望で、はな(吉高由里子)の故郷・甲府へやって来たふたり。周造(石橋蓮司)はじめ安東家の人々は蓮子の美しさにびっくりするが、やがて打ち解け、ふじ(室井滋)が作ったほうとうに蓮子は舌鼓を打つ。そんな彼女に吉太郎(賀来賢人)は一目ぼれしてしまった様子で、無口になってしまう。楽しいときを過ごすはなたちだったが、ふじは蓮子がなにか悩みを抱えているのではないかと感じ始める…。
36話
ふじ(室井滋)の温かい言葉に蓮子(仲間由紀恵)がひそかな決意をした翌朝、はな(吉高由里子)と蓮子は近くの池へ魚釣りに出かける。楽しそうだが「今日を決して忘れない」などと言う蓮子に、はなはどうしたのかと問うもののはぐらかされる。そこへ朝市(窪田正孝)と吉太郎(賀来賢人)もやってきて、4人は大きな魚を釣り上げる。朝市や蓮子の言葉に背中を押され、帰京したはなは高等科への進学を決意する。しかし、蓮子は…。
37話
蓮子(仲間由紀恵)が石炭王・嘉納伝助(吉田鋼太郎)と婚約したという新聞記事に、何も聞かされていなかったはな(吉高由里子)はショックを受ける。急いで蓮子の部屋へ向かうが、もはや蓮子の姿はなかった。いても立ってもいられないはなは、ブラックバーン(トーディ・クラーク)や富山(ともさかりえ)が止めるのも聞かず、学校を飛び出して蓮子の実家・葉山邸へ向かう。しかし、屋敷の前で大勢の記者たちに囲まれてしまう…。
38話
寄宿舎に蓮子(仲間由紀恵)が来ていると聞いて、急いで駆けつけたはな(吉高由里子)。感情を抑えられず蓮子を責めるはなに、蓮子はこの結婚は自分が望んだことで、これで自分は自由になれると言ってのける。はなは信じがたい思いで聞きながら、それは蓮子がかつて自分に教えてくれた自由ではない、こんな結婚は取りやめるべきだと説得する。一瞬心が揺れたかに見えた蓮子だが、結局立ち去ってしまう。そして、披露宴当日…。
39話
福岡の嘉納家に嫁いだ蓮子(仲間由紀恵)は、祝宴でのあまりのどんちゃん騒ぎに言葉を失う。さらに、子供はいないと聞かされていた伝助(吉田鋼太郎)から娘の冬子(山岡愛姫)を紹介され、衝撃を受ける。4年後、はな(吉高由里子)は高等科の最上級生になっていた。下級生に英語を教えながら、はなは自分の卒業後についてまだ決められずにいる。片や甲府ではふじ(室井滋)が、はなが卒業後に帰って来るのを心待ちにしていた。
40話
製糸工場で働いているはずのかよ(黒木華)が変わり果てた姿ではな(吉高由里子)の前に現れた。醍醐(高梨臨)の部屋にかくまわれたかよは、工場での過酷な生活と脱走の経緯を語り、このまま東京で暮らしたいと言う。はなは、かよのためにも東京で仕事を探そうと決心する。一方、かよの失踪を聞いて騒然としていた安東家では、茂木(浅田美代子)から無事との電報が届きひと安心するが、誰が東京へ迎えに行くかという話になり…。
41話
かよ(黒木華)を迎えに東京へやって来たふじ(室井滋)は、久しぶりにはな(吉高由里子)とかよの三人で布団を並べる。ふじははなに「東京で頑張れ、かよのことを頼む」と伝える。翌日、はなが下級生にいきいきと英語を教える様子を見たふじは、本心を告げることなく甲府へ帰ってゆく。それを聞いた妹・もも(土屋太鳳)ははなの鈍感を憤り、ある行動に出る。一方、梶原(藤本隆宏)からはなに、就職のための面接の知らせが入る。
42話
家族のために甲府へ帰ることに決めたはな(吉高由里子)は、朝市(窪田正孝)の奔走のおかげで、朝市と同じく小学校の代用教員をすることになる。いよいよ卒業を間近に控え、はなは富山(ともさかりえ)から、卒業式恒例のブラックバーン校長(トーディ・クラーク)のスピーチを通訳する大役を命ぜられ、緊張を抑えられない。そのころ福岡の蓮子(仲間由紀恵)は、嘉納家を変えようと西洋風の食事を取り入れ、孤軍奮闘していた…。
43話
甲府に戻り、尋常小学校の代用教員となったはな(吉高由里子)は、ふじ(室井滋)や周造(石橋蓮司)に見送られ、緊張しながら朝市(窪田正孝)とともに初出勤する。かつて担任だった校長の本多(マキタスポーツ)がはなを教師たちに紹介するが、英語を使うはなに緑川(相島一之)は、西洋かぶれの女に教師が務まるのかと嫌みを言う。6年生の担任になったはなは、教室で「ごきげんよう」と挨拶し、子どもたちから笑われてしまう。
44話
教師なのに初日から廊下に立たされたはな(吉高由里子)の話はさっそくリン(松本明子)から家族に広まり、はなは「先生に向いてないのでは?」と言われ落ち込んでしまう。翌朝、迎えに来た朝市(窪田正孝)に励まされ、心機一転厳しく授業を進めるはな。そんな中、はなは家が貧しく欠席しがちだが、想像力の豊かなたえ(伊藤真弓)という生徒が気になっていた。ある日、お弁当を持たないたえが空を見上げているのを見たはなは…。
45話
教師になってひと月がたち、しばらく欠席の続くたえ(伊藤真弓)のことが気になるはな(吉高由里子)。校長の本多(マキタスポーツ)から、たえが親戚の家に引き取られる話を聞いたはなが、たえを案じながら帰宅すると、家の前でたえが待っていた。自分には“想像の翼”があるから大丈夫だと強がるたえの姿を見たふじ(室井滋)は、たえを夕食に誘う。はなの家族とともに食卓を囲んでいたたえは、ふと親指姫の絵本に目を止める…。
46話
たえ(伊藤真弓)を教会の図書室に連れ出したことが問題となり、はな(吉高由里子)は本多(マキタスポーツ)に退職願を提出する。「ひと月で辞める教師がどこにいる!」と一喝され、辞めずに済んだはなは、朝市(窪田正孝)から「子どもたちがはな先生を辞めさせないでくれと頼んだ」という話を聞き驚く。夏を迎え、はなもようやく先生らしくなってきたある日、一通の手紙が届く。それは、遠い親戚の家へ行ったたえからだった…。
47話
はな(吉高由里子)がたえ(伊藤真弓)のために書いた童話『みみずの女王』が、児童文学の賞を受賞し、はなはびっくり。朝市(窪田正孝)や家族は大喜びだが、はなは「花子」と書いたはずの名前が「はな」と印刷されている事に首をかしげる。一方、吉太郎(賀来賢人)は徴兵検査に甲種合格し、ふじ(室井滋)は複雑な思いを抱く。はなの受賞を知った蓮子(仲間由紀恵)は手紙を書こうとするが、はなにした仕打ちを思い出し…。
48話
東京での受賞パーティーが始まった。はな(吉高由里子)は、同じく受賞した宇田川(山田真歩)の高圧的な態度や、周りの出席者の洗練された空気に押され、居場所がない。それを見た英治(鈴木亮平)は、名前の誤植の件でケンカした仲直りをしようとブドウ酒で乾杯を持ちかけるが、ブドウ酒に苦い思いのあるはなは素直に受け取れない。そこへ醍醐(高梨臨)が現れ、はなと再会を喜び合う。やがて“誤植事件”は意外な展開を
49話
東京での授賞式から戻ってきたはな(吉高由里子)が気持ちも新たに出勤すると、校長の本多(マキタスポーツ)が、はなに見合いの話があると言う。徳丸(カンニング竹山)が持って来た話で、相手は徳丸と肩を並べる地主の跡取り息子。はなが女学校で英語を勉強していたという話を聞き「ぜひ、会いたい」と言ってきたらしい。あまり気乗りしないはなだが、話はすぐにリン(松本明子)から家族へ広まり、後に引けなくなってしまう…。
50話
4年ぶりに突然甲府へ帰って来て、はな(吉高由里子)の教室へ現れた吉平(伊原剛志)。家族のもとへ帰っても追い返されないようにしてくれと頼む吉平のために、はなは一計を案じ、一足先に家へ帰る。はなはふじ(室井滋)たちの前でさりげなく吉平の話題を出そうとするが、吉太郎(賀来賢人)は父への反感をあらわにし、うまく行かない。そのころ教員室で待機していた吉平は、本多(マキタスポーツ)からはなの見合い話を聞き…。
