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【あらすじ】
背が高いことへのコンプレックスを抱え、良縁になかなか恵まれずに故郷の実家に暮らす布美枝。昭和36年、29歳の布美枝に、東京の貸本漫画家・村井茂との縁談が舞い込み、見合いから5日後に結婚式を挙げて東京の新居に移り住んだ。しかし、極貧生活が続き…。。
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「連続テレビ小説 ゲゲゲの女房」のキャスト・スタッフ情報
【キャスト】
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- (飯田布美枝) 松下奈緒
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- (村井茂) 向井理
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- (飯田源兵衛(布美枝の父)) 大杉漣
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- (飯田ミヤコ(布美枝の母)) 古手川祐子
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- (飯田登志・語り(布美枝の祖母)) 野際陽子
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- (宇野輝子(布美枝の叔母)) 有森也実
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- (飯田ユキエ(布美枝の姉・次女)) 足立梨花
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- (飯田暁子(布美枝の姉・長女)) 小林さり
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- (飯田いずみ(布美枝の妹・四女)) 朝倉えりか
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- (飯田邦子(布美枝の兄嫁)) 桂亜沙美
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【スタッフ】
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- 窪田ミナ(音楽)
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- 山本むつみ(脚本)
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- 渡邊良雄(演出)
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- 勝田夏子(演出)
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「連続テレビ小説 ゲゲゲの女房」のあらすじ
1話
ふるさとは安来 昭和14年、島根県の大塚の呉服屋の三女・7歳の飯田布美枝(菊池和澄)は、生来の引っ込み思案。厳格な父・源兵衛(大杉漣)、控えめな母・ミヤコ(古手川祐子)、優しい祖母・登志(野際陽子)、そして兄弟たちという大家族の中では目立たない存在だった。ところが、安来の商家に嫁いだ叔母・輝子(有森成実)が体調を崩したといううわさを聞き、布美枝は輝子に会いたい一心で、たったひとり遠く離れた安来の町まで走っていく。
2話
ふるさとは安来 安来まで行ったその帰路、布美枝(菊池和澄)は妖怪に追いかけられ、見知らぬひとりの少年に助けられる。生まれ育った町を初めて飛び出して体験したその不思議な出来事は、布美枝に新鮮な驚きをもたらした。一方そのころ、大塚の飯田家では、源兵衛(大杉漣)、ミヤコ(古手川祐子)、登志(野際陽子)、そして布美枝の姉妹たちが、布美枝の姿が見えなくなったことで大騒ぎをしていた。
3話
ふるさとは安来 昭和17年、戦争が大塚の町にも影を落とし始めるころ、布美枝(佐藤未来)は10歳になった。女の子にしてはかなり身長が高い布美枝は、他人の目をいつも気にし、消極的な性格だった。姉ユキエ(足立梨花)は、布美枝とは対照的に奔放な性格で、父・源兵衛(大杉漣)の目を盗んで男友達とのあいびきを楽しんでいた。盆踊りの夜が近づくが、悪童たちに身長をからかわれることが嫌な布美枝は、踊りたくない気持ちを募らせていた。
4話
ふるさとは安来 布美枝(佐藤未来)は祖母・登志(野際陽子)に励まされ、友人のチヨ子(鍋本凪々美)と一緒に町の盆踊り大会に出る決意を固める。ガキ大将たちは布美枝の背の高さをからかい、踊りの邪魔をしようとするが、毅然(きぜん)として踊り続ける布美枝を飯田家の先祖の霊が励ますかのように見守る。一方、布美枝の姉・ユキエ(足立梨花)は、強引に見合いをさせようとする父・源兵衛(大杉漣)との対立を深めていた。
5話
ふるさとは安来 源兵衛(大杉漣)はユキエ(足立梨花)に見合いをさせるために、ユキエの勤める学校に乗り込み、無理やり教員の職を辞めさせる。ユキエは自由を奪おうとする父のことが許せず、家出を決行。布美枝(佐藤未来)はその手助けをするハメになり、飯田家には重苦しい空気が漂う。布美枝はユキエのお見合い相手の青年・横山(石田法嗣)と会い、ユキエとの縁談をなかったことにしてほしいと懇願する。
6話
ふるさとは安来 布美枝(佐藤未来)の母ミヤコ(古手川祐子)が、飼っていたハチに刺され、意識を失って倒れる。医者を呼びに町へと走った布美枝は道の途中で横山(石田法嗣)と出会い、彼の助けでミヤコは一命をとりとめる。家出していたユキエ(足立梨花)が戻り、縁談を取り下げた横山のことをなじる。横山が自分のせいで誤解されていることに耐えきれなくなった布美枝は、実は自分が見合い話をなしにするよう横山に頼んだのだと告白する。
7話
ご縁の糸 昭和28年。飯田家は酒屋を営むようになり、布美枝(松下奈緒)は21歳になっていた。大人になってもその内気な性格は変わらず、毎日家事に酒屋の手伝いにと、忙しい日々を送る。洋裁学校の友人たちに結婚の話題が出始めるころ、布美枝のもとにも縁談が舞い込む。相手は地元のしにせの和菓子屋の跡取り息子。布美枝には実感がわかないが、友人のチヨ子(平岩紙)は「見合い相手がどんな人か偵察に行こう」と布美枝をけしかける。
8話
ご縁の糸 縁談が舞い込んだ布美枝(松下奈緒)は、農家に嫁いだ姉・ユキエ(星野真里)の幸せそうな姿に自分の未来の結婚を重ね合わせ、結婚への夢をふくらませていた。しかし、布美枝の背の高さが客相手の商売にはさしつかえると、先方の和菓子屋から嫌われてしまい、縁談は不成立に終わる。落ち込む布美枝に祖母の登志(野際陽子)は「いずれ一緒になる人とは、ご縁の糸でちゃんとつながっている」と優しい励ましの言葉をかける。
9話
ご縁の糸 布美枝(松下奈緒)の父・源兵衛(大杉漣)は、新たな店舗を出すことを計画。商売の手を広げすぎることで家業が不安定になることを望まない登志(野際陽子)は、源兵衛と鋭く対立。その登志が脳こうそくで倒れ、予断を許さない状態に…。布美枝は源兵衛の口から登志が夫を亡くしたのち、独学で商売や読み書きを学んだことを初めて聞く。病状を心配する布美枝だったが、床についたままの登志は逆に布美枝に励ましの言葉をかける。
10話
ご縁の糸 昭和35年、布美枝(松下奈緒)は28歳になっていた。洋裁学校時代の友人たちは、結婚してすでに母親になった者もいれば、仕事を頑張っている者もいて、まだ独身で家事手伝いの布美枝には出遅れの感があった。兄・哲也(大下源一郎)が妻・邦子(桂亜沙美)を迎え、布美枝は家にいづらい気持ちが強まりはじめる。ある日、友人のチヨ子(平岩紙)が、客を前にしてのインスタントラーメンの実演販売の手伝いに布美枝を誘うが…。
11話
ご縁の糸 大勢の客を前にしてのラーメンの販売の仕事に、引っ込み思案の布美枝(松下奈緒)は、緊張のあまり手もとがおぼつかず、大失敗。良縁に恵まれず仕事もつとまらない自分に落ち込む。そんな折、飯田家が洗濯機と冷蔵庫を購入。家事手伝いの必要性も低くなり、布美枝はいっそう悲しい気持ちになる。ある日、源兵衛(大杉漣)が新しい見合いの話をもってくる。相手は村井茂(向井理)という名の東京在住の片腕の貸本漫画家だった。
12話
ご縁の糸 布美枝(松下奈緒)が村井茂(向井理)と見合いをしてみようかと思い始めていたとき、仲人の谷岡(小林隆)が飯田家を訪れる。布美枝の背の高さが相手に悪印象を与えないようにと考えた源兵衛(大杉漣)は、布美枝の身長が谷岡にわからないよう細心の注意を図るが、結局は失敗に…。茂が布美枝より年上であることや、漫画家という仕事、東京住まいになることなど心配な要素はありながらも、源兵衛は見合い話を積極的に推し進める。
13話
たった五日で花嫁に 昭和35年の秋。布美枝(松下奈緒)と、東京に住む貸本漫画家の村井茂(向井理)との見合い話が持ち上がった。茂にはまだヒット作がなく、貧しい暮らしを強いられていた。漫画で成功するべく仕事に全力投球したい茂は結婚に関心をもっていなかったが、郷里の境港より上京してきた父・修平(風間杜夫)と母・絹代(竹下景子)から布美枝との見合いを強引にねじ込まれてしまう。
14話
