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【あらすじ】
戦国時代から徳川初期までを生き抜いた豊臣秀吉の正妻・ねねの生涯を描きます。女性たちの心をきめ細かく映し出した、一味違う戦国ドラマです。文化庁裁定申請中(2019年11月22日申請)。
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「大河ドラマ おんな太閤記」のキャスト・スタッフ情報
【キャスト】
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- 佐久間良子
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- 西田敏行
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- 中村雅俊
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- 池上季実子
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- 滝田栄
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- 長山藍子
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- 赤木春恵
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- 早川勝也
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- 松原智恵子
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- フランキー堺
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【スタッフ】
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- 坂田晃一(音楽)
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- 橋田壽賀子(脚本)
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「大河ドラマ おんな太閤記」のあらすじ
1話
永禄3年(1560)5月、織田軍は桶狭間の合戦に勝利して清洲城下に凱旋します。浅野又右衛門の娘・ねねは父の安否を気づかって隊列の中に父を探します。すると、前田犬千代(利家)と木下藤吉郎(秀吉)が傷を負った又右衛門に付き添って現れました。ねねは藤吉郎に見初められますが、犬千代にひかれます。しかし、犬千代にはまつという妻がいました。ねねも次第に藤吉郎の温かい心にひかれていき、やがて祝言を挙げます。
2話
ねねと藤吉郎との新婚生活が始まりました。藤吉郎は足軽組頭でしたが、持ち前の才能を発揮して、薪(まき)係、台所係を務めた後、足軽大将に取り立てられます。新しい屋敷を与えられ、隣の屋敷には前田犬千代とまつが住み親交も深まります。ねねは、体を使うことは苦になりませんが、藤吉郎の突拍子もない行動と貧乏には苦労します。ある日、藤吉郎は清洲城の塀(へい)を3日で修理すると信長に大見得を切ってしまいます。
3話