51話
突然帰ってきた吉平(伊原剛志)に、怒りを抑えられず思いのたけをぶつけた吉太郎(賀来賢人)。家族の状況を何も知らなかった事にさすがにショックを受けた吉平は、夜も眠れずひとり縁側へ出てくる。そんな父を心配し話しかけるはな(吉高由里子)に、吉平は空白の4年間について語り始める。社会運動に身を投じ、逃亡をつづけていた吉平が明かす意外な結末に、はなはかける言葉が見つからない。その時、ふじ(室井滋)が…。
52話
福岡の蓮子(仲間由紀恵)の元へ、兄・晶貴(飯田基祐)が突然現れる。応対した伝助(吉田鋼太郎)は挨拶も早々に晶貴へ封筒を渡す。蓮子が奪い取って確かめると、中身は札束だった。事業の資金繰りが下手な晶貴は伝助に金を無心しに来たのだ。問いつめる蓮子をよそに晶貴は去り、伝助は「お前のために払う金と思えば惜しくはない」などと言い放つ。蓮子の孤独は深まるばかりだった。一方、安東家も相変わらず気まずい空気で…。
53話
はな(吉高由里子)はもも(土屋太鳳)から、望月(川岡大次郎)が見合いの返事を首を長くして待っているということを聞き、ますます迷ってしまう。そんなある夜、ふじ(室井滋)は吉平(伊原剛志)に、吉太郎(賀来賢人)が職業軍人になるのに反対しているのは、父親としてさみしいからではないのかと問う。吉平はそれに答えず、ふじにくしの土産を差し出すが、ふじはそれを断る。その理由を知ったはなは、ふじにあることを聞く。
54話
はな(吉高由里子)と望月(川岡大次郎)の見合い話が壊れたと知って激怒する徳丸(カンニング竹山)の元へ、吉平(伊原剛志)が乗り込む。ののしり合っていたふたりだが、どういう訳か「徳丸の商品を吉平が行商で売りさばき、借金を返して行く」という成り行きとなる。やがて、吉太郎(賀来賢人)入営の日がやってくる。吉平は見送ることなく先に出かけ、吉太郎はふじ(室井滋)や周造(石橋蓮司)たちに見送られて出発するが…
55話
4年の月日がたち、はな(吉高由里子)もすっかり小学校の教師らしくなっていた。ある日、行商から戻った吉平(伊原剛志)が見合い話を持ってくる。はなは「見合いはもうこりごり」と言うが、今度はもも(土屋太鳳)への見合い話で、相手は北海道へ移住しようとしている青年だと言う。吉平は熱心に勧めるが、ふじ(室井滋)は否定的で、もももあまり乗り気でない様子。はなは、ももはひそかに好きな人がいるのでは、と思い始める。
56話
もも(土屋太鳳)の好きな人が朝市(窪田正孝)だと知ったはな(吉高由里子)は、ふたりを近づけるため、はな・もも・朝市・武(矢本悠馬)で合同の茶飲み会を開く。はなはももと朝市をふたりきりにするため、思惑に気づかない武をなんとか巻き込んで、こっそり家に帰る。そうとは知らず、朝市とふたり残されたももは…。そんなある日、小学校に小包が届き、はなは差出人を見て驚く。絶交していた蓮子(仲間由紀恵)からだった。
57話
福岡の炭鉱でガス爆発が起こった事を全く知らされていなかった蓮子(仲間由紀恵)の元へ、炭鉱夫たちがどなりこんで来た。ひるみながらもきぜんとした態度で対応する蓮子に、怒りの収まらない炭鉱夫たちがつかみかかろうとした時、伝助(吉田鋼太郎)が帰宅する。座敷で話し合うことになるが、蓮子は伝助に「女は邪魔だ」と言われ、入れてもらえない。蓮子が様子をうかがっていると、女中頭のタミ(筒井真理子)が思わぬ行動を…。
58話
朝市(窪田正孝)の好きな人がはな(吉高由里子)であると知って、ショックをひきずりながら帰宅したもも(土屋太鳳)。だが、家族たち、とりわけはなの前では、いつも通り明るく振るまうのだった。翌朝、ももは「縁談を受けて北海道へ行く」と宣言し、みんなをびっくりさせる。吉平(伊原剛志)は「本当にいいのか」とももに問うが、ふじ(室井滋)は「ももが決めたことだから」と賛成する。納得いかないはなは、朝市に…。
59話
小学校から帰宅したはな(吉高由里子)は、ふじ(室井滋)の胸で泣き崩れるもも(土屋太鳳)を見て、朝市(窪田正孝)への恋が実らなかったことを知る。いよいよももが北海道へと旅立つ日、もものことが心配なはなや周造(石橋蓮司)、リン(松本明子)はいろいろとせん別を持たせようとする。出発を促す吉平(伊原剛志)を引き止めたももは「忘れ物だ」と言い、姿勢を正すと、大好きな家族たちへこれまでのお礼を伝え始める…。
60話
北海道へ嫁いだもも(土屋太鳳)のために新しい童話を書き上げ、東京の出版社へ持ち込んだはな(吉高由里子)。さっそく読んでもらおうとするが、梶原(藤本隆宏)は忙しそうで取りつく島もない。そうこうしていると売れっ子作家になった宇田川満代(山田真歩)がやってきて、はなは鼻であしらわれてしまう。醍醐(高梨臨)から「明日、出直した方がいい」と言われ、はなは肩を落としながら、かよ(黒木華)の部屋へ泊まりに行く。
61話
ある日、東京から梶原(藤本隆宏)が、安東家にはな(吉高由里子)を訪ねて来る。梶原は新刊の「たんぽぽの目」をはなに渡し、あらためて新しい出版社へ誘うが、はなはふじ(室井滋)や周造(石橋蓮司)を置いて甲府を離れる訳にはいかない、と断る。その夜はなは、福岡の蓮子(仲間由紀恵)に手紙を書くのだった。そんなある日、はなは朝市(窪田正孝)に「大事な話がある」と言われ、教会の図書室で待ち合わせをすることに…。
62話
はな(吉高由里子)がリン(松本明子)に連れられ家に駆けつけると、ふじ(室井滋)が見知らぬ女・サダ(霧島れいか)と対じしていた。サダは、かつて木賃宿で吉平(伊原剛志)と夫婦のように暮らし、一緒になると約束したから迎えに来た、と話す。ふじは「うちの人に限ってそんなことはあるはずない」と反論するが、サダは決定的な“証拠”を指し示す。周造(石橋蓮司)はじめ一同が絶句する中、吉平が帰って来る…。
63話
家を追い出された吉平(伊原剛志)は、朝市(窪田正孝)の計らいで教会の図書室に寝泊りしていた。それを知ってやって来たはな(吉高由里子)は、なぜ「間違いなどなかった」と言い切らなかったのかと吉平を責め、吉平の肩を持つ朝市ともけんかしてしまう。そんな中、はなが先日手紙を送った福岡の蓮子(仲間由紀恵)から返事が。蓮子は娘の冬子(城戸愛莉)を修和女学校へ進学させるため奔走していたが、伝助(吉田鋼太郎)は…。
64話
周造(石橋蓮司)が倒れたとの知らせを受け、急いで駆けつけたはな(吉高由里子)。周造は一命を取り留めたものの、医者に「次に発作が起きたら覚悟するように」と言われ、ふじ(室井滋)は自分を責める。吉平(伊原剛志)は何か手伝えることがあればとふじに声をかけるが、リン(松本明子)にすげなく追い返されてしまう。はなが納屋に周造のかいまきを取りに行くと、枕元にはなの書いた『たんぽぽの目』の本が置いてあり…。
65話
病床の周造(石橋蓮司)に頼まれて『たんぽぽの目』を読み聞かせていた吉平(伊原剛志)は、畑から帰ってきたふじ(室井滋)に話し合おうと声をかける。しかしふじは取り合わず、吉平はしかたなく安東家を後にする。そのころ小学校で、生徒たちから「おじぃやんにお見舞い」と草花をもらうはな(吉高由里子)。そこへ突然、騒動の原因となったサダ(霧島れいか)が訪ねてくる。放課後の教室で、サダは、はなに事の真相を話し出す。
66話