たった五日で花嫁に 布美枝(松下奈緒)は茂(向井理)との見合いを控えて、期待と不安の入り混じる思いで日々を過ごしていた。貸本漫画家という相手の職業も、東京住まいであることも、生まれ育った大塚の町を出たことのない布美枝には想像しづらいことだったのだ。いっぽう、漫画が当たらずに東京で貧乏暮らしをしている茂は、見合いのための洋服の調達にも苦心するありさまだった。
15話
たった五日で花嫁に いよいよやってきた見合い当日、昭和36年1月25日。飯田家は朝から準備で大騒ぎ。源兵衛(大杉漣)はミヤコ(古手川祐子)にあれこれと指示を出し、布美枝(松下奈緒)は緊張でいてもたってもいられない気持ちだった。茂(向井理)が修平(風間杜夫)と絹代(竹下景子)に伴われて飯田家に到着し、仲人の谷岡(小林隆)の進行のもと、見合いの幕が静かにひらく。
16話
たった五日で花嫁に 布美枝(松下奈緒)の背の高さを見合い相手に印象付けたくない源兵衛(大杉漣)だったが、見合いの最中に石油ストーブの火が消え、源兵衛がうまく点火できずにいるのを見かねた布美枝は思わず立ち上がってしまい、その長身ぶりを明らかにすることに…。一方、茂(向井理)と決めておいた見合い中の合図の身ぶりにもとづき、修平(風間杜夫)と絹代(竹下景子)は飯田家に対し、見合いの席上で早くも結婚を申し込む。
17話
たった五日で花嫁に 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の結婚式は、見合いの日からわずか5日後の1月30日に決まった。異例のスピード結婚となったため、布美枝と源兵衛(大杉漣)、ミヤコ(古手川祐子)は慌ただしく準備を進める。姉のユキエ(星野真里)と子どものころの思い出に浸る布美枝と、母・絹代(竹下景子)から自分が幼いころの話を聞かされる茂。それぞれの家庭に、結婚式を目前に控えての感慨があった。
18話
たった五日で花嫁に 布美枝(松下奈緒)の結婚式がいよいよ翌日に迫った。布美枝は子どものころからの親友・チヨ子(平岩紙)とともに、まだ幼かったころの思い出を語り合う。しかし、自分が結婚して東京に行くという実感が、布美枝にはなかなかわかなかった。父・源兵衛(大杉漣)に、結婚して家から旅立つあいさつをする布美枝。そして、ついに1月30日、結婚式当日の朝がやってきた。慌ただしい雰囲気のなか、布美枝は家をあとにする。
19話
さよなら故郷(ふるさと) 昭和36年1月30日がやってきた。布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の結婚式当日である。茂の母・絹代(竹下景子)は、新郎となる息子の緊張感のなさに憤慨するが、父・修平(風間杜夫)はマイペースでリラックスした風情で、どうにも足並みがそろわない。いよいよ結婚式が始まった。緊張する布美枝のかたわらで茂は…。
20話
さよなら故郷(ふるさと) 結婚式の席上で、緊張した布美枝(松下奈緒)とは対照的に、茂(向井理)はおならをしたり、飲めない酒を飲んでひっくり返ってしまったりと、何かと型破りだった。式が終わり、布美枝と茂は境港の村井家へ。絹代(竹下景子)から布美枝はあらためて「茂のことをよろしく」と頼まれる。
21話
さよなら故郷(ふるさと) 結婚式のあと、夜になってようやく酔いがさめた茂(向井理)は、布美枝(松下奈緒)に幼いころの“のんのんばあ”との不思議な思い出を話して聞かせる。翌朝、茂はなかなか起きてこない。布美枝は修平(風間杜夫)と絹代(竹下景子)と朝食をともにしながら、ふたりの個性に強い印象を受ける。
22話
さよなら故郷(ふるさと) 結婚式の翌日、ついに布美枝(松下奈緒)が故郷を旅立つ朝がきた。源兵衛(大杉漣)以外のミヤコ(古手川祐子)たち家族が布美枝を見送りに駅のホームにやってくる。涙の別れのあと、東京へと向かう汽車のなかで、茂(向井理)の旧友・浦木(杉浦太陽)があらわれ、布美枝たちに絡んでくる。
23話
さよなら故郷(ふるさと) 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)を乗せた汽車は東京駅に着き、つきまとう浦木(杉浦太陽)を振り切るようにして茂は布美枝を連れ、調布の家へと向かう。あこがれの大都会での暮らしを予想していた布美枝だったが、ふたりの乗った車はどんどん郊外へと向かっていく。都会の雰囲気などまったくないところに車は止まり、そこで布美枝が見たのは…。
24話
さよなら故郷(ふるさと) 茂(向井理)が布美枝(松下奈緒)を招き入れたのは、おんぼろの一軒家だった。以前に見た写真から、瀟洒(しょうしゃ)な家を想像していた布美枝だったが、実際の家は予想とはかけ離れたものだった。しかも、茂は仕事部屋に閉じこもってしまい、茂の兄の雄一(大倉孝二)がやってきたり、集金人が押しかけてきたりと、布美枝は戸惑うことばかりで…。
25話
花と自転車 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の調布での新婚生活が始まった。茂の暮らしは驚くほど貧しいものだった。商店街に出かけた布美枝は、買い物客のテンポの早さにめんくらい、いきなり引ったくりにあってしまう。犯人の原田(中本賢)を追いかけて、捕まえてくれた貸本屋の女主人・田中美智子(松坂慶子)との出会いが、布美枝の心に残る。
26話
花と自転車 布美枝(松下奈緒)のもとを赤羽に住む姉の暁子(飯沼千恵子)が訪ねてくるが、茂の兄・雄一(大倉孝二)の家族連れで風呂を借りにくるという非常識ぶりに、布美枝も暁子もあっけにとられる始末。美智子(松坂慶子)がひったくり犯の原田(中本賢)を店に雇っていることに、布美枝は驚く。
27話
花と自転車 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の家に浦木(杉浦太陽)が、売れない漫画家の中森(中村靖日)を連れて来て、金の無い中森を安い家賃で住まわせてやってほしいという。収入が不安定な茂は、新婚家庭に見知らぬ同居人を置くという、むちゃな申し出を受け入れてしまう。
28話
花と自転車 布美枝(松下奈緒)は、茂(向井理)と中森(中村靖日)の近くにいることで、茂の暮らしが思った以上に厳しいものであることがわかってきた。布美枝は散らかり放題の茂の部屋を良かれと思って掃除するが、茂からそのことを強くしかられ、夫婦の間にはぎくしゃくした空気が漂う。
29話
花と自転車 布美枝(松下奈緒)は、美智子(松坂慶子)がひったくり犯の原田(中本賢)を「こみち書房」の手伝いとして雇い、そのアルバイト代で彼の懐をあたためてやろうという優しさの持ち主であることを知る。ある日、茂(向井理)が自転車を買って帰ってきた。布美枝はその突然の贈り物に感激する。
30話
花と自転車 布美枝(松下奈緒)が茂(向井理)に連れて行かれたのは、調布の深大寺だった。お互いのことを何も知らずに結婚したふたりにとって、それは初めてのデートだった。お見合いのときのお互いの印象を語り合うふたり。ようやく夫婦らしい雰囲気になりかける布美枝と茂だった。
31話
アシスタント一年生 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の調布の家に、売れない漫画家の戌井(梶原善)が訪ねてくる。戌井は偶然読んだ茂の漫画に感動したことや、作家を大事にしない貸本漫画業界がいかにだめかを切々と語る。そして、足にけがをした茂の代わりに、布美枝が原稿を届けに貸本漫画出版社を訪れると…。
32話
アシスタント一年生 布美枝(松下奈緒)が茂(向井理)の代わりに原稿を届けに行った出版社の富田社長(うじきつよし)は、浦木(杉浦太陽)と何かを共謀しているようだった。帰り道、布美枝は「こみち書房」で、茂の漫画を愛読する若い工員・太一(鈴木裕樹)と出会う。その翌日、村井家にあらわれた浦木は、「少年戦記の会」の発足を宣言する。
33話
アシスタント一年生 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)に「少年戦記の会」の発足を宣言する浦木(杉浦太陽)。茂の描く戦記漫画の読者を対象に、会報の発行や会員制の通信販売を始めようというのだ。「茂の描く暗い戦争漫画だけでは、十分な稼ぎにならない」というのがその理由だった。しかし茂は、美化されたものではなく、体験に根ざしたリアルな戦争を描こうとしていた。
34話
アシスタント一年生 「少年戦記の会」の怪しげな看板のせいで警察から疑われる騒動はありながらも、布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)はふたりで力を合わせて会報作りをしていた。しかしある日、浦木(杉浦太陽)の発案した通信販売の商品の粗雑さのせいで返品の山が築かれてしまい、会は頓挫することに…。
35話
アシスタント一年生 「少年戦記の会」が行き詰まり、会報の郵送費を自分たちで負担しなくてはいけなくなった布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)。気持ちがふさぐふたりだったが、少数の読者から「墓場鬼太郎」の再開を求める投書が富田(うじきつよし)の会社に届き、富田の決断でついに連載の再開が決定する。
36話
アシスタント一年生 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)は、「墓場鬼太郎」の連載再開に胸を躍らせた。必死に原稿用紙に向かう茂の姿を見て、布美枝は何か自分に手伝えることはないかと思う。何も手助けできずにいる布美枝だったが、茂から原稿の一部にペンを入れてほしいと頼まれ、布美枝は茂と肩を並べ「鬼太郎」をともに仕上げていく。