ねねは、清洲城の塀が3日で修理できなければ藤吉郎の首が飛ぶと心配して、尾張の中村に藤吉郎の母・なかを訪ね、義弟・小一郎の協力を頼みます。なかは藤吉郎の無鉄砲な行いに怒りをぶつけますが、小一郎に、ねねのために清洲に行くことを許します。そして、ねねや小一郎の協力があって、塀は見事に完成します。藤吉郎はこの功績によって、信長から正式に武士の身分に取り立てられて、藤吉郎秀吉と名のることになります。
4話
秀吉の仕事は敵国・美濃の調略です。秀吉は美濃の土豪・蜂須賀小六を織田方につくように説得します。小六は尾張の織田につくか、美濃の斎藤につくかを迷っていましたが、ねねが夫の秀吉を信じて必死に尽くす姿に心を打たれ、信長ではなく秀吉の家臣になる決心をします。信長の妹・お市は浅井長政に嫁ぐことが決まり、美濃攻めの地固めが整います。秀吉の次の仕事は、斎藤方の鵜沼城主・大沢基康を味方につけることです。
5話
信長は、秀吉の申し入れで対面に訪れた鵜沼城主・大沢基康を斬るように命じます。そうなると、鵜沼城に残り人質になった秀吉の命が奪われます。ねねの願いが通じたのか、利家と柴田勝家が信長を説得して、基康の斬殺を思いとどまります。秀吉は人質から解放されると、長良川の対岸に墨俣(すのまた)城を築く総大将を引き受けます。敵を前面に迎え撃ちながらの危険な築城です。ねねは秀吉の身を案じながらも覚悟を決め励まします。
6話
秀吉は小一郎や小六らと一夜で墨俣(すのまた)城を築き、城代として常駐します。隣家の利家とまつに第一子が生まれると、ねねも子どもを欲しくなりました。永禄10年(1567)8月、信長が美濃に総攻撃をかけると、秀吉の調略活動や前線部隊長としての活躍が功を奏し、稲葉山城は陥落。秀吉は信長から瓢箪(ひょうたん)の馬印を許されますが論功行賞はなく、気落ちします。しかし、ねねに励まされてやる気を取り戻します。
7話
信長は念願の美濃を手に入れ、岐阜と改めます。秀吉はねねと岐阜へ移り、弟・小一郎に加えて、姉・ともの夫・弥助と妹・きいの夫・嘉助を家来にします。しかし、武士の生活が嫌いな母のなかは岐阜へは来ません。しばらくして、姉のともが長男・孫七郎(秀次)を産みます。ある日、将軍・足利義昭を美濃に迎えるための接待役に、ねねとまつに白羽の矢が立ちます。いよいよ、信長上洛(じょうらく)の日が近づいてきました。
8話
信長は将軍・足利義昭を擁立して上洛(じょうらく)すると、秀吉は京で守護職として義昭を見張ります。ねねは岐阜で留守を預かり、利家とまつは国許の荒子(あらこ)城主になるため岐阜を去ります。信長は、義昭と通じて信長を狙う越前・朝倉義景を攻めると、浅井長政に嫁いだ妹・お市から両端を結んだ小豆袋が届きます。信長は長政の離反を察して退却を決めると、秀吉は全軍を安全に逃がすため殿(しんがり)を務めます。
9話
浅井長政の寝返りで織田軍は退却し、殿(しんがり)の秀吉は消息不明です。ねねは心配な毎日を過ごします。義妹のきいも、夫の弥助や兄たちの身を案じて、尾張の中村から出てきました。まもなくして、秀吉が命からがら逃げ帰りました。しかし、信長は岐阜へ戻って体制を立て直して、1か月後には姉川の合戦で浅井・朝倉軍を打ち破ります。信長は引き続き、比叡山を焼き討ちにし、女子供を含めて大勢の人々を殺害します。
10話
将軍・足利義昭は武田信玄らに書状を送り信長を討とうとしますが、信玄は病死してしまいます。信長は浅井・朝倉に総攻撃をかけると、秀吉は信長の命で小谷城を攻め、お市と3人の姫を無事に連れ帰りますが、浅井の嫡男・万福丸は小六に探し出されて殺されてしまいます。長政は自害して、ついに小谷城は陥落します。ねねは、家臣の小六が万福丸を殺したことで秀吉を責めますが、万福丸を助けたかった秀吉は肩を震わせて泣きます。
11話