初雪の降る日、周造(石橋蓮司)は静かに息を引き取った。数日後、吉平(伊原剛志)は位はいの前で「行商をやめて百姓になる」と宣言し、ふじ(室井滋)を喜ばせるのだった。小学校に戻ったはな(吉高由里子)は、周造に言われた「見つけた夢を夢中で追いかけろ」という言葉を思い返していた。東京の出版社で働くことを諦めきれないはなは、朝市(窪田正孝)に相談しようと、教会の図書室に呼び出す。話を聞いた朝市は…。
67話
再び東京へ出てきたはな(吉高由里子)がかよ(黒木華)の働き先を訪ねると、そこは銀座のモダンなカフェーであった。店内ではかよが女給として働いており、はなはびっくり。演劇論を交わしている帝大生の客・宮本(中島歩)にかよが絡まれるのを見たはなは心配になるが、かよは大丈夫だと言う。翌日、新しい職場・聡文堂に初出勤したはなは、梶原(藤本隆宏)や醍醐(高梨臨)らに迎えられ、早速企画会議に参加するが…。
68話
酔っ払ったはな(吉高由里子)を家まで送った英治(鈴木亮平)は、英英辞典が漬物石代わりに使われているのを見て、はなに英語をやめてしまったのかと問う。はなは、甲府にいた自分の気持ちなどあなたに分からないと言って、酔いつぶれてしまう。翌朝、かよ(黒木華)から昨夜のことを聞くが全く覚えていないはなは、反省しきりで出勤。謝るはなに梶原(藤本隆宏)は、宇田川(山田真歩)への連載依頼をはなに命じる…。
69話
英治(鈴木亮平)と約束し、“人生初のあいびき”にそわそわするはな(吉高由里子)。ところが話を聞いた醍醐(高梨臨)から自分も行っていいかと聞かれ、その勢いにはなはうなずいてしまう。カフェーで醍醐から英治への恋心を打ち明けられ、返答に困るはな。そこへ英治が弟の郁弥(町田啓太)を連れてくる。英治に郁弥を紹介されたはなは、そもそも“あいびき”でなかったことに肩透かしを食らうが、郁弥は一冊の本を取り出し…。
70話
聡文堂で働くはな(吉高由里子)に、福岡の蓮子(仲間由紀恵)から電話がかかってきた。娘の結婚式で東京に出てくる蓮子と再会する約束をし、喜びでいっぱいになるはな。それは蓮子も同じで、ご機嫌のあまり記者・黒沢(木村彰吾)に大量のネクタイを贈ろうとするが、黒沢に断られる。再会の日、いつもよりおめかししたはなが、6時の約束に間に合うよう会社を出ようとした時、突然、宇田川(山田真歩)がやって来て…。
71話
はな(吉高由里子)が聡文堂で宇田川(山田真歩)の足止めを食らっているころ、蓮子(仲間由紀恵)もカフェーで見知らぬ男にからまれていた。帝大生の宮本龍一(中島歩)にブルジョアは帰れと言われた蓮子は、世界で一番大切な友達と会うから帰らないと言い張り、はなのことだと気づいたかよ(黒木華)はうれしくなる。じりじりと時間が過ぎることに耐えられなくなったはなは、宇田川を振り切り聡文堂を飛び出してゆくが…。
72話
蓮子(仲間由紀恵)に去り際に言われた「すてきな恋をしていて羨ましい」という言葉が、はな(吉高由里子)の胸に引っかかっていた。梶原(藤本隆宏)から、郁弥にもらった本の翻訳を明日までに仕上げて欲しいと頼まれたはなは、かつて英治(鈴木亮平)からもらった英英辞典の力を借り、徹夜で何とか書きあげる。達成感をかみしめている時、はなは辞典に一枚の紙がはさんであることに気づく。そこには蓮子の筆跡が…。
73話
思わぬきっかけで、雨の中、英治(鈴木亮平)と熱い抱擁を交わしてしまったはな(吉高由里子)。それを、偶然通りかかった醍醐(高梨臨)が目撃してしまう。翌朝、やたらそわそわしているはなを見て、かよ(黒木華)ははなと英治の間に何かあったのではと感づく。はなが出勤すると、なにやら不機嫌そうな醍醐にランチに呼び出され、いきなりライバル宣言をつきつけられる。そんな中、英治が新雑誌の打ち合わせで聡文堂を訪れ…。
74話
英治(鈴木亮平)から「昨夜のことは忘れてください」と言われたはな(吉高由里子)は、事情を飲み込めずにいた。そんなはなを見て心配するかよ(黒木華)。聡文堂でもはなは無理に明るく振る舞い、梶原(藤本隆宏)や醍醐(高梨臨)もけげんに思うのだった。そのころ、福岡の蓮子(仲間由紀恵)を訪ね、帝大生の龍一(中島歩)がやって来ていた。面会を断られた龍一はタミ(筒井真理子)が止めるのも聞かず、蓮子の部屋へ向かう。
75話
英治(鈴木亮平)が結婚していることを知ってしまったかよ(黒木華)は、はな(吉高由里子)に告げるべきか迷う。かよに「あの人はやめた方がいい」と言われたはなは、もうふられたのだと打ち明ける。そのころ村岡印刷では英治が『王子と乞食』の割り付けに取り組んでいた。その熱心ぶりに郁弥(町田啓太)が感心していたところへ、二人の父で社長の平祐(中原丈雄)が戻って来て、病気の妻と離縁してはどうか、と英治に告げる。
76話
カフェーに突然現れた吉太郎(賀来賢人)に「任務中だから知らないふりをしてくれ」と言われ、驚くはな(吉高由里子)とかよ(黒木華)。店内では龍一(中島歩)が学生仲間たちに、蓮子(仲間由紀恵)に演劇の脚本を頼んだことを熱く語っていた。それを鋭い視線で見つめる兄の姿に、はなもかよも戸惑うのだった。一方、村岡印刷では、英治(鈴木亮平)が郁弥(町田啓太)に、聡文堂の担当を代わってくれないかと提案する…。
77話
カフェーに来た伝助(吉田鋼太郎)に「きょう蓮子(仲間由紀恵)と会う約束ではないのか」と聞かれ、はな(吉高由里子)は苦し紛れにそうだと答え、必死に取りつくろう。伝助の目に射すくめられるはなだが、伝助は意外にも気さくにはなに話しかけ「蓮子をよろしく」と去ってゆく。そのころ蓮子は龍一(中島歩)と会っていた。初めて屋台に行った蓮子は注文も不慣れで、龍一が注文する様子に素直に感動する。龍一はそんな蓮子に…。
78話
大事な話があるから会えないかと言われ、はな(吉高由里子)はカフェーでドキドキしながら英治(鈴木亮平)を待つ。しかし村岡印刷では、カフェーに向かおうとした英治に病院から電話が入る。妻・香澄(中村ゆり)の容態の事だった。そうとも知らずはなは待ち続けるが、刻々と時間は過ぎる。始めは宇田川(山田真歩)に呼びつけられたとばかり思っていたかよ(黒木華)も、ひたむきなはなを見て英治を待っているのだと気づき…。
79話
はな(吉高由里子)は英治(鈴木亮平)に妻がいたことのショックを胸にしまい、新雑誌『にじいろ』刊行の仕事に打ち込んでいた。ある日、文芸誌に連載中の宇田川(山田真歩)の小説がはなと英治の恋愛をモデルに書かれたと気づき、はなは動揺。一方で宇田川は『にじいろ』のための児童小説を書き始め、聡文堂の面々を歓喜させる。カフェーで宇田川の原稿を受け取ったはなは、梶原(藤本隆宏)から村岡印刷に届けてくれと頼まれ…。
80話
完成したばかりの新雑誌『にじいろ』を持って、英治(鈴木亮平)は妻・香澄(中村ゆり)の病室を訪れる。香澄はうれしそうに雑誌を眺めるが、ふと、英治が挿絵を書いた『王子と乞食』のページに目を止める。挿絵を英治が描いたと知ったかよ(黒木華)もはな(吉高由里子)を心配するが、はなは気丈に振舞う。発売準備に追われるはなは梶原(藤本隆宏)から、宇田川(山田真歩)には真っ先に届けるよう言われ…。
81話
周りに心配をかけまいと仕事を請け負ったはな(吉高由里子)だが、知らぬ間に寝てしまい、校正が半分も終わらず大慌て。出勤してきた社員たちの力を借り、なんとか約束の時間までに校正は終わるが、社内の微妙な空気に、はなはいたたまれなくなる。昼休みに醍醐(高梨臨)に昼食に誘われたはなは、醍醐から「英治(鈴木亮平)のことで傷ついているのは分かるがそれと仕事とは別」と忠告され、明るいはなに戻ってと励まされる…。
82話