37話
消えた紙芝居 茂(向井理)は、富田(うじきつよし)の依頼で「墓場鬼太郎」の執筆に全力を注いでいた。布美枝(松下奈緒)は、出来上がったその本を宣伝するうち、自分が“水木しげるの妻”であることを美智子(松坂慶子)に知られることに…。「少年戦記の会」の失敗以来、姿をくらましていた浦木(杉浦太陽)がまた現れ、茂は激怒する。
38話
消えた紙芝居 布美枝(松下奈緒)は、まだ出会う前の茂(向井理)の話を聞くことが楽しかった。茂の漫画は刊行されるが、富田(うじきつよし)は会社の資金繰りが苦しく原稿料を払おうとしない。家計の苦労が続くある日、茂がかつて神戸に住んでいたころの紙芝居の師匠・杉浦音松(上條恒彦)が、ふいに訪ねてくる。
39話
消えた紙芝居 布美枝(松下奈緒)は、茂(向井理)と音松(上條恒彦)のかつてを懐かしむ話に耳を傾ける。茂がかつて神戸で紙芝居の絵を描いていたことや、「墓場鬼太郎」の原案が古い紙芝居にあったこと、「水木しげる」という名前をつけたのが音松だったことなど、布美枝が初めて聞くことばかりだった。
40話
消えた紙芝居 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)は、音松(上條恒彦)を町に案内しては、なけなしの金でコーヒーやケーキなどをごちそうしていた。音松は何かを言いたそうにしているのだが、なかなか切り出そうとしない。そんなとき、浦木(杉浦太陽)が「音松は借金まみれで、知人から金を借りようとして東京に姿を現した」という情報を持ってくる。
41話
消えた紙芝居 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)は、音松(上條恒彦)が金に困って自分たちから借金をするためにやってきたことを知り、驚いていた。音松のために、いくらかでも用立ててやりたいが、茂は富田(うじきつよし)のやり口に腹を立て、執筆料ももらわずに縁を切ってしまい、収入源がなくなってしまっていた。
42話
消えた紙芝居 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)は、姿を消した音松(上條恒彦)を探し回った。やっと見つけた音松は、長年使ってきた紙芝居道具を売って金に替えようとしながらも、なかなかそれができずにいた。茂は、音松にわずかばかりの汽車賃を渡し、音松はそれを受け取って九州へと旅立っていく。
43話
父の上京 布美枝(松下奈緒)は、「こみち書房」の常連客である太一(鈴木裕樹)の失恋の現場に居合わせてしまった。太一は、心配する美智子(松坂慶子)の優しい言葉を素直に受け止められない。茂(向井理)は、深沢(村上弘明)の後押しで精力的に漫画を描き、店に姿をあらわさなくなった太一のことを気にかける素振りもなかった。
44話
父の上京 布美枝(松下奈緒)は友人のチヨ子(平岩紙)に、貧乏な暮らしをしていることが打ち明けられず、かえって自分を責めてしまう。美智子(松坂慶子)は、太一(鈴木裕樹)が茂(向井理)のことを尊敬していることから、“茂が店に来てくれれば、太一もまた店に来るのでは”と期待する。一方、源兵衛(大杉漣)は安来から上京し、突然、布美枝の家にやって来る。
45話
父の上京 布美枝(松下奈緒)の貧乏ぶりに驚いた源兵衛(大杉漣)は、「茂(向井理)の考えを後日きちんと聞く」と言い残し去っていく。「茂が週末に店に来る」と、美智子(松坂慶子)が太一(鈴木裕樹)にウソをついたことから、戌井(梶原善)は「同じ日に店で茂と読者の交流の集いを催そう」と言い出す。漫画の宣伝にもなり、太一をそこへ呼び出すこともでき、源兵衛に茂の活躍ぶりを印象づけることもできて、“一石三鳥”だというのだ。
46話
父の上京 布美枝(松下奈緒)は、戌井(梶原善)が言いだした“茂(向井理)と読者との交流会”というイベントに、果たして源兵衛(大杉漣)が満足する人数の客が集まるかどうか、不安を抑えきれなかった。美智子(松坂慶子)は、「イベントの成功に全力をあげる」と言うが、布美枝には太一(鈴木裕樹)のことを人一倍心配する美智子の心情がわからなかった。
47話
父の上京 茂(向井理)と読者の交流会イベントの盛況ぶりに、源兵衛(大杉漣)は胸をなでおろした。布美枝(松下奈緒)は、太一(鈴木裕樹)の姿を見つけ、交流会に立ち寄ってくれるように声をかける。時を同じくして、源兵衛は偶然入った喫茶店で、「こみち書房」前の茂のサインを求める行列の人々が、景品につられて並んでいただけであることを知ってしまう。
48話
父の上京 布美枝(松下奈緒)は、美智子(松坂慶子)がかつて亡くした息子の面影を太一(鈴木裕樹)のなかに見ていたこと、それゆえ太一を親のように心配していたことを知る。太一は、自分が茂(向井理)の漫画に励まされていたことを布美枝たちに告げ、源兵衛(大杉漣)は茂のこと、茂を信じる布美枝のことを見直す。
49話
私、働きます 昭和37年、布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)が結婚して1年がたった。深沢(村上弘明)からの仕事の依頼のおかげで、家計は少し楽になりかけていた。茂は深沢の出版社で、少女漫画家を志す河合はるこ(南明奈)と出会う。はるこは父親から漫画を描くことを反対されていたが、何としてでも漫画家になろうとする意志をもっていた。茂は新作「河童の三平」にとりかかろうと意欲を高めていたが、深沢が突然かっ血し病に倒れる。
50話
私、働きます 布美枝(松下奈緒)も茂(向井理)も深沢(村上弘明)の早い復帰を信じていたが、退院の知らせはなかなか届かなかった。茂は深沢の出版社を訪ねてみるが、次々に荷物が運び出される光景に出くわす。深沢の長引く療養のために会社が閉じられたのだった。それは、茂の収入がとだえてしまうことを意味した。茂は仕事を得るために、出版社への自作の売り込みに歩く日々をおくるが、経営者は一般受けしない茂の漫画に難色を示す。
51話
私、働きます 茂(向井理)は、これまでつきあいのなかった春田図書出版の仕事を受けた。布美枝(松下奈緒)はこれまでと同じように、茂の仕事を手伝いたいと思うが、茂はなぜかよそよそしい態度で、布美枝を仕事場に入れようとしない。ある日、漫画家になることを本格的に決意したはるこ(南明奈)が、村井家にやってくる。茂は即座にはるこを家に上げると、自分の描く漫画を彼女に手伝わせ始める。布美枝はあっけにとられるばかりだった。
52話
私、働きます 茂(向井理)は完成した漫画を春田図書出版に届けようとするが、無理がたたって高熱を出し外出できない状態に。茂は布美枝(松下奈緒)に、完成した作品を触らせようとしなかったが、体が動かないためやむなく布美枝に原稿を託す。出版社で布美枝は、茂が部屋にこもって描いていた作品が、本来の作風からかけ離れた少女漫画風のもので、ペンネームも女性の名前に変えていることを知る。布美枝は茂が耐えていた屈辱を思い涙を流す。
53話
私、働きます 茂(向井理)だけではなく、貸本漫画家たちは、みな苦しい暮らしを強いられていた。貸本漫画の業界は、大手出版社から出る週刊漫画誌の急成長に押され、斜陽化していたのだ。茂は、かつてさんざん振り回された富田(うじきつよし)と偶然、再会する。富田から懇願され、茂は「河童の三平」を彼の出版社から出すことを決める。しかし、原稿料の支払いは3か月先という、布美枝(松下奈緒)にとって不安の残る状況だった。
54話
私、働きます 布美枝(松下奈緒)は、家計を維持するために、働きに出ることを考えていた。商店街で銭湯を営む靖代(東てる美)が、化粧品の販売の仕事を始めたことをきっかけに、布美枝も同じ仕事を始めることになる。本当は、見ず知らずの人に商品を売るような仕事は苦手であるにもかかわらず、茂(向井理)が伸び伸びと漫画を描けるように、布美枝は靖代と2人で化粧品を売りに歩く。しかし仕事を始めた矢先、布美枝の体に異変が…。
55話
こんにちは赤ちゃん 布美枝(松下奈緒)は病院で検査を受け、初めての子供を妊娠していることがわかる。茂(向井理)にどう伝えようかとあれこれ考える布美枝だったが、下宿人として家賃収入をもたらしてくれていた中森(中村靖日)が漫画家として身を立てることをあきらめて郷里へと帰ることになる。家計が厳しくなることを茂が心配している様子を見て、布美枝は新しい命のことを茂に切り出すことができなくなってしまう。
56話
こんにちは赤ちゃん 布美枝(松下奈緒)の妊娠の話題がすずらん商店街の人びとに伝わる。茂(向井理)に妊娠したことを言い出せずにいる悩みを布美枝は美智子(松坂慶子)に打ち明ける。美智子に励まされ、ようやく布美枝は茂に子供ができたことを告げるが、茂はただ「子供はたいへんだぞ」と低くつぶやくだけだった。落ち込んだ気持ちを抱えた布美枝は、赤羽に住む姉の暁子(飯沼千恵子)の家を訪ね、その一家団らんの様子にうらやましさを感じる。
57話
こんにちは赤ちゃん 布美枝(松下奈緒)は、しばらく赤羽で過ごすことを決意し、茂(向井理)にそれを伝える電報を打つ。茂は布美枝を迎えに赤羽まで突然やって来ると、帰り道の公園で「子どもを持とう」と布美枝に言う。布美枝の悩みは晴れ、妊娠の知らせは境港の茂の両親や安来の布美枝の実家にも届き、それぞれに祝福のムードが高まる。しかし、原稿料の手形の支払い延期を、富田(うじきつよし)が茂に懇願し、新たな危機が布美枝たちに迫る。
58話
こんにちは赤ちゃん 「どうしても金の都合がつかない」と言う富田(うじきつよし)の頼みで、茂(向井理)の原稿料の支払いは先延ばしになってしまう。河合はるこ(南明奈)は茂の才能を尊敬しているが、はるこに気がある浦木(杉浦太陽)はそれが面白くない。茂は家のローンの支払いの代わりに、富田の約束手形を不動産屋に預けていたが、その手形が不渡りをだすことになってしまう。不動産屋は家の立ち退きを茂に要求する。