秀吉は近江平定の戦功で小谷城がある浅井の旧領を与えられて12万石の大名になり、羽柴越前守秀吉と名乗ります。弟の小一郎は羽柴秀長に名を改めます。ねねは城主の奥方になりますが、お市の恨みが残る小谷城への入城を拒みます。そのため、秀吉はねねのために今浜に城を築きます。ねねは義母のなかを訪ねて今浜へ誘いますが、なかは中村を動きません。帰り道、2人の少年が秀吉の家来になりたいとねねについてきます。
12話
天正3年(1575)春、ねねは今浜城に入り、城主の妻としての生活を始めますが、たくさんの侍女に囲まれて戸惑います。秀吉は今浜を長浜と変え、長く栄える国にする夢を語ります。利家とまつも祝いに訪れ、次に娘が生まれたら秀吉とねねの養女にする約束をします。喜びもつかの間、秀吉の側室・千草と息子・秀勝も入城します。ねねは子どもの産めない妻は去るべきと秀長に言い残して城を出ると、そこに義母のなかが現われます。
13話
秀吉は、母のなかが長浜城にやって来たので大喜びで迎えると、側室・千草と息子・秀勝のことでなかに突然しかられます。なかはねねに同情しながらも、息子・秀吉のため懸命に頭を下げるため、ねねは岐阜へ帰ることを思いとどまり、秀吉の世継ぎとして秀勝を慈しみ育てようと心に誓います。ある日、利家とまつが子供たちと一緒に訪ねて、以前交わした約束通り、産まれたお豪をねねと秀吉の養女として育ててほしいと言います。
14話
ねねは、利家とまつの子・お豪を養女にして、小さな命を育てる喜びを味わいます。信長は嫡男・信忠に岐阜城を譲り、壮大な安土城を築きます。秀吉が多忙なため、代わりにねねが築城の祝賀に出向き、信長に秀吉の側室のことで愚痴を言ってしまい、気落ちします。ねねが元気なく長浜に戻ってまもなく、長男・秀勝は病に倒れて看病の甲斐もなく息を引き取ります。しばらくすると、安土の信長からねねを気遣う手紙が届きました。
15話
長男・秀勝が死に、母親の千草は城を去ります。寂しい秋風が吹く長浜に、播磨調略を任された秀長から嫁にしたい女性を連れ帰るという手紙が届きます。その女性は、しのという足軽の娘です。ねねとなかは喜びますが、秀吉は秀長にふさわしくないと猛反対します。秀長は珍しく秀吉に抵抗しますが、しのは黙って長浜を去ります。一方、調略に応じた小寺(黒田)官兵衛の嫡男・松寿丸を人質として長浜城で預かることになりました。
16話
秀吉は、信長の命で上杉謙信と戦う柴田勝家を援護するため越前に出兵しますが、勝家と衝突して信長の許しもなく兵を引き上げて長浜に戻ってしまいます。秀吉がなぜ信長の命に背いたのか、ねねには分かりませんでした。信長は秀吉を打ち首にすると激怒しますが、ちっ居処分で済みます。すると、秀吉は毎晩酒宴を開き、信長の側近に付け届けをして金を使い果たします。それは、信長に盾つく気などないと証明するためでした。
17話
天正5年(1577)、秀吉は謀反を起こした松永久秀を滅ぼし、中国攻略を押し進めます。三木城主・別所長治が調略に応じ、秀長は三木城で侍女になっていたしのと再会します。その年の暮れ、信長はねねの内助の功をねぎらう宴席を設けて、秘蔵の乙御前(おとごぜ)の茶釜を秀吉に与え、茶会を開くことを許します。その宴席でねねは信長の四男・於次(おつぎ)丸と出会い、羽柴の跡継ぎにしたいと信長に願い出ます。
18話
ねねは久しぶりに夫婦水入らずの正月を安土で過ごし、長浜へ戻ります。長浜では、羽柴家の嫡男に迎えた於次(おつぎ)丸、養女のお豪や姉の息子たち、そして、人質の松寿丸ら、子どもたちの声がにぎやかに響きます。ところが、別所長治、荒木村重が寝返り、秀吉は出陣します。黒田官兵衛は村重の説得から戻らず、秀吉は信長から官兵衛の嫡男・松寿丸を斬るように命じられますが、ねねの機転で松寿丸を隠してしまいます。
19話