カフェーで郁弥(町田啓太)から、英治(鈴木亮平)が離婚を切り出されていると聞き、はな(吉高由里子)は混乱に陥る。そんなある日、宇田川(山田真歩)が大そう不機嫌な様子で聡文堂へやって来て、とっくに発売している『にじいろ』創刊号が自分に届いてないと告げ、はなや梶原(藤本隆宏)たちは顔面そう白に。一方福岡では、東京から蓮子(仲間由紀恵)宛てに届いた手紙を、女中頭のタミ(筒井真理子)が怪しんでいた…。
83話
失恋のあげく仕事でも失敗続きのはな(吉高由里子)は、梶原(藤本隆宏)にしばらく休むよう告げられ、甲府へ帰ることに。吉平(伊原剛志)とふじ(室井滋)は突然帰ってきたはなに驚き、はなは新しい雑誌が完成したからお休みをもらったとうそをつく。しかし肝心の雑誌を「忘れてきた」と言うはなに、ふじは様子がおかしいと感じる。やがて、リン(松本明子)から事情を聞いた朝市(窪田正孝)が『にじいろ』を手にやって来る…。
84話
教会の図書室の窓から、英英辞典を投げ捨てようとしたはな(吉高由里子)。朝市(窪田正孝)に必死に止められたはなは、もう一度捨てようとするが辞書を取り上げられてしまう。何があったのか話してくれと問われてもはなはほとんど語らず、朝市は今まで見たことのないはなの様子に戸惑う。家に戻り、ふじ(室井滋)に優しく声をかけられたはなは…。一方東京では、蓮子(仲間由紀恵)が龍一(中島歩)と再会していた。
85話
月日がたち、12月。ある日、朝市(窪田正孝)と武(矢本悠馬)が、かよ(黒木華)の働くカフェーへやってくる。驚いたはな(吉高由里子)が理由を尋ねると、武はぶどう酒の売り込みのため上京し、朝市はそのお供だと言う。はなはカフェーに居合わせた宇田川(山田真歩)に積極的に話しかけ、連載が好評の『銀河の乙女』を単行本化したいと持ちかける。朝市は、はなが元気を取り戻して仕事に打ち込む様子に、少しほっとするが…。
86話
英治(鈴木亮平)に『銀河の乙女』の挿絵を描いて欲しいと頼んだものの、あっさり断られてしまったはな(吉高由里子)。しかしはなはひるむことなく、宇田川(山田真歩)からも必ず口説き落とせと言われ、醍醐(高梨臨)とともにさらに意気込む。はなと醍醐が作戦会議のためにカフェーへ来ると、朝市(窪田正孝)と武(矢本悠馬)が再びやって来ていた。近くの席にいた平祐(中原丈雄)は、はなと醍醐の話が耳に入り…
87話
カフェーで会っていたはな(吉高由里子)と蓮子(仲間由紀恵)の元へ、突然、伝助(吉田鋼太郎)がやって来た。思いがけない伝助の登場に動揺した蓮子は、一足違いで店に入ってきた龍一(中島歩)に来るなと合図し、はなもその様子に気づく。伝助は、料亭での接待までまだ時間があるから立ち寄ったのだと言う。蓮子が欲しがっていたものが見つかったから渡しに来たという伝助は、箱の中からある物を取り出してみせる…。
88話
かよ(黒木華)から、カフェーでクリスマスパーティーを開くから10人お客を集めないといけないと相談されたはな(吉高由里子)は、自分に任せておけと請け合う。はなは朝市(窪田正孝)、武(矢本悠馬)や聡文堂の面々を誘って、パーティーに参加する。店内は大勢の客でごった返しており、はなも臨時で女給をするハメに。蓮子(仲間由紀恵)、英治(鈴木亮平)、郁弥(町田啓太)と着々と集まるが、10人にあと一人足りず…。
89話
朝市(窪田正孝)は英治(鈴木亮平)に、はな(吉高由里子)が甲府へ帰って来たときに英治が贈った英英辞典を捨てようとしたこと、その時の彼女は自分が見たこともないような悲しい様子であったことを話す。酔いつぶれたはなが眠っている横で、朝市は英治に、はなのことが好きならば気持ちを受け止めてやってくれと言う。英治は、あなたこそ彼女を深く理解している、はなのことが好きなのではないかと問い返す。朝市は…。
90話
出来上がった『銀河の乙女』の挿絵を見た醍醐(高梨臨)から、英治(鈴木亮平)にとっての銀河の乙女ははなだった、と言われたはな(吉高由里子)はぼう然とする。それを見た郁弥(町田啓太)はある決意とともに、亡くなった香澄(中村ゆり)から預かっていたカメオのブローチを英治に渡す。そこに込められた思いとは…。一方、福岡の蓮子(仲間由紀恵)のもとに、待ちわびた龍一(中島歩)からの手紙が届くが、その文面は…。
91話
はな(吉高由里子)から「会わせたい人がいる」と電報をもらい、驚く吉平(伊原剛志)とふじ(室井滋)。うわさを聞いたリン(松本明子)とともに安東家で待っていると、はなが英治(鈴木亮平)を連れてやってくる。酒をくみ交わすうちに英治を気に入った吉平は、自ら娘を嫁にもらってくれと言いだし、一同は笑いに包まれる。ところが吉平は酔った勢いで「はなは英語の辞書をくれた男にひどい目にあった」という話をし始め…。
92話
はな(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)の結婚式を甲府ですることになり、久しぶりにかよ(黒木華)ともも(土屋太鳳)が帰って来た。家族に借金を背負わせたことを気に病むかよは、吉平(伊原剛志)やふじ(室井滋)から温かい言葉をかけられ思わず涙する。朝市(窪田正孝)や武(矢本悠馬)が手伝い婚礼の準備は整えられ、平祐(中原丈雄)や郁弥(町田啓太)も到着。森牧師(山崎一)の司会で式は和やかに進むかに見えたが…。
93話
祝言から一年半。安東はな改め村岡花子(吉高由里子)は、おめでたですっかりおなかが大きくなっていた。甲府から届いた手紙には、吉平(伊原剛志)が考えた女の子の名前ばかりが書いてあり、英治(鈴木亮平)とはなは思わず笑ってしまうが、平祐(中原丈雄)はまずは跡継ぎとして男の子を産んでもらうと言いだす。一方カフェーでは、龍一(中島歩)が蓮子(仲間由紀恵)からの手紙に目を通していた。そこにはある重大な決意が…。
94話
花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)に元気な男の子が生まれ、歩と命名される。村岡家にやって来た吉平(伊原剛志)とふじ(室井滋)は目尻が下がりっぱなしで、花子とかよ(黒木華)はほほ笑ましく見つめる。そこへ吉太郎(賀来賢人)が現れ、両親と7年ぶりの再会を果たす。吉平は吉太郎と酒をくみ交わしながら、「立派になった」と素直に喜ぶが、花子には吉太郎が妙に礼儀正しくふるまっていることが気にかかる…。
95話
吉平(伊原剛志)やふじ(室井滋)が甲府へと帰り、静かになった家の中で花子(吉高由里子)は、蓮子(仲間由紀恵)がいつ赤ん坊に会いに来てくれるだろうか、と待ちつづけていた。一方、赤ん坊に会いに行くのを口実にして、龍一(中島歩)との駆け落ちをいよいよ実行しようとする蓮子が、伝助(吉田鋼太郎)とともに東京入り。蓮子は伝助とともに食事をとりながら、伝助が出かけるタイミングを見計らっていた…。
96話
連絡をよこさない蓮子(仲間由紀恵)を花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)が家で心配していると、なんと伝助(吉田鋼太郎)がやって来る。伝助は「蓮子はいるか」と言うなり家に上がり込み、家さがしを始める。英治は血眼で捜し回る伝助を一喝し、我に返った伝助は帰って行く。花子がカフェーでかよ(黒木華)に事情を話すと、かよは昨夜蓮子と龍一(中島歩)が落ち合っていたことを話す。そのころ、渦中のふたりは…。
97話