59話
こんにちは赤ちゃん 倒産した富田書房には茂(向井理)を含めた債権者たちが集まり、富田(うじきつよし)の責任を追及したが、金はまったく回収できない。茂はあちこちの出版社を回って注文をとり猛烈に描き続けたが、原稿料はますます安く、暮らしは厳しくなる一方だった。布美枝(松下奈緒)が結婚するときにミヤコ(古手川祐子)が持たせてくれた着物も質に入れることになり、あまりの所得の低さに税務署から所得隠しの疑いをもたれる始末だった。
60話
こんにちは赤ちゃん 金から見放されたような布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)だったが、出産予定日は近づいていた。軽い妊娠中毒の症状を布美枝が発症し、商店街のおかみさんたちや美智子(松坂慶子)、太一(鈴木裕樹)、戌井(梶原善)たちが、布美枝を励ましに次々と村井家を訪ねてくる。年末も押し迫ったクリスマスイブの日、布美枝は病院へ定期健診に行くが、今日中にも産まれるかもしれないといわれ、そのまま入院することに…。
61話
貧乏神をやっつけろ 布美枝(松下奈緒)は無事に長女を出産した。茂(向井理)は子供を「藍子」と命名し、彼女を見守る存在として“目玉親父”の絵を描いてみせる。出産祝いに村井家を訪れた戌井(梶原善)が、漫画の出版社を始めたことを布美枝と茂に報告する。貸本業界は不況の嵐で、とても前途洋々とはいえなかったが、戌井は社長として、茂に新作の短編を注文する。布美枝の子育ての頼みの綱だった暁子(飯沼千恵子)が腰を痛めてしまい…。
62話
貧乏神をやっつけろ 布美枝(松下奈緒)は暁子(飯沼千恵子)を頼ることができなくなり、初めての子育てにひとりで取り組むことになった。茂(向井理)は複数の注文を引き受け、仕事に忙しい日々を送っていた。布美枝たちを祝いに、商店街の人たちも次々に村井家を訪れる。浦木(杉浦太陽)とはるこ(南明奈)もやって来て、浦木が出産祝いとして持ってきた連合艦隊の図鑑の話題をきっかけに、茂が作ったという精巧な軍艦の模型が披露される。
63話
貧乏神をやっつけろ 茂(向井理)は、戌井(梶原善)が刊行した新しい貸本漫画のために、次々と漫画を描き続けていた。富田書房の不渡り手形のせいで背負ってしまった二十万円の負債が、村井家の家計を今も追い詰めていた。しかし、漫画は思うように売れず、戌井の立ち上げた出版社は早くも暗礁に乗り上げてしまった。不動産屋に家賃を払うのもやっとで、藍子の初めてのひな祭りのお祝いも満足にできないことを、布美枝(松下奈緒)は悲しむ。
64話
貧乏神をやっつけろ 藍子が生まれて半年がたったが、村井家の暮らし向きは上向かず、布美枝(松下奈緒)は家事と育児に奮闘しながらも、重苦しい気分をぬぐえずにいた。戌井(梶原善)の出版社も赤字続きで事務所を引き払い、今では自宅をオフィスとしていた。茂(向井理)は戌井の家を訪ねた帰り道、多磨霊園を自転車で通過しようとして、外に出られなくなる体験をする。貸本漫画を悪書として追放しようとする団体が、こみち書房に押しかけ…。
65話
貧乏神をやっつけろ 村井家の貧しさは最悪のものとなりつつあり、電気代が払えずに、ついに電気が止まる事態となってしまう。茂(向井理)は漫画を出版社に持っていくが、貸本業界の斜陽化ゆえにどの会社も経営は苦しく、満足な原稿料が支払われることはなくなってきていた。ある夜、大蔵省の役人を名乗る男(片桐仁)が村井家を訪れる。村井家が今、建っている土地は大蔵省の所有する土地であり、土地を買い取るか、もしくは退去せよと言うのだが…。
66話
貧乏神をやっつけろ 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)は、大蔵省の役人の言葉に“ついに家を失う”と覚悟を決めていた。しかし、翌日もうひとりの役人がやって来て「土地が大蔵省のものであるというのは帳簿の記載ミスであった」とわびる。あっけにとられ、脱力する布美枝と茂。意味もなくほんろうされたことに対する怒りが茂を突き動かし、自分たちを追い詰めるばかりの世界への呪詛(じゅそ)に満ちた強烈な作品「悪魔くん」が生まれることに。
67話
連合艦隊再建 家計は相変わらず厳しいのに、高価な戦艦模型作りに没頭する茂(向井理)のことが、布美枝(松下奈緒)は理解できなかった。浦木(杉浦太陽)は漫画家の卵の河合はるこ(南明奈)に夢中になるが、はるこは茂を思っているらしく、浦木にはつれない態度だった。浦木は村井家を訪れ「悪魔くん」がもたらす収入に期待する茂のことをたしなめる。茂の漫画は暗いので、五輪景気に沸く世間のムードに合わないから売れないというのだ。
68話
連合艦隊再建 美智子(松坂慶子)は、茂(向井理)の模型戦艦作りの話を布美枝(松下奈緒)から聞かされ、まゆをひそめるが、夫の政志(光石研)は茂の苦境を察するかのようなことを言い、理解を示す。「不良図書から子どもを守る会」の一団が、こみち書房に押しかけて、茂の漫画を「低俗だ」と非難したり、職を失った茂の兄・雄一(大倉孝二)のためになけなしの金を融通するハメになってしまったりと、布美枝は困ったこと続きだった。
69話
連合艦隊再建 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)のもとを戌井(梶原善)が訪れ、売れ行き不振のため「悪魔くん」を途中で打ち切りにさせてほしいと申し出る。茂と戌井が精魂を傾けて世に送り出した作品だったにもかかわらず、その結果は無残なまでの大失敗だった。茂は戦艦の模型作りに熱中し、幼かったころに、故郷の境港で見た連合艦隊とひとりの下士官との思い出話を布美枝に語って聞かせる。
70話
連合艦隊再建 「悪魔くん」の失敗は村井家の家計をさらに圧迫することとなった。茂(向井理)には、もう質入れする物もなく、本格的な生活の危機が近づきつつあった。茂は八百屋で熟しきって値下げになったバナナを買って帰ると、布美枝(松下奈緒)に戦時中のラバウルでのバナナの思い出を語りながら、夫婦でそれを食べる。浦木(杉浦太陽)は、茂に「貸本漫画に見切りをつけて業界新聞の片隅に載る漫画に乗り換えてはどうか」と、もちかける。
71話
連合艦隊再建 茂(向井理)は浦木(杉浦太陽)からのアドバイスで、戌井(梶原善)と一緒に業界新聞向けの漫画を描く人間の仕事場を訪ねる。しかし、そこには茂とまったく変わらない貧しさがあるだけだった。茂は漫画の表紙だけを美男美女の絵で飾り、内容は今までどおりの恐ろしいタッチのものにして、少しでも売れるよう工夫をする。布美枝(松下奈緒)は、あてにしていた戌井からの原稿料が入らずに落ち込む。
72話
連合艦隊再建 茂(向井理)は、貧しさの極みのような暮らしに気持ちが弱り、ついに「漫画をやめようか」と漏らす。布美枝(松下奈緒)は、その言葉に驚き「この先もきっとなんとかなる」と茂を穏やかに励ます。茂はその言葉に勇気をもらい、追い詰められたような気持ちから救われる。戌井(梶原善)から支払われる原稿料は、全額に満たないわずかなものだったが、ともに漫画をあきらめずに頑張ろうと布美枝も茂も思うのだった。
73話
初めての里帰り 境港に住む茂(向井理)の両親から孫を連れて帰省するよう促す手紙が届くが、苦しい家計のため、それは無理な話だった。茂の母・絹代(竹下景子)は「孫に会いに上京する」と電話をかけてくるが、猛烈な性格の母親が家に来ることは避けたいと茂は思う。結核を患っていた深沢(村上弘明)が、未払いだった原稿料を手渡すために村井家を訪ね、その金で布美枝(松下奈緒)は藍子を連れて、安来と境港に帰省することになる。
74話
初めての里帰り 布美枝(松下奈緒)は、かつて「少年戦記の会」の騒ぎで茂(向井理)を振り回した富田(うじきつよし)と、「こみち書房」で偶然に再会する。富田は、茂にもう一度会いたいとの思いから、村井家を訪ねようとするところだった。経営していた出版社が倒産して以来、富田は小さな印刷会社で製本の作業員をして暮らしていた。わずかな額の金を茂に渡して去っていく富田。布美枝は藍子とともに、初めての里帰りに出発する。
75話
初めての里帰り 結婚から3年ぶりに、布美枝(松下奈緒)は藍子を連れて、安来の実家に帰ってきた。父・源兵衛(大杉漣)をはじめ、大家族の飯田家は昔と変わらない、にぎやかさだった。弟の貴司(星野源)には、縁談が持ち上がっていた。源兵衛が実家の酒屋のほかに、新しく2軒目の店をだす計画で、それを貴司に継がせるつもりでいることを布美枝は知る。布美枝は、町内の洋食屋で貴司と見知らぬ女性が連れ立って入ってくるのに出くわす。
76話
初めての里帰り 貴司(星野源)は、いっしょにいた女性と恋人同士だった。女性は一人娘で家業を継ぐことを義務づけられており、彼女と結婚するためには、貴司が家を出て婿入りするしかなかった。“店を持たせたい”という源兵衛(大杉漣)の思いと恋人との間で、板挟みになり悩む貴司。妹のいずみ(朝倉えりか)が“安来を出て東京で仕事をしたい”と思っていることが、源兵衛に知られるのと同時に、貴司の恋人の存在も家族の中で明らかになる。
77話
初めての里帰り 布美枝(松下奈緒)は、貴司(星野源)に対して「自分の本当の気持ちを大切にすべきだ」とアドバイスするが、貴司は恋人への思いを押し殺し、新しい店を引き受けようとしていた。布美枝は藍子を連れて、境港の茂(向井理)の実家を訪れる。絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)は、布美枝を歓迎する。絹代は布美枝に対して「貧しい暮らしのなかで、夫の茂を当てにすることなく、自分自身がしっかりするように」と諭す。