明智光秀は丹波の八上城を落とすため、母親を人質に差し出して和睦を申し入れますが、信長は八上城主をはりつけにしたため、光秀の元に母親の首が送られます。その後、荒木村重が落ち、黒田官兵衛が1年近い幽閉から救出されると、息子の松寿丸に会いたいと願い出ます。信長は動揺しますが、ねねの機転で生き延びた松寿丸が現れます。秀吉は兵糧攻めで三木城を落とします。城内では侍女のしのがなんとか生き残っていました。
20話
秀吉は三木城を攻略して長浜に凱旋し、堺の豪商などを招いて茶会を催します。さらに、ねねは一族や家臣に別席を設けていました。それは、ねねとなかで考えた、秀長としのの祝言の席です。しのは三木城の兵糧攻めで失明していました。秀吉はしのの嫁入りを許さないと激怒しますが、ねねとなかに脅され言いくるめられて、2人の結婚を認めます。その後、秀吉は鳥取城を落とし、天正10年(1582)、備中高松城を水攻めにします。
21話
天正10年(1582)6月2日早朝、織田信長は明智光秀の謀反により、本能寺で命を落とします。秀吉が備中・高松城を水攻めにしていたころ、長浜で留守を預かるねねに、光秀謀反の一報が届きます。ねねは危険を感じて、一族を連れて山中の寺へ逃れる途中、浅井の残党に襲われます。ねねは義姉のともを助けるため、初めて人を殺しました。秀吉は光秀の使者を捕らえて、持っていた密書から信長の死を知り、急いで京へ戻ります。
22話
山崎の合戦で秀吉軍は光秀軍と激突します。秀吉軍は弔(とむら)い合戦という大義名分と兵力の数で圧勝します。光秀は敗走する途中、名もない者の手によって最期を遂げます。半月後、清洲城で織田家の後継者を決める会議が開かれ、秀吉は信長の嫡男・信忠の長男である三法師を推し、信長の三男・信孝を世継ぎとする柴田勝家の意見を退けます。勢力争いの中、お市は勝家に嫁ぎ、秀吉は長浜から姫路へ居城を移すことになります。
23話
清洲会議で北近江は柴田勝家の所領となりますが、お市には悲しい思い出があるため、勝家は戦略的に不利であるにも関わらず、北ノ庄へ戻ります。一方、ねねはまつの手紙から秀吉と勝家が一触即発であると知り、山崎の秀吉の元へ向かいます。ちょうどその時、勝家の使者として利家とまつが秀吉に和議を申し入れに訪れます。秀吉の養女・お豪と勝家の人質・おまあはまつが産んだ娘です。まつには秀吉と勝家の争いが心配でなりません。
24話
秀吉は後継者に決まった三法師の後見役を、信長の三男・信孝から取り上げます。柴田勝家はお市と静かに晩年を過ごそうと考えていましたが、信孝が岐阜で挙兵したため重い腰を上げざるを得なくなり、与力の利家も不本意ながら秀吉に弓を引きます。天下を賭けた賤ヶ岳(しずがたけ)の合戦で秀吉は大勝し、勝家の居城・北ノ庄城を包囲して、お市と3人の姫たちを連れ出そうとしますが、お市は勝家とともに自害します。
25話
ねねは秀吉から、お市の方の忘れ形見である茶々、初、おごうの3人の姫の世話を頼まれます。三姉妹の中で長女の茶々は気性が激しい上に、北ノ庄城を攻めて親を殺した秀吉を恨んでいるため、反抗的な態度を取ります。秀吉は本能寺の変で長浜城を攻めた京極高次を討とうと考えていましたが、高次の姉・龍子が訪れ、弟の身代わりに命を差し出すと言います。秀吉は龍子の美しさと気迫に魅せられ、ねねには隠して側室にします。
26話
天正11年(1583)6月、秀吉は天下を治めるため大坂城に入ると、浜松城の徳川家康は信長の次男・信雄と手を組んで兵を挙げます。戦国の両雄が初めて対決する小牧長久手の合戦です。しかし、家康も秀吉も共に、できるだけ直接的な戦闘を避けて、戦略的な戦いとなり、両軍のにらみ合いが続きます。秀吉の甥(おい)・秀次が総大将として出陣しますが、家康がいない三河を攻める途中、家康に背後を突かれて敗走します。
27話