蓮子(仲間由紀恵)の“絶縁状”がなぜか新聞に載り、花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)は驚くばかり。記事には「友人の家に行くと偽って」とあり、その「友人」である花子はショックを受ける。同じく新聞で事を知った蓮子の兄・晶貴(飯田基祐)は、部下に蓮子を捜し出せと厳命。幸せをかみしめていた蓮子と龍一(中島歩)は、同志の田中(玉置玲央)らから新聞に載ったいきさつを知らされる。一方、伝助(吉田鋼太郎)は…
98話
“絶縁状”に激こうした伝助(吉田鋼太郎)は、東西日報の下山(木下ほうか)にそそのかされ、蓮子(仲間由紀恵)への反論文を新聞に掲載しようとするが、黒沢(木村彰吾)に「そのような行動はあなたらしくない」と諭され、撤回する。しかし、腹の虫がおさまらないタミ(筒井真理子)は、掲載されるよう一策を案じる。新聞に載った反論文を見た花子(吉高由里子)と醍醐(高梨臨)は、心ないことが書かれた記事に憤慨する…。
99話
蓮子(仲間由紀恵)の居場所を知った花子(吉高由里子)は、夜にもかかわらずさっそく訪ねようとするが、英治(鈴木亮平)は「巻き込まれては大変だから」と止める。花子は耳を貸さず、二人は初めて夫婦げんかをしてしまう。翌日、英治に呼ばれてやってきたかよ(黒木華)に長男・歩の子守りを任せ、花子と英治は龍一(中島歩)の下宿へと向かう。だが花子が訪ねて来たことに気づいた蓮子は、思わぬ行動に…。
100話
蓮子(仲間由紀恵)の“駆け落ち騒動”から8か月がたったが、事件はまだ終結していなかった。蓮子と龍一(中島歩)は知人の山川弁護士(苅谷俊介)の家に身を隠し、花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)はたびたび訪れる。そして蓮子のおなかには、新しい命が宿っていた。しかし、龍一が何者かに尾行され、そこも安全でなくなりつつあることが判明。途方に暮れる蓮子に、花子は甲府の安東家へ身を隠してはどうかと提案する…。
101話
村岡家に身を寄せていた龍一(中島歩)と伝助(吉田鋼太郎)が鉢合わせ、英治(鈴木亮平)も巻き込んでの大乱闘に。英治はやっとの思いで二人を引き離し、緊迫感をはらんだまま、座卓を囲んで男たちの奇妙な話し合いが始まる…。その頃甲府では、おなかの大きくなった蓮子(仲間由紀恵)が、花子(吉高由里子)と共に安東家へ暖かく迎え入れられていた。ところが立ちくらみをした蓮子を見て、吉平(伊原剛志)がある勘違いを…。
102話
リン(松本明子)が安東家に駆け込んで来て、「見るからにあやしい男がいる」と言う。花子(吉高由里子)たちの間に緊張が走るが、それは“蓮子(仲間由紀恵)が産気づいた”という吉平(伊原剛志)からの誤った電報を受け、急ぎやって来た龍一(中島歩)だった。花子や蓮子たち一同は、伝助(吉田鋼太郎)が龍一に預けていったというトランクを囲む。龍一もまだ開けていないトランクの鍵を開けてみると、中に入っていたのは…。
103話
実家の葉山伯爵家に連れ戻された蓮子(仲間由紀恵)は、園子(村岡希美)によって断髪を余儀なくされる。龍一(中島歩)は毎日葉山家を訪ねるが門前払いを食らい、花子(吉高由里子)や英治(鈴木亮平)とともに蓮子の身を案じる。そこへ醍醐(高梨臨)が来て、蓮子が男の子を出産したと言う。花子は、なんとか蓮子に会う方法はないかと思案するが…。一方、蓮子の兄・晶貴(飯田基祐)が、福岡の伝助(吉田鋼太郎)邸を訪れる。
104話
花子(吉高由里子)の尽力で、出産後初めて息子との対面を果たした蓮子(仲間由紀恵)。涙ながらに我が子を抱く蓮子だが、園子(村岡希美)によってすぐに乳母の元へ戻されてしまう。その仕打ちに花子は怒り、蓮子に「親子三人で暮らす日を諦めないで」と励まし、葉山家を後にする。花子の報告を聞いた龍一(中島歩)は、妻子と再会できた時のため、英治(鈴木亮平)から父親としてのある手ほどきを受けることに…。
105話
『王子と乞食』の翻訳を完結させた花子(吉高由里子)をねぎらうため、聡文堂で祝賀会が催される。その席で、醍醐(高梨臨)が退職することと、村岡印刷が平祐(中原丈雄)から英治(鈴木亮平)へ代替わりすることが発表される。郁弥(町田啓太)は『王子と乞食』を単行本化してはどうかと梶原(藤本隆宏)に提案し、皆は夢を膨らませる。また、かよ(黒木華)に思いを寄せる郁弥は、ある“計画”を花子と英治に打ち明け…。
106話
大正12年9月1日。銀座のカフェーで郁弥(町田啓太)から派手なプロポーズを受け、恥ずかしさのあまり店を飛び出してしまったかよ(黒木華)は、気を落ち着かせ店に戻ろうとしていた。大森の村岡家にいた花子(吉高由里子)は、庭で遊んでいた息子の歩とともに空を見上げ、見たこともないような大きな入道雲に驚いていた。そこへ平祐(中原丈雄)が訪れ、一緒にお昼ご飯にしようとした時、大きな地震が花子たちを襲う…。
107話
関東大震災から三日後、行方不明だったかよ(黒木華)を連れて、英治(鈴木亮平)が大森の家に戻って来た。花子(吉高由里子)はかよに駆け寄り抱きしめるが、かよはうつろな様子で放心したまま。家の中で花子と平祐(中原丈雄)は、英治の口から信じがたい事実を告げられる。一方甲府では、徳丸(カンニング竹山)の家に吉平(伊原剛志)やふじ(室井滋)らが駆けつけ、一向に安否の分からない花子たちの身を案じていた…。
108話
吉平(伊原剛志)、朝市(窪田正孝)、武(矢本悠馬)が甲府から運んできた救援物資で、花子(吉高由里子)たちはほうとうを作り、近所の人たちを元気づけようとしていた。そこへ醍醐(高梨臨)も現れ、活動に参加する。しかしかよ(黒木華)は、ショックから立ち直れないまま。花子は、親の消息が分からず預かっている子どもたちにお話の語り聞かせをつづけ、それをぼんやり聞いていたかよに、朝市が声をかける…。
109話
関東大震災から半年。村岡印刷が全焼したため、工事現場で働き始めた英治(鈴木亮平)は、ある日、足場から落ちて捻挫してしまう。慣れないことをするからだといさめる平祐(中原丈雄)に、英治と花子(吉高由里子)は「一日も早くお金をためて会社を再建し、郁弥(町田啓太)の遺志を継いで『王子と乞食』の単行本を出版したい」と話す。村岡家に身を寄せているかよ(黒木華)は、二人の決意を聞いて複雑な思いを抱いていた…。
110話
屋台にきた蓮子(仲間由紀恵)はかよ(黒木華)を相手に、姑(しゅうとめ)・浪子(角替和枝)のことで愚痴をこぼす。かよは蓮子に頼まれ、宮本家を訪れることに。かよから料理のコツを教えてもらう蓮子だが、うっかり浪子に見つかってしまう。一方、かよと同じく郁弥(町田啓太)の死から立ち直れない平祐(中原丈雄)は、このところ食欲がない。花子(吉高由里子)は心配するが、英治は『王子と乞食』出版への下準備を進める…。
111話
伝助(吉田鋼太郎)は花子(吉高由里子)に、蓮子(仲間由紀恵)は最近どうしているかと問いかける。その夜、家族とけんかして家を出て来た醍醐(高梨臨)が村岡家を訪れ、しばらく居候することに。醍醐はそこから連日蓮子(仲間由紀恵)の元を訪れ、取材を頼みこむ。一方、伝助の言葉に背中を押され、『王子と乞食』出版の決意をあらたにする花子と英治(鈴木亮平)に、醍醐は「クッキーを焼きましょう」と不思議な提案をする…。
112話
村岡家の前でばったり出くわした蓮子(仲間由紀恵)と伝助(吉田鋼太郎)。あえて通り過ぎようとする伝助に、意外にも蓮子が声をかける。蓮子が伝助を連れて来たのは、かよ(黒木華)の屋台。かよは、あれだけ世間を騒がせて離婚した二人が、なぜ一緒にここへ来たのかと緊張する。離れた席に座り、かつてのことを少しずつ語り始める二人。その時、蓮子を探しにやって来た龍一(中島歩)が酒をくみ交わす二人を目撃し…。