78話
初めての里帰り 布美枝(松下奈緒)が境港から安来の実家に戻ってくると、ちょうど貴司(星野源)が源兵衛(大杉漣)に対して、“恋人と結婚したい”という気持ちを打ち明け、店は継げないことを明言していた。怒りにかられた源兵衛は、相手の女性の家に乗り込もうとしていた。しかしその時、子ども同士で遊んでいた藍子が、ビー玉を飲み込んでしまい大騒ぎになる。とっさに布美枝は、藍子の背中をたたき吐き出させようとするが…。
79話
旅立ちの青い空 布美枝(松下奈緒)のもとに、安来に住む弟の貴司(星野源)の結婚の知らせが届く。東京オリンピックを間近に控え、すずらん商店街でもテレビを購入する家庭が増えていた。病気から復帰した深沢(村上弘明)は、早くも新雑誌「ゼタ」を創刊し、茂(向井理)に作品を依頼する。美智子(松坂慶子)の夫・政志(光石研)は、相変わらず競馬に熱中し、太一(鈴木裕樹)と共に競馬場に行った帰りに村井家を訪れると…。
80話
旅立ちの青い空 布美枝(松下奈緒)は、政志(光石研)が口にした人生をあきらめたかのような言葉にどきりとさせられる。文学に熱中する太一(鈴木裕樹)は、いつの間にか同人誌を作る仲間ができていた。茂(向井理)は、深沢(村上弘明)の雑誌「ゼタ」に作品を発表する。「ゼタ」には型破りな勢いがあり、戌井(梶原善)もその清新さに感嘆する。はるこ(南明奈)は漫画家としての成功を目指し、焦る気持ちを強めていた。
81話
旅立ちの青い空 布美枝(松下奈緒)は、深沢(村上弘明)の秘書である加納郁子(桜田聖子)の自立した姿に、強い印象を受ける。浦木(杉浦太陽)から、政志(光石研)の転職のうわさ話を聞き、経営が思わしくない「こみち書房」の先行きが心配になった布美枝。そこで布美枝は、オリンピックブームにあやかって、貸本をたくさん借りた子どもたちに、手作りの“紙製メダル”を景品としてプレゼントする企画を美智子(松坂慶子)に提案する。
82話
旅立ちの青い空 布美枝(松下奈緒)が提案した“メダルの景品作戦”は子どもたちの人気となり、「こみち書房」には客のにぎわいが戻ってきた。しかし、貸本漫画を“悪書”と断定する市民団体が「こみち書房」にやって来て、「小学生が貸本屋に出入りすることは、禁止となった」と一方的に告げる。店内は騒然とし、ちょうど外から戻ってきた政志(光石研)と団体の男が、激しいもみ合いになり、警官が店に来る騒ぎになってしまう。
83話
旅立ちの青い空 警官がやって来る騒動があって以来、「こみち書房」を訪れる客の数は日に日に減っていった。茂(向井理)は、深沢(村上弘明)の「ゼタ」に漫画を発表し続けていた。布美枝(松下奈緒)は、茂の原稿を届けに行った折に、深沢から漫画にかける思いを聞かされる。「こみち書房」は、地主から地代の値上げを申し渡され、さらに追い詰められることになり、政志(光石研)と美智子(松坂慶子)との間にも、ぎくしゃくした空気が流れる。
84話
旅立ちの青い空 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)は、政志(光石研)からシベリアの収容所時代のつらい体験と、帰国後に子どもの死を知り、前向きに生きる意欲を失ってしまったことを、初めて打ち明けられる。そして、美智子(松坂慶子)が家を出たまま、どこに行ったかわからないことを靖代(東てる美)から聞いた布美枝は、政志と共に美智子を捜しに行く。美智子を見つけた政志は…。
85話
チャンス到来!? 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)のもとに、境港に住む絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)がやって来る。修平の書く小説を東京で出版する話があるというのだが、絹代は疑いを隠さず、偶然茂を訪ねてきた浦木(杉浦太陽)が話す、出版ビジネスの計画を聞いて猛然とそれにかみつく始末。ちょうどそのころ、大手出版社・雄玄社の漫画雑誌「少年ランド」の編集部では、若手編集者の豊川(眞島秀和)が茂の漫画に着目していた。
86話
チャンス到来!? はるこ(南明奈)が何かに焦っている様子を、布美枝(松下奈緒)と浦木(杉浦太陽)は気がかりに思っていた。布美枝は深沢(村上弘明)に、太一(鈴木裕樹)が書いた詩を読んでもらおうと、深沢の会社を訪ねる。すると、そこには思いつめた雰囲気のはるこがいた。布美枝は、はるこを心配して言葉をかけるが、はるこは「漫画を描いている人間の気持ちが、ただそれを見ているだけのあなたにわかるのか」と答えるばかりだった。
87話
チャンス到来!? 雄玄社の豊川(眞島秀和)は、茂(向井理)に「少年ランド」への漫画執筆を依頼しようと考えていた。布美枝(松下奈緒)は、絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)を深大寺の茶店に連れて行く。茂がひとり家に残っていたちょうどそのとき、はるこ(南明奈)が村井家を訪ねてきて、「実家の親との約束で漫画家として芽が出なければ、郷里に戻る約束があり、その約束の期限がまもなく切れる」と告げる。
88話
チャンス到来!? 茂(向井理)は、泣いて取り乱したはるこ(南明奈)が、自分の胸に飛び込んできた理由を、それを見てしまった布美枝(松下奈緒)たちに説明するハメに。絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)は、村井家に一晩泊まり、布美枝と茂のそれぞれに親としての思いを話して聞かせる。両親が境港に帰っていった後、はるこがやって来て、「漫画家の道をあきらめて郷里に戻る」と、茂と布美枝に知らせる。
89話
チャンス到来!? 布美枝(松下奈緒)は、はるこ(南明奈)を連れて深大寺を訪れた。はるこは布美枝に、茂(向井理)は布美枝がいるから、漫画に打ち込めるのだと言う。布美枝は、はるこの茂への秘めた思いを感じる。はるこが東京を去った後、浦木(杉浦太陽)が布美枝たちのもとにやって来て、「なぜ、はるこが去ることを自分に知らせなかったのか」と茂をなじる。ばたばた騒ぎのなか、雄玄社の豊川(眞島秀和)が村井家を訪ねてくる。
90話
チャンス到来!? 茂(向井理)は、豊川(眞島秀和)からきた「別冊少年ランド」への“宇宙もの”漫画の依頼を断ってしまう。“宇宙もの”が苦手だから、というのがその理由だった。布美枝(松下奈緒)も浦木(杉浦太陽)も、その答えに驚き、茂の真意をはかりかねる。茂は「自分が、本当に自信を持って描くことのできるジャンルの漫画で、勝負すべきだ」と言い、「必ずもう一度チャンスがくる」という確信を布美枝に告げる。そして、ある日…。
91話
来るべき時が来た 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)のもとを、雄玄社の豊川(眞島秀和)が再び訪れる。豊川は、「ジャンルは問わないので、テレビよりも面白い漫画を『別冊少年ランド』に描いてほしい」と茂に依頼する。戌井(梶原善)は、茂に対し「『別冊少年ランド』への依頼は登竜門であり、そこをクリアできれば『週刊少年ランド』への執筆の道が開ける」と語り、多くの子どもたちの心をつかんでほしいと激励する。
92話
来るべき時が来た 茂(向井理)は、豊川(眞島秀和)から依頼された漫画のアイデアを練っていた。茂は布美枝(松下奈緒)から金を受け取ると、亀田(徳井優)の質店に飛び込み、質流れのテレビを買う。茂は一日中テレビの前に座り込んで、画面に流れる番組を見続けた。そして、テレビの中に自由に入り込んでは、欲しいものを何でも持ちだすことのできる少年を主人公にした「テレビくん」の着想を得る。豊川も「テレビくん」に乗り気になるが…。
93話
来るべき時が来た 茂(向井理)は豊川(眞島秀和)に対し、「テレビくん」には何かが足りない、と言う。子供に受けるための何が足りないのか、考えた果てに茂は「テレビくん」にかわいらしさが不足していることに気づく。布美枝(松下奈緒)は茂の助けになろうとして、テレビに関する雑誌の切り抜き記事を集める。苦心の末にとうとう「テレビくん」が完成。豊川は作品の出来栄えを絶賛する。
94話
来るべき時が来た 完成した「テレビくん」に満足した豊川(眞島秀和)は、茂(向井理)に「週刊少年ランド」への短編の連作を依頼する。奇想天外な戦いのある作品を、との豊川の注文に対し、茂は「墓場鬼太郎」を描きたいと告げ、豊川も賛同する。深沢(村上弘明)は、茂のメジャー誌への進出を喜ぶが、秘書・郁子(桜田聖子)は、漫画家がただ大手にさらわれていくばかりに思えてしかたがなかった。
95話
来るべき時が来た 茂(向井理)は「週刊少年ランド」に「墓場の鬼太郎」を描き始める。しかし、読者からの人気投票は最下位で、編集部内では打ち切りの議論が出る始末。そんななか、豊川(眞島秀和)だけが、これまでの常識にとらわれない漫画こそが他誌に勝つために必要であることを力説して譲らなかった。そして、編集部に「墓場の鬼太郎」を支持する投書が少しずつ届くようになり、豊川は「墓場の鬼太郎」の本格的な連載開始を決意する。
96話
来るべき時が来た 茂(向井理)のもとに「テレビくん」が、雄玄社マンガ賞を受賞したという知らせがくる。吉報は、境港の絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)、そして安来の源兵衛(大杉漣)たち飯田家の人々のもとにも届く。戌井(梶原善)も、苦難を重ねてきた茂の受賞に、感動を禁じえなかった。授賞式の当日、背広を新調した茂は、布美枝(松下奈緒)にネクタイを締めてもらい、家を出るのだった。