天正12年(1584)冬、信長の次男・信雄は秀吉と和睦したため、家康は大義名分を失い、次男・於義伊(おぎい)を人質に差し出すことで和議が成立し、半年に及ぶ戦いはようやく終ります。ねねは、さらに人質を預かることになります。秀吉はねねをねぎらい、温泉に誘って心から礼を言いますが、また新たな野心も芽生えていました。一方、秀吉の嫡男・秀勝とお市の娘・茶々はいとこ同士ですが、お互いに引かれ合っていました。
28話
天正13年(1585)、秀吉は近衛家の猶子(ゆうし)となり、形式的な親子関係を結んで公家の最高位である関白に就きます。ついに、ねねは関白の妻になりますが、浮かない顔をしています。秀吉を嫌う妹のややに、昔の暮らしの方が良かったと言いながら、ため息をついています。諸侯がぞくぞく祝いに訪れる中、家康だけは、まだ上らくしていません。ある日、丹波亀山城から世継ぎの秀勝が危篤との知らせが届きます。
29話
秀吉とねねが茶々と共に丹波亀山城に駆けつけると、秀勝はすでに息を引き取った後でした。主君・信長の四男であり、秀吉とねねにとっては愛おしくて大事な世継ぎしたが、18年の短い生涯を閉じます。茶々は冷たくなった秀勝にすがりついて離れようとしません。天正14年(1586)、利家とまつが娘・おまあを連れて関白就任の祝いに訪れます。秀吉はおまあを側室にしようと考えていました。
30話
天下統一を果たすため、秀吉は徳川家康を上らくさせようとしますが、家康は臣下の礼をとらず、秀吉の前に立ちはだかります。秀吉は窮余の策として、妹・あさひを夫の甚兵衛と離別させて、家康の正室として嫁がせようとします。仲の良い夫婦を引き裂くやり方に、ねねと秀長は猛反対します。しかし、甚兵衛は人知れず城を去り、あさひは兄・秀吉が抱く野望の犠牲となって家康に嫁いでいきます。
31話
秀吉の妹・あさひと徳川家康の結婚式が盛大に挙げられました。正室とはいえ、秀吉が家康に対して臣従を迫るための人質です。家康はあさひに優しく接しますが、一向に上らくする気配はなく、根比べを続ける秀吉は万策尽きて、ついに母親のなかを浜松に送ります。表向きはあさひとの対面ですが、ねねはなかの簡素な旅支度を見て全てを理解します。秀吉は母親さえも人質に差し出す覚悟です。それは、なかも承知していました。
32話
ねねは、秀吉が母のなかを人質にしたことを許せず、口もききません。なかは岡崎城に到着し、あさひと再会して泣いて喜びます。なかが本物であると確認した家康は、ついに上らくします。秀吉は秀長の屋敷で家康と会い、諸大名の前で自分への忠誠を示す芝居をするように懇願します。翌日、家康は大坂城で臣下の礼を取り、秀吉は念願を果たします。さらに、家康は初めて会ったねねの気立ての良さに感服し、良い義姉を得たと喜びます。
33話
天正14年(1586)、関白秀吉は朝廷から豊臣姓を賜り、太政大臣に任命されて、権勢を強くします。九州出陣の行軍は関白太政大臣・豊臣秀吉の名を天下に知らしめる空前絶後の華々しさになり、ついに九州も平定します。意外にも、秀吉は陣中でまめにねねへ手紙を書き、陣中の様子や戦況などを知らせます。ある日、側室の龍子は留守を預かるねねに、お市の方の次女・お初を弟・京極高次の正室に迎えたいと願い出ます。
34話
家康はあさひや側室・阿茶の局(つぼね)たちのため、駿府城に旅芸人一座を呼び寄せます。すると、その中にあさひの元夫・甚兵衛がいました。あさひは驚き、再び甚兵衛に会おうとしますが、甚兵衛は人違いだと言い張って応じません。一方、ねねは、熊本城主になった加藤清正に茶々を嫁がせようと秀吉に持ちかけます。秀吉はしぶしぶ承諾しますが、茶々は北政所(きたのまんどころ)のねねに反発して断ります。
35話