113話
念願の新しい出版社・『青凜社』を立ち上げ、万感の思いで看板を掲げる花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)。さっそく甲府の朝市(窪田正孝)と武(矢本悠馬)から電話があり、朝市から予約注文を受ける花子。英治が平祐(中原丈雄)から印刷機の手ほどきを受け、ついに『王子と乞食』の単行本が完成。郁弥(町田啓太)の遺影に供えられた本を前に、平祐の目に光るものがあった。花子は、かよ(黒木華)にも本を渡し…。
114話
2年が経った大正15年。必死で働いたかよ(黒木華)は、小さいながらも自分の店を持った。その開店祝いに、花子(吉高由里子)や蓮子(仲間由紀恵)たちがやってくる。花子の息子・歩(横山歩)はもうすぐ5歳で、花子はそのやんちゃぶりに手を焼いていた。蓮子と龍一(中島歩)の間には二人目の子ども・富士子が生まれ、幸せいっぱいの村岡家と宮本家。にぎやかな祝いの席で、醍醐(高梨臨)からとあることが発表され…。
115話
夏のある日。大森の村岡家へ、甲府から吉平(伊原剛志)とふじ(室井滋)がやってくる。花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)が海水浴に誘ったのだ。歩(横山歩)は早くも水着を着て翌日海に行くのを楽しみにしており、吉平とふじは目を細める。だが翌日、外は大雨。海水浴はまた今度にしようと花子に言われ、すっかりへそを曲げた歩は泣き出してしまう。花子は歩を元気づけるため、あることを思いつく…。
116話
歩(横山歩)と海水浴に行く約束を果たすため、花子(吉高由里子)は寝る間も惜しんで翻訳の仕事を進める。約束の日曜日の朝、目が覚めた歩は、天気が晴れたことに大喜び。だが英治(鈴木亮平)は花子が寝床にいないことに気づく。花子は書斎の机で寝込んでしまったのだ。翻訳は終わっておらず、花子は歩に謝りながら、海は英治や平佑(中原丈雄)と行ってくれと頼む。ところが歩は花子が行かないなら行かないと言い張り…。
117話
「熱があるかも」と言いだした歩(横山歩)が、ほんとうに高い熱を出していることに驚く花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)。花子は急いで歩を布団に寝かせ、つきっきりで看病を始める。歩はぐったりしながらも花子に「痛いお注射する?」などと問いかけ、花子は元気になったら今度こそ海に行こうね、と言葉をかける。やがて英治に呼ばれた医師と看護師が到着。歩を診察した医師は、花子と英治に所見を伝える…。
118話
悲しみに暮れる花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)。そんな花子の姿を、甲府からかけつけた吉平(伊原剛志)やふじ(室井滋)、朝市(窪田正孝)は痛ましげに見つめ、後ろ髪を引かれながら東京をあとにする。吉太郎(賀来賢人)は思い出の鉱石ラジオを手に人知れず涙し、それを見た醍醐(高梨臨)は優しく言葉をかけるのだった。家に戻った蓮子(仲間由紀恵)は、花子を励まそうと考えたあげく、筆をとる…。
119話
花子(吉高由里子)の姿が見えなくなり、英治(鈴木亮平)は心当たりのある場所を片っ端から探し始める。宮本家を訪れた英治から事情を聞いた蓮子(仲間由紀恵)は、浪子(角替和枝)の言葉に背中を押され、英治とともに花子を探す。探しあぐねた二人が家に戻って来たところへ、子どもたちに囲まれた花子が戻って来る。花子は、英治より先に目が覚めて散歩に出かけていたと話す。その様子を見ていた平祐(中原丈雄)は…。
120話
思いを新たにした花子(吉高由里子)は、以前にも増して翻訳家として意欲的に取り組んでいく。しばらくたったある日、かよ(黒木華)の店で誰かを待っている醍醐(高梨臨)。緊張しきりの醍醐をかよが励ましていると、なんと吉太郎(賀来賢人)がやって来る。はじめはぎこちなかったが、徐々に打ち解けていい感じになるふたり。やがて、進みそうで進まないふたりの様子に、龍一(中島歩)が一計を案じ花子たちに声をかける…。
121話
花子(吉高由里子)は日本中の子どもたちに楽しい物語を届けたい一心で、児童文学の翻訳にまい進し、英治(鈴木亮平)とともに老若男女が楽しめる雑誌『家庭』を完成させる。『家庭』の創刊を祝して、かよ(黒木華)の店に女流大物作家の長谷部汀(藤真利子)や宇田川(山田真歩)、醍醐(高梨臨)や蓮子(仲間由紀恵)が集う。それぞれ活躍をしている女性陣に、英治や梶原(藤本隆宏)は押され気味でたじたじとなる…。
122話
JOAKの黒沢(木村彰吾)から、子ども向け新番組の語り手としてラジオに出演してほしいと頼まれる花子(吉高由里子)だが、あがり症ということもあり乗り気になれない。その夜、英治(鈴木亮平)はやってみたらいいと背中を押すが、花子は翻訳の仕事が手いっぱいで断るつもりだと言う。翌日、JOAKを訪れた花子と英治は、部長の漆原(岩松了)とアナウンサーの有馬(堀部圭亮)に会い、実際の放送を間近で目撃する…。
123話
有馬(堀部圭亮)にしごかれてすっかり自信をなくした花子(吉高由里子)が帰宅すると、さっそく新型のラジオを買ってきた英治(鈴木亮平)が、近所の子どもたちと盛り上がっていた。子どもたちの期待のまなざしに、がっかりさせるわけにはいかないと焦る花子。そのころ、宮本家では突如訪ねてきた吉原の娼妓(しょうぎ)・雪乃(壇蜜)と蓮子(仲間由紀恵)が緊張の面持ちで対じしていた。雪乃が訪ねてきた訳を聞いた蓮子は…。
124話
花子(吉高由里子)がラジオの語り手を始めて一週間たったある日、蓮子(仲間由紀恵)がある女性を連れて村岡家を訪れる。そのしょうすいした女性がもも(土屋太鳳)であることに気づき、驚く花子と英治(鈴木亮平)。北海道で幸せに暮らしているとばかり思われていたももは、すっかりやつれていた。夫を亡くし、北海道での生活に耐え切れずに逃げ出してきたことを聞いた花子は、何も気づいてやれなかったことを悔いる…。
125話
もも(土屋太鳳)に会うために吉平(伊原剛志)とふじ(室井滋)が上京し、吉太郎(賀来賢人)とかよ(黒木華)も駆けつけて、久しぶりに一家全員が顔を合わせる。だが、食事の間もももはどこかうつろな様子で、花子(吉高由里子)たちは心配を募らせる。兄姉たちに誘われてかよの店にやって来たももに、花子は「一緒に暮らそう」と持ちかけるが、ももは胸の内にためこんでいた気持ちを次第に花子にぶつけ始める…。
126話
もも(土屋太鳳)を村岡家に迎え入れたいと願う花子(吉高由里子)は、かよ(黒木華)の店へ説得しに行くが、もものかじかんだ心は解けないまま。花子はしかたなくラジオ局へ向かう。かよと暮らそうと思い、村岡家へ荷物を取りにやって来たももに、英治(鈴木亮平)は花子の新しい本を持って行って欲しいと話す。本を取りに書斎へ来た英治は、花子がラジオ局へ必ず持って行くある“お守り”を忘れていることに気付く…
127話
花子(吉高由里子)が放送を終えて帰宅すると、英治(鈴木亮平)が慌てて迎えに出て、もも(土屋太鳳)が来ていると言う。ももは花子と英治に、村岡家に置いてもらう代わりに家事を引き受けたいと申し出る。花子は喜び、ももは村岡家で暮らし始める。数日後、ももが掃除をしていると、不審な男が庭に現れる。花子と英治が捕まえると、売れない絵描きの旭(金井勇太)だった。旭は、ももに絵のモデルになってほしいと言う…。