97話
プロダクション旗揚げ 「雄玄社マンガ賞」を受賞して以来、茂(向井理)のもとには、漫画の注文が次々と舞い込むようになった。“本格的にアシスタントを雇おう”と考える布美枝(松下奈緒)と茂だったが、やって来るのは使いものにならない人ばかり。菅井(柄本佑)もその中のひとりで、茂は相手にもしない。そんな慌ただしいある日、「墓場の鬼太郎」を映像化したいというプロデューサーの船山(風間トオル)が村井家にやって来る。
98話
プロダクション旗揚げ 船山(風間トオル)は「墓場の鬼太郎」をテレビ化するために動くと言う。布美枝(松下奈緒)は、うれしいと同時に信じられないような気持ちだった。深沢(村上弘明)は布美枝に対し「茂(向井理)もプロダクションという会社組織をとってみてはどうか」と提案。茂がその画才に目をつけた倉田(窪田正孝)、偶然出会った元漫画家の小峰(斎藤工)、そして再びやって来た菅井(柄本佑)と、奇妙な男たちで村井家はあふれる。
99話
プロダクション旗揚げ 茂(向井理)が三人の男たちと共に、漫画を描き始めると、菅井(柄本佑)の手際の悪さが目立った。菅井からの懇願もあり、頼りなさそうな菅井も、ひとまずは雇ってみることになり、小峰(斎藤工)と倉田(窪田正孝)を含めて三人のアシスタントたちが調布の狭い家にひしめきあう。一方、船山(風間トオル)が企図する「墓場の鬼太郎」のテレビ化は、思うように進んでいなかった。
100話
プロダクション旗揚げ プロダクションの経理を手伝う気持ちになりかけていた布美枝(松下奈緒)だったが、2人目の子どもを妊娠していることがわかる。雄一(大倉孝二)と佐知子(愛華みれ)が村井家を訪れ、経理を佐知子が担当することが決まり、布美枝は少ししょんぼりする。昭和41(1966)年6月「水木プロダクション」が旗揚げとなり、その発足記念パーティーには、多くの関係者が集まり茂(向井理)を囲む。
101話
プロダクション旗揚げ アシスタント、出版社の原稿取り、経理を担当する佐知子(愛華みれ)と、にわかに人が増えた村井家は毎日が大騒ぎだった。「このままでは仕事にならない」と、業を煮やした茂(向井理)は、執筆の環境を整えるために家を改築することを宣言。仕事に明け暮れる日々のなか、家の改築工事も猛スピードで進む。一方、安来の源兵衛(大杉漣)は身重の布美枝(松下奈緒)のことを考え、あることを思いつく。
102話
プロダクション旗揚げ 失敗を繰り返す菅井(柄本佑)は“水木プロをクビになるのでは”と落ち込むが、布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)は、彼のよさを認めていた。源兵衛(大杉漣)の考えで、村井家に安来からいずみ(朝倉えりか)がやって来る。菅井はいずみにときめくが、倉田(窪田正孝)は“仕事の邪魔になられてはかなわない”と、つっけんどんな態度。そのころ「墓場の鬼太郎」のテレビ化をねらう船山(風間トオル)たちに、転機が訪れていた。
103話
悪魔くん復活 茂(向井理)は、豊川(眞島秀和)から「悪魔くん」を「週刊少年ランド」の読者向けに新たに書き下ろしてほしいと頼まれる。「墓場の鬼太郎」のテレビ化が難航しているため、より通りやすい企画として「悪魔くん」をテレビ局に売り込もうというのだ。茂は“貧乏時代の怒りに満ちた「悪魔くん」が少年誌の読者には受けない”と考え答えを渋るが、布美枝(松下奈緒)からの勧めもあり、新しい「悪魔くん」に取り組むことを決心する。
104話
悪魔くん復活 小峰(斎藤工)、倉田(窪田正孝)、菅井(柄本佑)の3人のアシスタントと共に、茂(向井理)は「悪魔くん」の新作に取りかかった。安来から来た、布美枝(松下奈緒)の妹・いずみ(朝倉えりか)は、村井家に活気をもたらすが、彼女をめぐって編集者の北村(加治将樹)と菅井が、さやあてめいた雰囲気になるなど“騒動の火種”にもなりそうな気配だった。布美枝は、茂が漫画を描くことに少しでも協力しようとして…。
105話
悪魔くん復活 豊川(眞島秀和)と船山(風間トオル)が、「悪魔くん」のテレビ放映が決定したことを布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)に知らせにやってくる。深沢(村上弘明)もそれを喜ぶが、秘書の郁子(桜田聖子)は茂と共にあり続けた「ゼタ」の部数を、深沢がこの機会に伸ばそうとしないことにいらだつ。“「悪魔くん」テレビ化”のニュースは、調布の町中を駆けめぐり、茂が作詞を手がけた番組主題歌もできあがって…。
106話
悪魔くん復活 とうとう「悪魔くん」の初回放送日がやってくる。テレビの放送が始まるまでに、仕事を終わらせようと、茂(向井理)をはじめとするプロダクションの面々は、昼から大わらわの騒ぎだった。布美枝(松下奈緒)も放送後のお祝いの準備で、てんやわんや。“まもなく放送が始まる”というとき、村井家に浦木(杉浦太陽)や、境港から前ぶれもなく絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)までもがやって来て…。
107話
悪魔くん復活 「悪魔くん」放送の翌日、絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)は、貧乏時代から様変わりした村井家を見て回り、境港に帰った。「悪魔くん」のテレビ放送は、子どもたちの心をつかみ人気番組となる。それがけん引役のひとつとなり「週刊少年ランド」は、年末の特大号で刷り部数100万部を達成。菅井(柄本佑)は、いずみ(朝倉えりか)にひそかに思いを寄せる。そしてクリスマスイブの日、布美枝(松下奈緒)を陣痛がおそって…。
108話
悪魔くん復活 布美枝(松下奈緒)は、帝王切開で2人目となる女の子を無事に出産する。茂(向井理)は仕事が多忙を極めているため、病院に様子を見に行くこともできないありさまだった。いずみ(朝倉えりか)には、茂が仕事以外のことに無関心だと思え、アシスタントの倉田(窪田正孝)にその不満をぶつけてしまう。布美枝が家を不在にしている間に、藍子がストーブに手を付けて、やけどをする騒ぎが起こり、茂は…。
109話
鬼太郎ブームがはじまった 布美枝(松下奈緒)は、車の免許を取ろうと自動車学校に通いはじめる。倉田(窪田正孝)は茂(向井理)のアシスタントをしながら、漫画の新人コンクールに出すための作品を描いていた。しかし応募の締め切り当日、倉田は水木プロの仕事で、郵便を出しに行けずに困っていた。そこで、いずみ(朝倉えりか)が代わりに郵便を出しに行くことに。アシスタントの菅井(柄本佑)と編集者の北村(加治将樹)は、いずみに気がある様子で…。
110話
鬼太郎ブームがはじまった いずみ(朝倉えりか)に思いを寄せる北村(加治将樹)や菅井(柄本佑)とは対照的に、倉田(窪田正孝)は漫画を描くことだけに集中しようとしていた。ある出版社が嵐星社との合併話を深沢(村上弘明)にもちかける。同じころ、郁子(桜田聖子)は豊川(眞島秀和)に頼んで、大手の雄玄社で仕事をするようになっていた。いずみは、自分の見合い話が実家でもちあがっていると布美枝(松下奈緒)から聞くが、気乗りしない様子で…。
111話
鬼太郎ブームがはじまった 倉田(窪田正孝)は、コンクールに漫画を応募し続けていたが入賞できずにいた。倉田といずみ(朝倉えりか)は、お互いに対する素直な思いを表すことができないままだった。そして布美枝(松下奈緒)は、いずみが安来に帰りたがらない本当の理由がわからず困っていた。かつて、2階に間借りしていた元漫画家の中森(中村靖日)が、久しぶりに村井家を訪ねてくる。貧乏だった時代をくぐりぬけた布美枝の心の強さを知ったいずみは…。
112話
鬼太郎ブームがはじまった 布美枝(松下奈緒)は浦木(杉浦太陽)から「嵐星社がほかの出版社と合併するらしい」と聞き、忙しい茂(向井理)との会話不足のために“そんな大事なことも知らずにいたのか”と思う。茂は倉田(窪田正孝)に“漫画家としてやっていくための心構え”を語り、布美枝といずみ(朝倉えりか)は“漫画を描いて生きていくことの大変さ”をあらためて感じる。「墓場の鬼太郎」の主題歌が茂の作詞によって完成し、それをきっかけに…。
113話
鬼太郎ブームがはじまった 深沢(村上弘明)は、苦労している多くの漫画家たちにまともな原稿料を払うため、他社との合併話を真剣に考えていた。しかし、相手は「ゼタ」の名前と、茂(向井理)たち人気漫画家が欲しいだけだったことがわかり、結局は断ることに。それをきっかけに、郁子(桜田聖子)は嵐星社に見切りをつけ、深沢のもとを去る。いずみ(朝倉えりか)は、安来に帰ることを決心し、倉田(窪田正孝)とも別れのときを迎える。
114話
鬼太郎ブームがはじまった 昭和43年1月、「ゲゲゲの鬼太郎」のテレビ放送が始まり、茂(向井理)が作詞した主題歌とともに番組は人気をよぶ。放送が始まって半年もたつと、漫画の注文のみならず取材の申し込みも殺到するようになり、茂の弟・光男(永岡佑)を九州から呼び寄せ、マネージャーを務めてもらうことが決まる。倉田(窪田正孝)と小峰(斎藤工)は、水木プロから巣立ち、修平(風間杜夫)と絹代(竹下景子)が東京の村井家に同居することに。
115話