秀吉は、政務を執るため京に建てた聚楽第(じゅらくてい)に茶々を同行させます。その寵愛(ちょうあい)ぶりはねねの耳にも届いていました。ある日、京の秀吉はなかが危篤との連絡を受けて、急いで大坂城に戻り、あらゆる神社仏閣に平癒祈願を命じます。家康もあさひを連れて駆けつけ、大政所(おおまんどころ)の世話をするため、あさひに大坂へ残るよう言います。しばらくして、ねねは茶々が懐妊したことを知ります。
36話
病み上がりのなかは茶々が秀吉の子を身ごもったと聞いて、ねねを連れて聚楽第(じゅらくてい)に乗り込みます。ねねは秀吉に祝いの言葉を述べますが、なかは秀吉を叱りつけて、茶々を追い出すように諭します。しかし、秀吉は茶々に淀城を与えて子どもを産ませます。秀吉は世継誕生をとても喜び、久々に大坂に戻ると、これまでねねが守ってきた大坂城に茶々と世継ぎの鶴松を入れると言い出します。
37話
ねねは淀殿と鶴松に大坂城を譲り、聚楽第(じゅらくてい)に移ります。それは、側室の淀殿と正室のねねとの立場が入れ代わったことを意味します。ねねは、甚兵衛がいる一座が京に来たことを知り、あさひを連れて会いに行きます。あさひと甚兵衛は思わず抱き合いますが、あさひは家康の正室です。ある雪の日、あさひは甚兵衛に会うため城を抜け出して探しますが、見つからずに雪の中で倒れて、幸薄い一生を静かに終えます。
38話
あさひの死は、北条攻めを家康に頼る秀吉にとって大きな痛手です。さらに、秀長が病で倒れます。秀吉は心配しながらも、家康と小田原へ出陣します。そして、淀殿を小田原に呼び寄せたため、鶴松はねねとなかに預けられました。淀殿は鶴松に、ねねのことを「まんかかさま」と教えます。久しぶりの赤ん坊に、ねねとなかは喜んで鶴松の世話をします。小田原では北条氏が滅び、家康が駿河から江戸へ国替となります。
39話
天下統一を果たした秀吉はねねと一緒に温泉に行って長年の苦労をねぎらい、新たな夢を語ります。それは、関白を秀長に譲り、秀吉は唐入りして明国を従えるという夢です。しかし、秀長の容体が急変し、秀吉に唐入りを思い留るよう遺言を残して息を引き取ります。秀吉の手綱を握っていた秀長が死ぬと秀吉はさらに暴走し、秀長と共に秀吉を支えてきた千利休に切腹を命じます。その後、世継ぎの鶴松が息を引き取ります。
40話
秀長と鶴松が死んで落胆する秀吉は、関白を甥(おい)の秀次に譲り、太閤(たいこう)として朝鮮に出兵すると言い出します。ねねとなかは秀吉の暴走を止められずに意気消沈しますが、秀吉の姉・ともは長男の秀次が豊臣家を継ぐことになり喜びます。秀吉は朝鮮に出兵するため九州の名護屋に出陣します。ねねは聚楽第(じゅらくてい)を秀次に渡し、大坂城へ移ります。秀吉の唐入りを知ったなかは心痛のあまり倒れてしまいます。
41話
秀吉はなかの危篤の知らせを聞いて、九州から急いで大阪に戻りますが、臨終に間に合いませんでした。ねねから、なかが最後まで秀吉を案じていたと聞き、意気消沈した秀吉はねね以外の人間と会おうとしません。しかし、朝鮮で負け戦が続く中、甥(おい)の秀勝が病死すると、秀吉は弔(とむら)い合戦として、再び九州に向かいます。そんな中、淀殿は男子を産みます。秀吉は世継ぎ誕生に狂喜し、朝鮮との戦に興味を失います。
42話
秀吉は淀殿が生んだ世継ぎの拾いを溺愛するあまり、甥(おい)の秀次に関白を譲ったことを後悔します。秀吉は淀殿と拾いの行く末を案じ、石田三成と大野治長に命じて、秀次に難癖をつけて退けようと画策します。ねねは、養子にした兄の子・秀俊(秀秋)が小早川家へ養子に出されると、拾いの存在が豊臣家を崩壊させるのではないかと心配します。追い詰められた秀次は謀反を理由に関白職を剥奪され、高野山へ追放になります。
43話