128話
もも(土屋太鳳)をモデルにした絵が完成し、旭(金井勇太)から結婚を申し込まれたももは、申し出を断ってしまう。花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)が見守る中、旭は「ももさんを描いているうちに心境が変わった。これからは芸術家を気取るのではなく地道な仕事につく。生活の苦労はかけない」と約束する。しかしももは、自分はこんな絵を描いてもらうようなすてきな人間ではない、北海道でいろいろあったと話す…。
129話
もも(土屋太鳳)が産んだ女の子は、英治(鈴木亮平)によって「美里」と名づけられ、花子(吉高由里子)たちは新しい家族に目を細める。このころからラジオ「コドモの時間」は軍事関係のニュースが多くなるが、花子はあくまで子どもたちに親しみやすい内容になるよう心がけていた。そんな折、旭(金井勇太)が体調を崩し、結核にかかってしまう。ももは花子に、旭の看病に専念したいので、しばらく美里の面倒を見てほしいと頼む。
130話
5年がたった1938年(昭和13年)。もも(土屋太鳳)と旭(金井勇太)の間にもう一人女の子が生まれた。美里(岩崎未来)は、花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)の養女となっていた。美里から「動物のニュースを読んでほしい」と頼まれた花子はラジオ局へ向かうが、記事は日中戦争や軍隊に関するものばかり。花子は漆原(岩松了)に相談するが、「この戦時下において動物の話などどうでもよい」と一蹴されてしまう…。
131話
愛犬のテルは戦地からきっと帰ってくる、と美里(岩崎未来)にうそをついてしまった花子(吉高由里子)。その言葉を信じて毎日今か今かとテルの帰りを待つ娘の姿に、花子は胸を痛める。テルはいま何をしているだろうと美里に聞かれるたびに、想像の翼を広げてテルの活躍ぶりを話していた花子は、英治(鈴木亮平)とともに、何か美里を元気づける方法はないかと考えていた。そんなある日、吉太郎(賀来賢人)が村岡家を訪れる…。
132話
美里(岩崎未来)を元気づけたいあまり、軍用犬のニュースに「テル号」と名前を付け加えて読んでしまった花子(吉高由里子)。放送終了後、黒沢(木村彰吾)から「子ども向けのニュースであっても、放送は事実を曲げてはいけない」と厳しく注意され、漆原(岩松了)からも強い非難を受けた花子は、反省とともにラジオ局をあとにする。帰宅した花子は英治(鈴木亮平)から、美里がすごく喜んでいると聞かされ…。
133話
宇田川(山田真歩)から従軍作家として戦地へ行くという報告を聞き、驚く花子(吉高由里子)と蓮子(仲間由紀恵)。触発された醍醐(高梨臨)は自分もいつか従軍記者として戦地へ赴きたいと言いだし、長谷部(藤真利子)に歓迎される。そんな一同の様子に花子は戸惑いを隠せず、蓮子は花子に「この人たちについて行けない」と告げてその場を去る。そんなある日、ブラックバーン(トーディ・クラーク)が村岡家を訪れる…。
134話
しばらく蓮子(仲間由紀恵)の家には近づくなと吉太郎(賀来賢人)から言われた花子(吉高由里子)は、龍一(中島歩)が和平のための活動をしていると蓮子から聞いたことを思い出し、心配になり電話をかけようとする。夜遅くだからやめた方がいいと英治(鈴木亮平)に止められた花子は、翌日電話をかけ、蓮子たちをお茶に招く。蓮子が富士子(芳根京子)を連れて村岡家へ出かけようとした時、吉太郎はじめ数人の憲兵が現れる…。
135話
取り乱した蓮子(仲間由紀恵)から、龍一(中島歩)の事を密告したのではと一方的に責められ、閉め出されてしまった花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)。その後、蓮子は差し入れを持って龍一に面会に行くが会わせてもらえず、浪子(角替和枝)も不安を募らせる。だが軍国少年の純平(大和田健介)は、父への反発を強めてゆくのだった。一方花子は、ラジオで連日戦争や軍隊のニュースばかり読むことに葛藤を強めていた…。
136話
花子(吉高由里子)は、蓮子(仲間由紀恵)と決別してしまったあとも、ラジオの語り手を続けていた。ちょうど戦地から帰国した宇田川(山田真歩)が、ラジオで帰国報告講演をすることになり、花子は宇田川と再会する。日頃から戦争の話を避けたがる花子を苦々しく思っていた漆原(岩松了)は、戦意高揚を熱く語る宇田川を絶賛するのだった。そんなある日、スコット(ハンナ・グレース)が、一冊の本を持って村岡家を訪れる…。
137話
スコット(ハンナ・グレース)から、『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』の原書を手渡された花子(吉高由里子)。スコットは友情の記念として持っていて欲しい、と花子に語る。傍らで本に興味しんしんの美里(岩崎未来)を見たスコットは、花子の小さい頃みたいだと言い、花子は、子どもの頃スコットの歌を聞いて初めて英語が心に響いてきた、と思い出を語るのだった。やがてスコットが去ったあと、その本を読み始めた花子は…。
138話
1941年(昭和16年)12月8日。ラジオから流れる日米開戦のニュースに花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)はがく然とする。旭(金井勇太)、もも(土屋太鳳)や近所の人が大勢村岡家へつめかけ、ラジオの前で次のニュースを待つ。やがて「緒戦は日本大勝利」とのニュースが流れ、人々は歓喜に沸くが、『コドモの新聞』の放送を心配する花子はラジオ局へと向かう。ラジオ局はいつになく殺気だった雰囲気に包まれていた…。 15分
139話
美里(三木理紗子)から、なぜラジオの仕事を辞めたのかと聞かれた花子(吉高由里子)は、敵方の国には大切な友人たちがいるから、戦争のニュースを子どもたちに伝えることはできないと話す。開戦直後は日本軍の連戦連勝が伝えられ、人々は高揚していた。ある日、花子は道ばたで、かっぽう着にたすきをかけた女性たちの集団に出くわす。その中にかよ(黒木華)の姿が。雪乃(壇蜜)に誘われ、婦人会の活動に加わっていたのだ…。
140話
村岡家に石が投げ込まれるという事件が起きた。犯人がまだ年端も行かない子どもだったことに驚きを隠せない花子(吉高由里子)。カフェーでかよ(黒木華)にその件を話すと、かよは意外にも、花子たちにも責任があるのでは、と言う。花子はもも(土屋太鳳)から、旭(金井勇太)が花子の仕事のことで近所の人からなじられた話を聞き、ショックを受ける。そのころ、吉太郎(賀来賢人)が村岡家に英治(鈴木亮平)を訪ねて来る…。
141話
シンガポールから帰国し、花子(吉高由里子)を訪れた醍醐(高梨臨)は以前の明るさを失っており、戦争はむごいものだと言ったきり黙りこんでしまう。聡文堂の休業を報告に来た梶原(藤本隆宏)から、醍醐が帰国する船上で米国の魚雷攻撃に遭い、恐ろしい体験をしたという話を聞いた花子は、初めて戦争の悲惨さを身近に感じるのだった。そんなある日、吉平(伊原剛志)が村岡家を訪れる。花子たちに疎開を勧めに来たのだ…。
142話
二学期が始まり、甲府に疎開してきた美里(三木理紗子)と直子(志村美空)は学校に通い始める。だが美里は新しい環境になじめない様子。吉平(伊原剛志)は孫たちにカタコトの英語を交えて話して花子(吉高由里子)にいさめられるが、家の中くらい自由にさせろと言って聞かず、ふじ(室井滋)やリン(松本明子)をあきれさせるのだった。花子は美里を心配しながら東京へ戻るが、その晩、原因不明の高熱が花子を襲う…。