妖怪いそがし 昭和47年4月。絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)との同居を機に、茂(向井理)は家を改築。あちこちにドアや奇妙な階段が取り付けられた村井家は、さながら迷路のようになっていた。茂の仕事は、ますます忙しくなる一方で、締め切りに追い立てられる日々が続く。布美枝(松下奈緒)の長女・藍子(菊池和澄)は小学4年生になり、父親が漫画家であるために、学校でクラスメートたちの好奇の目にさらされてしまう。
116話
妖怪いそがし 布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)のもとを、久しぶりに豊川(眞島秀和)が訪れ「社内の人事異動で漫画の現場を離れることになった」と知らせる。新しく茂を担当することになった編集者・松川(杉本有美)が若くてキレイな女性であることに、修平(風間杜夫)はご機嫌だった。藍子(菊池和澄)は、学校で「水木しげるの漫画はウソばかり描いてある」といじめられ、その悩みを布美枝に相談することもできずにいた。
117話
妖怪いそがし 「自分は心臓が悪い」と主張する絹代(竹下景子)は、炊事や洗濯など、いろいろな家事を修平(風間杜夫)に頼むようになっていた。藍子(菊池和澄)は、相変わらず悩みを抱えていた。しかし、茂(向井理)は仕事に追い立てられ、布美枝(松下奈緒)は娘についての相談もろくにできないようなありさまだった。そして、藍子の担任の畑野先生(堀内敬子)が家庭訪問にやって来て、布美枝が聞かされたのは、思いがけない話だった。
118話
妖怪いそがし 布美枝(松下奈緒)は畑野先生(堀内敬子)から、藍子(菊池和澄)が学校で居心地が悪そうにしていることを初めて聞く。畑野は「村井家の教育方針について聞かせてほしい」と言うが、アシスタントや出版社の社員など個性的な人間たちが、ごった返す村井家の騒がしい様子に、畑野はあっけに取られるばかりだった。布美枝は、藍子が書いた作文のことを畑野から聞き、その内容に困惑を覚えるが…。
119話
妖怪いそがし 安来でミシンの販売店を営む布美枝(松下奈緒)の弟・貴司(星野源)が、研修で東京にやって来る。人当たりがよく手先の器用な貴司は、絹代(竹下景子)にも気に入られた。布美枝は貴司に、茂(向井理)の忙しさについて話す。貴司は「夫婦の気持ちがすれ違わないために、茂と会話することを大切にするように」と、布美枝に言う。ある日、貴司は藍子(菊池和澄)を連れて町に出かけるが…。
120話
妖怪いそがし 布美枝(松下奈緒)は、藍子(菊池和澄)が“水木しげる(向井理)という、有名人の娘であることに苦しんでいた”と、ようやく気づく。毎日の慌ただしさのなかで“子どもをしっかり見ることが、できていなかった”という事実に布美枝は落ち込み、後悔の念にかられる。貴司(星野源)は、布美枝の気持ちを理解し「忙しさに負けることのないように」と、布美枝を励まして故郷の安来へと帰っていく。
121話
戦争と楽園 昭和47年7月。前月に、かつての戦友と共に茂(向井理)は、戦時中に送られていたラバウルを訪れて以来“南の島”に心を奪われていた。「日本からの移住」を言いだす茂に、布美枝(松下奈緒)はあきれ顔。小学4年生になった長女・藍子(菊池和澄)は、有名な漫画家の娘であることから、学校でからかわれていた。今まで、あまり親しくなかったクラスメートの留美子が、自分をかばってくれたことが、藍子はうれしかったが…。
122話
戦争と楽園 絹代(竹下景子)は、近所の住人から老人クラブへの入会を勧められるが、それをきっぱりと拒否する。かつて、南洋の島で事業を営んだことがある修平(風間杜夫)は、茂(向井理)の“南方へのあこがれ”に理解を示すが、絹代から「茂に移住を薦めたりしないように」と、強くたしなめられる始末。次女・喜子(松本春姫)は、茂が片腕であることを不思議がるようになり、布美枝(松下奈緒)は、娘に戦争のことを教えるかどうか迷う。
123話
戦争と楽園 藍子(菊池和澄)は、級友の留美子から「テレビアニメの『ゲゲゲの鬼太郎』に、自分をモデルにした女の子を出してほしい」と頼まれて、困っていた。母の布美枝(松下奈緒)に、藍子は相談をもちかけてみるが「とても、茂(向井理)に相談できることではない」と言われてしまう。一方、出版社から過去の自作「敗走記」への加筆と単行本化を依頼された茂は、そこに描かれた自分の戦争体験を布美枝に語って聞かせる。
124話
戦争と楽園 茂(向井理)のもとを、戦時中ラバウルで同じ隊に配属されていた三井(辻萬長)と笹岡(井之上隆志)が訪ねて来る。布美枝(松下奈緒)は、茂たちの交わす会話から、戦争中に南の島で彼らが体験したさまざまな出来事を初めて知る。一方藍子(菊池和澄)は、クラスメートの留美子からの“頼まれごと”をどうすることもできず、気がふさいだままでいた。悩みながら町をとぼとぼ歩いている藍子を絹代(竹下景子)が見かけ…。
125話
戦争と楽園 布美枝(松下奈緒)は、茂(向井理)たちから戦争中のラバウルで起こったズンゲン支隊の「幻の総員玉砕」の話を聞く。藍子(菊池和澄)は、クラスメートの留美子との関係で悩んでいることを祖母の絹代(竹下景子)に打ち明け、力強い励ましの言葉をもらう。布美枝は、ようやく藍子が何に悩んでいたのかを知ることになって…。
126話
戦争と楽園 藍子(菊池和澄)は、学校で留美子に対する態度をはっきりさせることができ、ようやく笑顔を取り戻した。久しぶりに布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)のもとを深沢(村上弘明)が訪ねてくる。「ゼタ」の売れ行きが振るわず“そろそろ会社の経営も限界か”と、思い始めていた深沢だったが、自身が体験した戦争に、しっかり向きあって描いていこうとする茂の決意にふれた深沢は…。
127話
おかあちゃんの家出 昭和47年10月。茂(向井理)は毎朝食事が終わると、いったん食卓から戸外まで出て、また玄関から入り直して仕事部屋に向かうという、奇妙な出勤スタイルをとっていた。茂に漫画を注文したある出版社が倒産し、原稿料が回収できそうもないことに、雄一(大倉孝二)たちは頭を悩ませるが、布美枝(松下奈緒)に、そのことは伝えられなかった。茂はその穴を埋めるために仕事を増やし、多忙を極めることになって…。
128話
おかあちゃんの家出 夫婦の間で会話が少ないことを気にした布美枝(松下奈緒)は、茂(向井理)に手紙を書くが、仕事部屋のゴミ箱にその手紙が捨てられているのを見つけ、動揺する。相変わらず多忙な茂は、夕食の席で布美枝と仲たがいし、布美枝は思わず家を飛び出してしまう。思い直して家へ戻っても、やはり何も言ってくれない茂に対して、布美枝は寂しい思いを抑えることができずにいた。
129話
おかあちゃんの家出 布美枝(松下奈緒)が、藍子(菊池和澄)と喜子(松本春姫)を連れて外出して帰ってくると、茂(向井理)が早とちりをして“布美枝が子どもたちを連れて、家出をしたのではないか”という騒ぎになっていた。浦木(杉浦太陽)が、しばらくぶりに村井家を訪ねてきて、貧乏だったころと比べて、がらりと様変わりした家の様子をあらためてしげしげと眺めながら、茂に“怪しげな商売”の話をもちかけるが…。
130話
おかあちゃんの家出 ついに過労で倒れてしまった茂(向井理)だったが、ようやく布美枝(松下奈緒)との間のわだかまりは、なくなった。茂の体調もなんとか回復して、仕事に復帰した夜のこと。布美枝に安来の実家から電話がかかってくる。それは「弟の貴司(星野源)が、海に落ちて亡くなった」という、思いがけない知らせだった。布美枝は、姉の暁子(飯沼千恵子)と共に安来へと向かう。
131話
おかあちゃんの家出 布美枝(松下奈緒)の弟・貴司(星野源)の葬儀も終わり、布美枝は源兵衛(大杉漣)、ミヤコ(古手川祐子)、邦子(桂亜沙美)たち家族との別れを惜しみながら実家をあとにする。調布に帰った布美枝を茂(向井理)は優しく迎え、修平(風間杜夫)と絹代(竹下景子)も肉親を亡くした布美枝の悲しみを思い、気遣う言葉をかける。布美枝は、貴司が手入れしてくれたミシンを見ながら、この世を去った弟のことを思う。
132話
おかあちゃんの家出 布美枝(松下奈緒)のもとに、すずらん商店街で貸本屋を営んでいた田中美智子(松坂慶子)から“久々に調布を訪ねる”との手紙が届く。8年ぶりに美智子と会った布美枝と茂(向井理)は、懐かしい思いに満たされる。かつて、病気で亡くなった息子の墓を、今の住まいがある千葉に移そうというのが、美智子の来訪の目的だった。商店街の靖代(東てる美)、和代(尾上紫)、徳子(棟里佳)も美智子との再会を喜んで…。
133話
妖怪はどこへ消えた? 昭和56年4月。布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の長女・藍子(青谷優衣)は大学に進学し、次女・喜子(荒井萌)は中学3年生になった。喜子は、父親譲りのマイペースで、毎朝学校に遅刻続きだった。茂が“漫画界の第一線”に躍り出てから、すでに15年ほどが過ぎ、その間、茂はずっと仕事漬けの日々を送っていたが、このところ漫画の注文が急に減り、光男(永岡佑)たちはプロダクションの先行きを心配していた。
134話
妖怪はどこへ消えた? 水木プロダクションの仕事は激減していた。しかし茂(向井理)は、まだどこかでそれを“一時的なもの”ととらえようとしていた。ある日、テレビ局の取材者が仕事場に来て、茂にマイクを向けるが、視聴者受けを第一に考えるインタビュアーの質問に、茂は当惑。布美枝(松下奈緒)は、久しぶりに戌井(梶原善)の妻・早苗(馬渕英俚可)と会い、戌井が文庫サイズの漫画出版から手を引き、今は軽印刷の仕事に絞っていることを聞く。
135話