高野山に追放された秀次に切腹の命が下ります。福島正則と浅野長政は、秀次が落ち延びるように手はずを整えますが、秀次は覚悟を決めて潔く果て、妻子や側室も三条河原で惨殺されます。ともは息子を3人とも失った上、夫も流罪となり、悲嘆に暮れて大坂城を去ります。ねねは、これまで苦労して築いてきた豊臣の行く末を案じます。前田利家は、世継ぎの拾いしか目に入らず、愚行を繰り返す秀吉を命賭けでいさめます。
44話
秀吉は幼い拾いを豊臣の跡継ぎにするため、全精力を傾けます。ある日、明の使者が国書を携えて来日します。秀吉は、その国書に明が日本に対して属国扱いをしていると知って激怒し、再び朝鮮へ出兵します。しかし、老いた秀吉は気弱になり、5才になる拾いを早くも元服させて秀頼と名を改めさせます。そして、元服した秀頼とねねを連れて、方々の知人の屋敷を回り、秀頼の将来を託そうとします。
45話
朝鮮での戦は各地で惨敗が相次ぐと、秀吉は憂さを晴らすかのように京都・醍醐寺で盛大な花見を催します。秀吉はねねの長年の苦労をねぎらい、その夜は2人で過ごしました。それから3か月、ねねは、伏見城で病が悪化した秀吉の看病をします。秀吉は最後の力を振り絞って、五大老と五奉行に秀頼と豊臣家の行く末を託して、遺言状を残します。慶長3年(1598)8月、秀吉はねねにみとられて、62才の生涯を閉じました。
46話
ねねは、秀吉の葬儀を済ませた後は一族の菩提を弔いながら余生を送るつもりでした。しかし、朝鮮から全軍を撤兵させるまで、しばらくの間、秀吉の死は伏せられます。ねねが秀吉の密葬を終えて側室たちの身の振り方に心を砕いていると、朝鮮から戻った加藤清正が訪ねてきます。清正は秀吉の死を悲しみ、清正を罪に陥れた石田三成と差し違えると言いますが、ねねは豊臣内部で争うことを許しませんでした。
47話
秀吉の死から半年が過ぎ、豊臣政権は一触即発の危機を迎えます。利家が病に倒れて息を引き取ると、加藤清正や福島正則をはじめとする、秀吉に恩顧を被った7人の武将が三成の屋敷を襲撃します。三成は対立する家康の屋敷に逃げ込みますが、家康は三成を斬らずに隠居を条件に佐和山城へ送り届けます。家康は、両方の当事者と争うこと無く、漁夫の利を得ます。ついに、家康は大坂城に入り、天下の第一人者として君臨します。
48話
ねねは西の丸を明け渡して、京都で隠居生活を始めます。替わって家康が大坂城に入り、秀頼の補佐役という名目で政権を手中に収めます。ある日、まつはねねのいおりを訪れます。嫡男・前田利長が家康からかけられた謀反の疑いを晴らすために、まつは人質として江戸へ下る途中でした。一方、天下を狙う家康と三成の対決はもはや避けられず、ついに関ヶ原で激突します。すると、ねねは豊臣の行く末と天下の安泰を家康に託しました。
49話
関ヶ原の合戦で天下の形勢は一変します。家康は秀頼の後見役の立場をとり続けますが、豊臣恩顧の者を中国や九州へ追いやり、主要な所領を徳川で固めます。ねねの甥(おい)・小早川秀秋は関ヶ原の功績で岡山城主になりますが、寝返ったことで、良心のかしゃくに耐えかねて狂乱し、21歳で死にます。慶長8年(1603)、家康はついに江戸幕府を開きます。さらに、ねねの口添えで秀頼と家康の孫娘・千姫の祝言が決まります。
50話
秀頼は家康の力に屈して上らくし、二条城で家康と会見します。それは、豊臣が家康の家臣であることを自ら認める事を意味します。さらに、家康は豊臣をつぶそうと画策して、大坂冬の陣、夏の陣へと向かいます。ねねは豊臣を生き残らせるため、淀殿に家康の条件を受けるよう説得しますが、淀殿は服従するよりは滅びる道を選びます。秀吉とねねが築いた豊臣家は最期を迎えます。ねねは炎上する大坂城に手を合わせます。
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