143話
防空ごうから出てきた花子(吉高由里子)ともも(土屋太鳳)は、帰って来た英治(鈴木亮平)や旭(金井勇太)と互いの無事を喜び合う。いつ死んでもおかしくないということを痛感した花子は、その夜英治に、もし明日までの命だったとしたら何をするかと尋ねる。英治の答えに感じ入り、自分なら何をするだろうと考えた花子は、スコット(ハンナ・グレース)から託された『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』の原書を手にとる…。
144話
陸軍に入って訓練を受けていた純平(大和田健介)が、特別休暇をもらって1年ぶりに宮本家へ帰って来た。息子の帰宅を手放しで喜ぶ蓮子(仲間由紀恵)だが、出征の日が近いことを察し、純平のために夕食の材料を調達しに出かける。一方純平は、村岡家へ向かう。突然訪ねて来た純平に、花子(吉高由里子)は驚き、再会を喜ぶ。話すうちに、花子は純平に、蓮子とはずっと会っていないことを打ち明ける。それを聞いた純平は…。
145話
昭和20年4月、激しい空襲が大森の町を襲う。花子(吉高由里子)は美里(三木理紗子)を連れて必死に逃げ、翌朝もも(土屋太鳳)と共に村岡家へ戻って来る。焼い弾によって青凛社は全焼しており、花子たちはショックを受けるが、英治(鈴木亮平)や旭(金井勇太)は無事だった。花子は、大切に抱えて逃げた『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』の原書を感慨深く見つめる。そこへ、かよ(黒木華)がぼう然とした様子で現れる…。
146話
度重なる空襲で東京じゅうが焼け野原となる中、花子(吉高由里子)は必死に翻訳を続けていた。そして昭和20年8月15日。花子は英治(鈴木亮平)、もも(土屋太鳳)、そして村岡家に身を寄せたかよ(黒木華)らと共にラジオで玉音放送を聞き、戦争が終わったことを知る。同じく宮本家では、ラジオを聞いた龍一(中島歩)が黙りこくっている傍らで、蓮子(仲間由紀恵)は「純平(大和田健介)が帰って来る」とつぶやく…。
147話
蓮子(仲間由紀恵)から純平(大和田健介)が死んだのはあなたのせいだと言われ、花子(吉高由里子)がしょう然としながら帰宅すると、家の前に吉太郎(賀来賢人)が立っていた。終戦後、連絡が取れていなかった吉太郎はみんなの近況を確かめたきり押し黙ってしまう。花子が防空ごうにしまっていた菓子を手に戻ってくると、吉太郎の姿はなかった。闇市で偶然に吉太郎を見かけた醍醐(高梨臨)は声をかけお互いの無事を喜ぶが…。
148話
若い編集者・小泉(白石隼也)に、『アンクル・トムズ・ケビン』のほかに『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』の翻訳原稿を手渡した花子(吉高由里子)。だが出版社から、日本では知名度が低いという理由で、『アン~』の出版は断られてしまう。残念がる花子だが、英治(鈴木亮平)に励まされ、思いを新たにする。そんな折、JOAKの黒沢(木村彰吾)から電話が入る。久しぶりにラジオに出演して欲しいとの依頼だった…。
149話
突然甲府に帰って来た吉太郎(賀来賢人)も交え、吉平(伊原剛志)、ふじ(室井滋)、花子(吉高由里子)、かよ(黒木華)、もも(土屋太鳳)と久しぶりに家族全員そろっての夕食。しかし、どこか浮かない様子の吉太郎を吉平もふじも心配する。みんなが寝静まった後、吉平はこっそり寝床を抜け出し、ひとりいろりのそばに座る吉太郎に声をかける。みな生き延びてくれてよかったと話す父に、吉太郎は少しずつ胸の内を語り出す。
150話
吉平(伊原剛志)と吉太郎(賀来賢人)がぶどう酒作りから安東家に帰ってくると、ふじ(室井滋)が「ずっと待っている人がいる」と言う。醍醐(高梨臨)だった。醍醐は心配していたと吉太郎に詰め寄り、吉平とふじに「家事は得意ではないが努力するからここに置いてほしい」と頭を下げるが、吉太郎は…。一方、東京へ戻ることになった花子(吉高由里子)は朝市(窪田正孝)に「ラジオに出演するかどうか迷っている」と打ち明ける。
151話
甲府の安東家。吉平(伊原剛志)の葬儀で、花子(吉高由里子)やふじ(室井滋)たちが吉平が造ったぶどう酒を弔いに飲んでいると、正装した武(矢本悠馬)が酒やごちそうなどを手に持ってやってくる。吉平と憎まれ口をたたき合う仲だった徳丸(カンニング竹山)からの思いがけぬ心遣いに感じ入る一同。吉太郎(賀来賢人)やその妻となった醍醐(高梨臨)らも含めその場は和やかに進むが、花子はふと寂しそうなふじの様子に気付く。
152話
警官に追われて逃げ込んできた戦災孤児の二人をとっさにかくまったかよ(黒木華)と花子(吉高由里子)。幸子(木村心結)と育子(新井美羽)と名乗る姉妹がすっかりおなかをすかせているのを見て、かよはおむすびを食べさせてやる。数日後、村岡家で花子が英治(鈴木亮平)と畑仕事をしているともも(土屋太鳳)が飛び込んできて、かよが姉妹を引き取るつもりだと言う。花子は闇市のかよの店に駆けつけ、かよに真意を問う…。
153話
長年の確執を越えて、再会を果たした花子(吉高由里子)と蓮子(仲間由紀恵)。花子は蓮子に、生前の純平に「母のことを頼みます」と言われていたことを打ち明ける。蓮子は残った家族のためにも早く立ち直らなければと言うが、そのきっかけをつかめないでいた。家に戻り、書斎で考えていた花子は「戦争で子どもを失った母親は大勢いるはず」と思いつき、英治(鈴木亮平)に相談した上で、ある所へ電話をかける…。
154話
ある日、小鳩書房の小泉(白石隼也)が社長の門倉(茂木健一郎)を連れて村岡家を訪れる。まだ日本に紹介されていない新しい物語を出版したいと言うのだ。花子(吉高由里子)は、美里(金井美樹)に無理ではないかと言われながらも、手元に残しておいた『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』の原稿をもう一度提示する。小泉は『アン~』をよく覚えていて、今なら可能性があると前向きだが、門倉が思いがけないことを言いだす…。
155話
『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』を読んだ門倉(茂木健一郎)は、これほど面白い話をなぜ今まで出版しなかったのかと言うなり、出版に取りかかるため小泉(白石隼也)と共に急いで帰ってゆく。英治(鈴木亮平)と美里(金井美樹)から祝福された花子(吉高由里子)は、出版に向けて推こうに取りかかり、残るは本の題名を決めるだけとなる。門倉と小泉と共に長時間話し合った結果、題名は『窓辺に倚る少女』に決まるが…。
156話
終戦後、筆を折ったままだった宇田川(山田真歩)から『赤毛のアン』を読んで、また書けそうな気がする、と初めてお礼を言われた花子(吉高由里子)は、宇田川が立ち直ってくれたことを心から喜ぶ。英治(鈴木亮平)、かよ(黒木華)、醍醐(高梨臨)、蓮子(仲間由紀恵)ら花子の家族や友人たちは、めいめいの場所で大切な人と『赤毛のアン』を読み、自分と重なる部分に共感していた。やがて出版を祝う会が催されることになり…。
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