妖怪はどこへ消えた? 布美枝(松下奈緒)は、茂(向井理)がこれまでになく気落ちしている様子が心配だった。あれほど夢中になっていた南方の仮面や装飾品に向ける目に光がなく、それらを「ガラクタ」と呼ぶ始末。かつて茂を魅了していた物が、今の茂にとっては価値のない物になってしまったようだった。一方、次女・喜子(荒井萌)は、修学旅行のしおりに妖怪の絵を描き入れようとして、茂に質問をしようとするが…。
136話
妖怪はどこへ消えた? 絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)は布美枝(松下奈緒)に対し「茂(向井理)に漫画の注文が来なくなったことで、気をもみすぎることのないように」と気遣いをみせる。喜子(荒井萌)は、修学旅行のしおりに妖怪の絵を描いたことで、クラスメートたちから白い目で見られるようになり、“妖怪ブーム”が過ぎ去って虚無感を抱える茂と、同じ気持ちを分かち合う。
137話
妖怪はどこへ消えた? 漫画家になる夢をあきらめて郷里の山梨に帰った河合はるこ(南明奈)が久しぶりに村井家を訪ねてきた。はるこは小学校の教師を目指して努力を重ね、この春ようやく本採用が決まったという。はるこの学校では、子ども同士のもめごとがあったり、受験のプレッシャーに苦しむ児童がいたり、いくつもの問題が存在していた。はるこは、茂(向井理)に「山梨に来て、伸び伸びした子ども時代の話を学校でしてもらえないか」と言う。
138話
妖怪はどこへ消えた? 茂(向井理)は、はるこ(南明奈)の求めに応じて山梨を訪れ、小学校の子どもたちと共に自然豊かな山中で川遊びを楽しむ。それは、茂が久しぶりに伸び伸びした気持ちを取り戻したひとときだった。茂が谷川沿いを歩き上流にさしかかると、どこかから奇妙な歌声が聞こえてくる。声のする方向に茂は目を向け、そこに妖怪「小豆洗い」の姿を発見。茂は、小豆洗いと言葉を交わすことになって…。
139話
人生は活動写真のように 昭和59年4月。茂(向井理)の父・修平(風間杜夫)が高齢のため、このごろめっきり元気がないことが、布美枝(松下奈緒)の心配の種だった。出版社の編集者のなかには、子どものころに茂の漫画を愛読していた人も出始め、そうした編集者の茂に対する理解もあり、茂の仕事も再び軌道に乗り始めていた。ある日「茂の漫画をモチーフにした演劇を上演したい」と言う、若い劇団員たちが村井家を訪れ…。
140話
人生は活動写真のように 「絹代(竹下景子)が、交番に保護されている」という知らせが村井家に入り、布美枝(松下奈緒)は慌てて引き取りに行く。街なかでマナーがなっていない若者の集団に対し、絹代がつえを振り回して注意し、相手に軽いケガを負わせてしまったというのだ。その騒ぎをきっかけに、修平(風間杜夫)と絹代は、昔のことを蒸し返して口げんかを始めてしまう。それから数日が過ぎたある日、修平に1通の手紙が届く。
141話
人生は活動写真のように 修平(風間杜夫)が若い女性を連れて銀座を歩いていたことをたまたま絹代(竹下景子)が聞きつけてしまい、絹代と修平の間にはぎくしゃくした雰囲気が続く。一方、布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の間にも、藍子(青谷優衣)の進路をめぐって行き違いが生じていた。
142話
人生は活動写真のように ある日、喫茶店で倒れてしまった修平(風間杜夫)が、たまたまその場に居合わせたアシスタントによって家まで抱えて連れてこられる。驚く布美枝(松下奈緒)たちだったが、劇団員の志穂(入山法子)も、なぜか修平とそのときいっしょにいて…。昭和59年7月、藍子(青谷優衣)は教員採用の一次試験を受けに出かけていく。
143話
人生は活動写真のように 娘をいつまでも手もとに置いておきたい茂(向井理)は、藍子(青谷優衣)が教員になることに相変わらず反対だった。修平(風間杜夫)は、このところ体調を崩して横になって過ごすことが多くなり、調子のいい日には、かつて手がけていたシナリオを書く日々を送っていた。次女の喜子(荒井萌)は、自分自身の将来についての悩みを抱えていて…。
144話
人生は活動写真のように 修平(風間杜夫)は寝つきがちな毎日を送り、目をさましては布美枝(松下奈緒)に自分の若き日のことなどを語って聞かせる。かつて、松井須磨子の一座にいた叔父が絵の勉強をするためにパリに渡り、何年もしないうちに亡くなってしまったこと。その叔父の亡くなった日に、茂(向井理)がこの世に生まれたこと…。布美枝は修平に「書いているシナリオが完成したときには、それを読ませてほしい」と言う。
145話
独立宣言 昭和59年の秋。修平(風間杜夫)がこの世を去ってから、ひとつきほどたったある日、布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の長女・藍子(青谷優衣)のもとに、東京都の教員採用試験の合格通知が届く。“娘に水木プロの仕事を手伝ってほしい”と思っていた茂は、不満をあらわにする。“娘を手放したくない”というのが茂の本音で、教員になったら、どこに赴任するかわからないのが、茂は嫌だったのだ。
146話
独立宣言 「自分のことは自分で決める」と言う藍子(青谷優衣)のきっぱりとした言葉に、布美枝(松下奈緒)の心は揺れていた。強烈な個性の持ち主である絹代(竹下景子)と、何事もなく同居している布美枝に対し、雄一(大倉孝二)の妻・佐知子(愛華みれ)は「よくやってくれている」と感謝を伝える。藍子は、教員採用を自分に辞退させることを考えていた茂(向井理)への反発を募らせて…。
147話
独立宣言 藍子(青谷優衣)が教員採用試験に受かった話を聞いて、源兵衛(大杉漣)も喜ぶが、“娘を家に置いておきたい”という茂(向井理)の思いを理解もする。源兵衛は、藍子を手放さずに済むための一計を案じ、茂にそれを伝えるのだが…。
148話
独立宣言 源兵衛(大杉漣)の計画も失敗に終わり、「どうしても教師になる」と言い張る藍子(青谷優衣)と、それに反対する茂(向井理)の対立は深まるばかりだった。修平(風間杜夫)に先立たれた、妻・絹代(竹下景子)と、布美枝(松下奈緒)の母・ミヤコ(古手川祐子)はしみじみと語り合い、それぞれの思いを理解する。源兵衛とミヤコ、布美枝と藍子、喜子(荒井萌)は、そろって深大寺を訪れ…。
149話
独立宣言 教師の仕事を頑張っていた藍子(青谷優衣)だったが、しだいに元気のない様子を見せはじめ、梅雨に入るころには、かなり追い詰められたようなことばを口にする。目立たない子どもの“よいところ”を、クラスじゅうに紹介しようとしたことが「えこひいきをしている」と言われる結果を招いてしまい…。
150話
独立宣言 藍子(青谷優衣)は、深く落ち込んでいた。受け持ちのクラスはガタガタ。父兄たちからも批判される始末。藍子はある日、布美枝(松下奈緒)に弱音を吐く…。
151話
ありがとう 昭和60年10月。布美枝(松下奈緒)の父・源兵衛(大杉漣)が、脳こうそくで倒れたという知らせが届き、布美枝は1人、安来へと見舞いに向かう。実家では、床で眠る源兵衛に、ミヤコ(古手川祐子)や兄嫁・邦子(桂亜沙美)たちが、心配そうに付き添っていた。源兵衛は、自分が倒れたことを東京の布美枝に知らせようとはせず、源兵衛の容体が落ち着くのを待って、家族が布美枝に連絡をしたということだった。
152話
ありがとう 父の見舞いで帰省した布美枝(松下奈緒)は、何年かぶりに幼なじみのチヨ子(平岩紙)と会い、それぞれの近況を語り合う。今は遠く離れていても“故郷の人たちが、自分や家族のことを気遣ってくれている”と感じた布美枝は、その胸に温かいものがこみ上げる思いだった。兄嫁・邦子(桂亜沙美)が、かいがいしく家事をしてくれる姿に、布美枝は、ありがたみを感じて…。
153話
ありがとう 調布の村井家を、久しぶりに雄玄社の編集者・北村(加治将樹)が訪ねてくる。数年間文芸誌の編集部に在籍していた北村は、久しぶりに漫画の現場へ復帰することになり「雑誌『週刊少年ランド』に、新しく“鬼太郎”の連載をお願いしたい」と茂(向井理)に言う。月刊誌への連載とあわせるとかなりの負担になるため“新しい有能なアシスタントを雇う必要性がある”と、考えた茂たちだったが…。
154話
ありがとう 数多くの人たちのおかげで、今日までなんとかやってこられたことを、あらためて痛感した布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)。2人は、水木プロダクション設立20周年を記念する謝恩パーティーを開くことを決め、その準備に取りかかる。盛大な会にするため、招待客のリストアップ、引き出物選び、料理の手配など、家族あげての大仕事が始まる。そしていよいよ、パーティーの当日がやってきて…。
155話
ありがとう 水木プロダクション設立20周年記念の謝恩パーティーを無事に終えて、布美枝(松下奈緒)、茂(向井理)、藍子(青谷優衣)、喜子(荒井萌)は、家へと帰ってくる。盛況だったパーティーの余韻が残るなかで、一家はあらためて“家族のきずなの尊さ”を感じる。パーティーの翌日、調布の住人たちをはじめとする、さまざまな人びとが村井家を訪れ、それぞれに“水木プロ20周年”を祝う。
156話
ありがとう(最終回) 昭和61年9月末。秋風が吹き始めたころ、安来から“源兵衛(大杉漣)に関する知らせ”が届く。布美枝(松下奈緒)、茂(向井理)、藍子(青谷優衣)、喜子(荒井萌)の4人は、一家そろって安来へと向かう。飯田家の親族たちが勢ぞろいして、昔のことを懐かしみながら、穏やかな時間を過ごすのだった。そして、故郷の山道で布美枝と茂の2人は…。
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